映画にもなり、ボウイどころか70年代ロックの1つの象徴とも言える伝説コンサート「1973年7月3日ハマースミス公演」。そのサウンドボード・アルバムがリリース決定です。このショウは、まさに伝説。“ZIGGY STARDUST TOUR 1972-1973”の最終日にして、「ジギー封印宣言」の現場となった公演なのです。まずは、ロック史に輝く“ZIGGY STARDUST TOUR”の全体像をチェックしてみましょう。
【1972年】《2月4日『ジギー・スターダスト』完成》・1月29日-9月7日:英国#1(63公演)・9月22日-12月2日:北米#1(29公演)・12月23日-29日:英国#2a(4公演)
【1973年】・1月5日-9日:英国#2b(4公演)《1月24日『アラジン・セイン』完成》・2月24日-3月12日:北米#2(16公演)・4月8日-20日:日本(9公演)・5月12日-7月3日:英国#3(59公演)←★ココ★
これが伝説ツアーの全像。本作のハマースミス公演は、まさにその千秋楽でした。このショウのサウンドボード・マスターは、近年になってネットに登場して大きな話題ともなりましたが、本作はそれとも違う独自ルートにより流出した関係者マスター。WardourレーベルからプレスCDとして登場し、大人気のうちに完売・廃盤となっているものです。実際、本作はリールに封じ込まれたサウンドそのままとしか思えないダイレクト感たっぷりの逸品。イコライジングでサウンドを強調する必要さえなく、いかなるタイトルよりも自然な“素の鳴り”をたっぷりと楽しめるライヴアルバムなのです。そのサウンドで描かれる伝説のハマースミス公演は絶品。なによりも素晴らしいのは、ボウイの歌声。オフィシャルではていねいにミックスされ、磨き上げられていましたが、本作は卓直結サウンドボードならではの生々しさが鮮烈。ミックスも現場そのもので、まるでマイクにでもなったかのようなリアリティで主役ボウイの声が直接流し込まれる。そう、「Rock‘N Roll Suicide」の前に語られる、伝説のジギー封印MC「Not only is it the last show of the tour, but it's the last show that we'll ever do.」も、現場以上の生々しさで耳元に響くのです(遠くに響く観客たちの悲鳴も超リアルです)。もちろん、いかに荒々しいミックスとは言っても、バンドの演奏がおざなりにはなっていない。あくまでボウイの歌がデン!と真ん中にしながらも、アンサンブルの妙味も生々しく伝わる。それが殊更に嬉しいのは、「The Jean Genie / Love Me Do」「Round And Round」でしょう。オフィシャルでは聴けないジェフ・ベックとの共演が卓直結サウンドボードで聴けるのです。ジェフを紹介するMCから変幻自在ギターとボウイの声が絡み合う様子まで、ピッキングニュアンスも鮮烈な耳元サウンドで流し込まれる……。しかし、好事魔多し。それほど貴重な記録だけに、残念ながら欠点も存在します。録音された際の機材トラブルから「The Width Of A Circle」にわずかながらワープがあり(12:29)、「Suffragette City」に6秒ほど(0:43-0:49)音の劣化がある。さらに、ピッチもランダムに狂っていました。そうした欠けや劣化をオフィシャルで補完することも検討されましたが、ミックスが大幅に違うオフィシャルを繋げるとどうしても違和感が拭えなかった。そこで本作では、伝説の録音を尊重して欠けをパッチすることはせず、ピッチだけを徹底的に修正。リールが持っていた鳴りを最大限自然に味わえる仕上がりを実現しました。ボウイの象徴としてさえ語られるキャラクター「ジギー・スターダスト」。もちろん、ジギーだけでボウイを語ることは決してできませんが、ジギー抜きで語ることもできない。アルバムから出発し、ツアーを重ねるごとにより派手に、より奇抜に巨大化していった存在は、ついにボウイ自身をも飲み込もうとしていた。その頂点の姿にして、終止符を打った伝説公演を生々しく味わえる歴史的傑作です。記録映画と共に、永遠に語り継がれるべき歌声。
Live at Hammersmith Odeon, London, UK 3rd July 1973 SBD (speed correction)
Disc 1 (52:58)
01. Introduction by Barry Bethal 02. Mike Garson's Medley (Space Oddity / Ziggy Stardust / John, I'm Only Dancing / Life On Mars?) 03. Ode To Joy 04. Hang On To Yourself 05. Ziggy Stardust 06. Watch That Man 07. Wild Eyed Boy From Freecloud / All The Young Dudes / Oh! You Pretty Things
08. Moonage Daydream 09. Changes 10. Space Oddity 11. My Death
Disc 2 (55:04)
01. Announcement and William Tell Overture 02. Cracked Actor 03. Time 04. Width Of A Circle 05. Band Introduction 06. Let's Spend The Night Together 07. Suffragette City 08. White Light White Heat 09. The Jean Genie / Love Me Do with Jeff Beck 10. Round And Round with Jeff Beck
11. Farewell Speech 12. Rock‘N Roll Suicide 13. Pomp and Circumstance by Edward Elgar





























