有名音楽評論家がDJを務めた"ロック夏期講座"の「ROCK SUMMER SESSION 1976: STORY OF RICHIE BLACKMORE」。1976年当時、同番組でシリーズ放送された中には「エリック・クラプトン物語」もありました(シリーズ2夜目、'76年8月10日放送)。今回、番組を良好な受信環境でエアチェックした同じ録音者からのマスターをCD化!当時、ロック評論家として頭角を現していた人物二人のクラプトン評は、現在でも聴く価値のある内容になっています。クラプトンも、この1976年という年にはトピックがありました。敬愛するザ・バンドのメンバー全員に加え、ボブ・ディラン、ロニー・ウッド、ジェシ・エド・デイヴィスらを招いたセッション・アルバム「NO REASON TO CRY」を発表し、74年のカムバック以降、ソロ活動を軌道に乗せ、脂の乗っていた時期だったと言えます。このポイントでクラプトンのキャリアを振り返る番組だったのですが、DJ二人の個性もあって、非常にユニークな構成になっているのが注目です。今回のシチュエーションは、高地にある温泉宿の客間でくつろぎながらの対談形式です。秋の虫の声や蛙の鳴き声も聞こえる田舎の風情をバックに、熱いエリック・クラプトン論を展開しているのがまた面白いところです。本盤に収録された「エリック・クラプトン物語」は、当時のシリーズ番組の第2回として、リッチーの回に先立つ8月10日にオンエアされました。クラプトン最初のプロキャリアとなったヤードバーズから始まり、ブルースブレイカーズへと話と楽曲は進んでいきます。番組中、最も比重をかけているのはクリーム時代です。しかしそこはユニークなDJのポリシーを物語るように、Sunshine Of Your LoveやWhite Roomといった超有名曲を敢えてはずし、ウーマン・トーン全開の楽曲にスポットを当てるというマニアックかつ捩くれた選曲です。さらにSpoonfulも8’24”でフェイドアウトしつつも長尺のライブバージョンを持ってくるという荒業です。その後彼らが「クラプトンの所信表明曲」と捉えたブラインド・フェイスのPresence Of The Lordを挟み、それまでとはまったく音楽性の異なるカムバック後(74年)のI Shot The Sheriff、Let It Growをいきなり持ってきています。この「落差」に当時のリスナーは驚いたと予想されますが、それが彼らの狙いであったと読めます。Spoonfulの前に、「クラプトンの個性が出てきたのはつい最近のこと」という発言もあり、彼らはクラプトンというアーティストを、前半はギターの名手として捉え、後半はトータル・アーティストとして捉えてガイダンスしようとしていたことが判ります。波乱万丈、苦労のあったクラプトンの人生が日本人の情に訴え、思い入れを許すアーティストであることも語り、それを後押しするかのように、クラプトンのアーティストとしてのターニングポイントとなった有名曲Laylaで最後を締めます。意外にも、当時の最新アルバム「No Reason~」からのナンバーをまったく選ばず、クラプトンの人脈にも言及せずに番組を成立させたところに、二人の確固たる意思があったと見るべきでしょう。クラプトン・ファンならずとも興味をそそられるロック講座です。まず聴いてみて損はない、昭和の薫り漂う「クラプトン物語」。
Broadcast Date : 10th August 1976
1. Intro 2. Good Morning School Girl(Yardbirds) 3. DJ Talk 4. Stormy Monday(John Mayall's Bluesbreakers) 5. Steppin’Out(John Mayall's Bluesbreakers) 6. DJ Talk 7. S.W.L.A.B.R(Cream) 8. We're Going Wrong(Cream)
9. DJ Talk 10. Spoonful(Cream) 11. DJ Talk 12. Presence Of The Lord(Blind Faith) 13. DJ Talk 14. I Shot The Sheriff 15. Let It Grow 16. DJ Talk 17. Layla 18. Outro.





























