英雄コージー・パウエルを迎え、様式ハードロックの極地を描いた『HEADLESS CROSS』時代。その頂点プロショットが復刻決定です。本作に収録されているのは「1989年11月モスクワ公演」。“HEADLESS CROSS TOUR 1989”は作品の充実振りに見合う大規模なものとなり、アメリカ・ヨーロッパ・日本はもとより、当時改革解放が行われていた東ヨーロッパやソ連といった、新しいフィールドへとツアーを広げる事になりました。本作は全25公演行われたソ連ツアーより、モスクワにおける昼夜2公演を収録したマルチカメラ・プロショットです。この映像は、SABBATHファンにとって事件であり続けました。日本で絶大な人気を誇るコージー時代ではありますが、残念ながら公式のライヴ盤は残されなかった。長年の発掘作業により『HEADLESS IN VIENNA』『MANCHESTER 1989 PRE-FM MASTER』『STILL HEADLESS』といった公式代わりとなるサウンドボード・アルバムは生まれましたが、映像は絶望的。アイオミ/マーティン/パウエル/マーレイというスーパー・グループの「動く姿」を観る事はできなかったのです。その乾きを癒したのが、この映像。マルチカメラ・プロショットというだけでなく、フルで2公演分。その初登場には世界中のマニアが震撼し、その後、若いジェネ・マスターの発掘やリマスターなど、アップグレード版が登場する度に衝撃が繰り返されたのです。本作はその最終・最高峰版。大元の素材段階からマスターの再製作作業が行われたもので、とにかく画質・音声ともにオリジナル盤とは比較にならないほどに向上。既発群では邪魔だったホワイトノイズも入らず、そのクリアーさたるや、まさに別モノの域。シャープかつクリアな映像美で白熱の演奏を昨日の出来事のように再現しているのです。もちろん、音声も然り。旧盤の音声に大きめ被っていたヒスノイズも殆ど感じられず、輝くようなスーパークオリティに生まれ変わったのです。そのクオリティで描かれるのは、あの見目麗しい“HEADLESS SABBATH”の世界。ディスク1は通称「Afternoon Show」として知られており、当時の代表的なセットリストでまとめられた王道のショウ。オジー、ロニーのSABBATHを代表する名曲に加えて、トニー・マーティンの楽曲が伝統的ながらバンドの新境地を開拓する、フレッシュな魅力に溢れたショウを展開しています。新曲の「Headless Cross」でショウをスタートした後、マーティンの瑞々しい歌声でオリジナルとは異なった解釈を聴かせるロニー時代の名曲3連発は、あまりの陶酔と至福に時間が経つのも忘れる。珍しいヴェンチャーズのカバー「Apache」、威厳に溢れた「When Death Calls」を挟んで、今度はオジー時代からバンドの核心である超代表曲を4曲連続で披露していますが、コージーのドラマティックなドラミングは、そのすべてに新しい生命を吹き込んでいる。特に「Iron Man」および「Children Of The Grave」の冒頭における独特な存在感と躍動感。まったくもって余人をもって替えがたい唯一無二のものです。ドラムを通じて時にはバンドに調和し、あるいは対峙する彼の鋭い眼差しと一挙手一投足のカッコ良さ。音だけでは伝わらない、プロショット映像ならではの重要な見どころです。代わってのディスク2は「Evening Show」。セットの基本は同じながら、多少手を加えることで、ショウ全体の印象を大きく変えています。「Headless Cross」がオープニングを飾り、中盤に「When Death Calls」が位置するという構造そのものは同じなのですが、「Iron Man」と「Children Of The Grave」がショウの前半、「Die Young」と「Black Sabbath」がショウエンドを務めるというセットリストは“TYR TOUR 1990”にも引き継がれる配置。バンドがこの頃提示していた幻想的な音楽世界をさらに強調する形になっています。また「When Death Call」で印象的なイントロを弾いているのはニールのたたずまいは、神秘的でさえある。黙して語らない職人肌のプレイはSABBATHのオリジナルベーシストであるギーザー・バトラーの狂おしいプレイと好対照であり、そんなバンドの歴代メンバーを思い浮かべながら画面に見入るのも一興です。黙して語らないと言えば、バンドのリーダーであるトニー アイオミこそが真骨頂ですが「Die Young」冒頭におけるファンタジックかつ官能的なギターソロはバンドの様式美路線の完成を高らかに宣言しているようですらあります。両日のアンコールは組曲形式となった「Heaven And Hell」と「Paranoid」です。この両曲はオフィシャルレコーディングされた音源が、翌年のシングル「Fells Good To Me」のカップリング曲として用いられましたが、バンドが一体となってショウのラストを盛り上げる姿は、やはり映像でこそ味わいがあり、画面の前でこの極上の演奏を独り占めできる喜びは、ファン冥利に尽きるというものです。この1989年は社会主義陣営が民主化へ大きく舵を切り、その時代のうねりを背景に、SCORPIONSやOZZY OSBOURNE、YNGWIE MALMSTEENら欧米を代表する大物アーティストが、やはりこのソ連(ロシア)で歴史的な名演を繰り広げ多くの優れた演奏を時代に刻印してきました。彼らの同地におけるライヴが、それぞれバンドを代表する公式/プロショット映像として遺されてきたのは、やはり歴史的な運命だったと思います。BLACK SABBATHにとってもそれは例外ではなく、彼らのキャリアにおいてもピークと言えるこの時代の演奏は、優れた状態で残されるべくして遺されたのです。オフィシャルにライヴ作品が残されなかったものの、その演奏は歴代でも群を抜いていた“HEADLESS SABBATH”。その現場をマルチカメラ・プロショットで目撃できる希代の最高峰映像です。
Live at Olympic Hall, Moscow, Russia 19th-28th November 1989 PRO-SHOT
Disc 1: Afternoon Show
1. The Gates Of Hell 2. Headless Cross 3. Neon Knights 4. Children Of the Sea 5. Guitar Solo 6. Die Young 7. Apache 8. When Death Calls 9. War Pigs 10. MC (with Interpreter) 11. Black Sabbath 12. Iron Man 13. Children Of The Grave 14. Heaven And Hell 15. Paranoid/Heaven And Hell(Reprise)
Disc 2:Evening Show
1. Ave Satani/The Gates Of Hell 2. Headless Cross 3. Neon Knights 4. Children Of The Sea 5. Iron Man 6. Children Of The Grave 7. MC (with Interpreter) 8. When Death Calls 9. War Pigs 10. Guitar Solo 11. Die Young 12. Black Sabbath 13. Heaven And Hell 14. Paranoid/Heaven And Hell(Reprise)
Tony Iommi - Guitars Tony Martin - Vocals Cozy Powell - Drums Neil Murray - Bass Geoff Nicholls - Keyboards
PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx. 172min





























