ベルリン3部作の盟友ブライアン・イーノとの再コラボレーションも話題となった『1.OUTSIDE』時代。その極上ステレオサウンドボード・アルバムがリリース決定です。そんな本作に刻まれているのは「1996年7月9日ローマ公演」。サイバーパンク的な猟奇世界も衝撃だった“OUTSIDE TOUR 1995-1996”の一幕です。このツアーはボウイの人生で唯一のイスラエル公演やロシア公演など、初めての国々も巡る文字通りのワールドツアーでもありました。まずは、その歩みの中でショウのポジションを確認してみましょう。
【1995年】《9月25日『OUTSIDE』発売》・9月14日-10月31日:北米#1(27公演)・11月14日-12月13日:英国(16公演)【1996年】・1月17日-2月20日:欧州#1(23公演)・6月4日-13日:日本(7公演)・6月18日-7月21日::欧州#2(22公演)←★ココ★
これがワールドツアーの概要。この中でも特別だったのは1996年の「日本」と「欧州#2」。別名“OUTSIDE SUMMER FESTIVALS TOUR”とも呼ばれ、先述のイスラエルやロシアも含む多彩な国々を巡る日程でした。本作のローマ公演は、その「欧州#2」の15公演目となるコンサートでした。 このショウは、当時ラジオでも放送。本作は、その最高峰マスターとなるFMアルバムなのです。そのクオリティは、まさに絶品のステレオ・サウンドボード。距離ゼロの密着感、究極的までに詳細なディテール、頭の中で生演奏がグルグルと回るステレオ感……。すべてが素晴らしい。サウンドボード卓直結とも違うのでミックスも精緻に施されており、ライヴらしいのは激しい生演奏のみ。それこそスタジオ作品でも流しているような“作品感”が漂う極上サウンドボードなのです。実際、本作最大のポイントはこの“作品感”。このツアーからは様々なサウンドボードやプロショットが残されており、当店でも『LORELEY 1996』『OUTSIDE IN MOSCOW』等が大人気を博してはいます。それらの傑作群と本作の決定的な違いは、巧みな編集。約1時間の放送枠に沿ってダイジェストされているのはいつも通りなものの、その編集ぶりは非常に個性的。MCなどの曲間がバッサリとカットされ、曲順も大胆に変更。1曲を終えた呼吸感もなければ、イントロに沸く観客の息吹もなく、とにかく曲に次ぐ曲が矢継ぎ早に繰り出されるのです。ハッキリ言ってライヴの現場感覚がほとんどないわけですが、これが意外なほどに良い。まるでスタジオ・アルバムのように“音楽”に焦点が絞り込まれ、曲を重ねるごとに集中力がドンドン加速していくのです。とは言っても、ただスタジオ作品を流しているのともまるで違う。肝心要の音楽に生演奏の激しい熱気が吹き込まれている。その苛烈さは観客のいない白けたスタジオ・ライヴの演奏ともまったく別次元。「”Heroes”」にイタリア語DJが入るために完成度は完璧とは言い難いですが、それさえも演出SEかのように感じられてしまう。ステージだからこそ生まれる熱気をたっぷりと発散しながら、スタジオ作品のように濃密。そして、クオリティはオフィシャル級。何とも個性的で、”音楽作品”然としたライヴアルバムなのです。
ミュージシャン人生にとって、ツアーは作品づくりよりも遙かに比重が大きい。そこから生まれるライヴアルバムにはさまざまな魅力があります。その人生を垣間見る手がかりとして、真実の現場記録として、そして生演奏そのものの魅力。本作は記録という意味では不十分ではありますが、そこを切り捨てて「生演奏」の可能性を引き出した1枚なのです。コンサート再現ではなく、スタジオ・ライヴでもなく、編集されたFMアルバムだからこその濃密な作品感を味わえる1枚。
Live at the Curva Stadio Olimpico, Rome, Italy 9th July 1996 STEREO SBD (54:48)
1. Look Back In Anger 2. Scary Monsters 3. The Hearts Filthy Lesson 4. Outside 5. Aladdin Sane 6. The Voyeur Of Utter Destruction 7. The Man Who Sold The World 8. Hallo Spaceboy 9. Breaking Glass 10. Telling Lies 11. Jump (They Say) 12. Under Pressure 13. Heroes 14. D.J. Outro
David Bowie - vocals Reeves Gabrels - guitar Gail Ann Dorsey - bass, vocals Zack Alford - drums Mike Garson - keyboards
STEREO SOUNDBOARD RECORDING






























