2CD「DEFINITIVE MONTREAL 1974」は、ピーター・ガブリエル時代のベスト選曲ライヴをオフィシャル級サウンドボードで聴ける大傑作です。そのモントリオール公演は、同じ“ユニバーサル・スポーツ・センター”で「4月20日」「4月21日」の2日間連続で行われました。そのうち、2CDにもなったラジオ“CHOM-FM”の放送は「4月21日」ですが、前日の「4月20日」は映像も残されています。本作は、その「4月20日」の映像に「4月21日」のFM音声を被せた映像作品なのです。この映像を制作したのは、海外のGENESISマニア。映像は当時のフィルムですが、鮮やかな発色、ノイズのない画面は最高の保存状態。しかも、複数のカメラ映像を巧く組み上げており、ほぼプロショットとして見られるクオリティで72分間たっぷりと浸れるのです。ただ、同じ会場の連続公演とは言っても別のライヴですので、全編が完全にシンクロできるわけではなく、希に音のないピッキングがあったり、映像のないパート(主に曲間)は静止画になることもあります。しかし、映像があるパートのシンクロ度はハンパではない。トニー・バンクスの指先、フィル・コリンズのスティック、そしてフランス語MCを語るガブリエルの口元に至るまで、本当にこの映像のままかと思うほどにピタッと合わせている。静止画にしても、演奏内容をしっかりと把握したもの。例えば、ガブリエルがフルートを吹くシーンの映像が足りない場合は、フルートの演奏写真を何枚も使ったり、ズームやスライドさせることで幻想感の動きを演出する。微に入り、細に入り、全力で組み上げているのがビシビシ伝わってくる完成度なのです。そして、そのクオリティで繰り広げられる大定番モントリオール公演の光景は驚異。サウンドだけでも最高の幻想感なのに、数々のガブリエルの衣装やアクション、さらには歌詞の物語を語るMCシーンまでばっちり。例えば、「Cinema Show」の前にロミオ&ジュリエットの物語は音声でこそお馴染みなものの、テレビ映像のプロショット等ではなかなか見られない。しかし、本作では、そのユーモラスな口調の向こうにいるガブリエルの立ち振る舞いまで目に焼き付けることができるのです。さらにさらに、歌詞世界を表現したスクリーン映像まで挿入され、猿の人形にシンバルを叩かせるコリンズ、そんな彼が歌う激レアな「More Fool Me」も収録。 Live at the University Sports Centre, Montreal, Canada 20th & 21st April 1974 1. Watcher of the Skies 2. Dancing with the Moonlit Knight 3. Cinema Show 4. I Know What I Like 5. Firth of Fifth 6. The Musical Box 7. More Fool Me 8. The Battle of Epping Forest 9. Supper's Ready COLOUR NTSC Approx.72min.