“US + THEM 2017”最新の極上映像がリリース決定です。本作に収められているのは「2017年7月1日サンアントニオ公演」。ツアー17公演目となるコンサートです。これまでも幾多の映像作品をお届けしてきましたが、本作のポイントはダイナミックなクオリティ。もちろん、最新映像ですから超鮮やかなデジタル画質と美麗なサウンドは当たり前。その上で、多彩なシーンを見渡せる映像なのです。とは言っても、本作はマルチカメラではありません。ステージ中央よりやや右寄りの1階席から撮影されたワンカメ・ショット。しかし、このポジションが非常に素晴らしいのです。ショウが始まると画面いっぱいに正面から見すえた巨大スクリーンが映る。もう、これだけで映画のような一大スペクタクルなのですが、これだけではない。ステージからさほど離れていないため、ロジャーを直写することもできるし、各メンバーのソロもズームで捉えることができる。ステージ全景を完全に押さえるほど離れてはいないので、ステージ左右に歩いて行くロジャーを追うと角度がまるで変わるし、凝った映像演出シーンでは引いてスクリーンにも集中できる。演奏の直視にしても、スクリーン演出にしても、それぞれに味わうことが出来て(ワンカメにも関わらず)ショウの間中「同じようなシーンが続いて飽きる」ということがない。しかも、(なぜか)どの方向を向いても邪魔な影が一切入らず、極めて広々とした光景だけが続くのです。その多彩さにダイナミズムまで加わるのは、ショウの中盤以降。「Battersea Rises SFX」で会場中にサイレンが鳴り響き、上空から会場を縦断するスクリーン幕が降下してくる。この撮影者は、ほぼその真下にいるのです。そのため、スクリーンの巨大さが凄まじいスペクタクル。バタシー発電所がせり上がってくると、カメラを左右に振ってもまったく入りきらない。その壁面すぐ側に立っているかのような巨大さなのです。さらには「Pigs (Three Different Ones)」。会場中を豚が浮遊するわけですが、それを捉えるために思いっきり見上げては振り返る。その振り返りで映し出される会場全体のスケールが凄い。大会場のダイナミズムだけでなく、スタンド席びっしりの観客がいっせいにスマホを掲げて撮る・撮る・撮る! これまで演出の詳細にばかり目が行っていましたが、それを目の当たりにした観客たちがどんな反応をしているのか……そんなショウ全体のムードまでもが収められているのです。これまで極上のライヴアルバムやオーディエンス・ショットで最新ショウはだいぶ解明されてきましたが、まだまだ真の“体験感”・“現場感”までは到達していなかった。本作も見どころ中心に綺麗に収めた傑作ショットではありますが、会場のド真ん中だからこそ見回し、見渡す「360度感覚」があるのです。素晴らしく広々とした遮蔽物のない光景で、また一歩“US + THEM”の現場体験に近づける大傑作。日本公演の望めない私たちにとって、本作は欠くことのできない映像作品なのです。 Live at AT&T Center, San Antonio, Texas, USA 1st July 2017 AMAZING SHOT!!!! 1. Speak to Me 2. Breathe 3. One of These Days 4. Time 5. Breathe (Reprise) 6. The Great Gig in the Sky 7. Welcome to the Machine 8. When We Were Young 9. Deja Vu 10. The Last Refugee 11. Picture That 12. Wish You Were Here 13. The Happiest Days of Our Lives 14. Another Brick in the Wall Part 2 15. Another Brick in the Wall Part 3 16. Battersea Rises SFX 17. Dogs 18. Pigs (Three Different Ones) 19. Money 20. Us and Them 21. Smell the Roses 22. Brain Damage 23. Eclipse 24. Band Introductions 25. Vera 26. Bring the Boys Back Home 27. Comfortably Numb COLOUR NTSC Approx.135min.