ロック界の話題をかっさらっている“リッチー・ブラックモアのロック帰還”。その最終日となる母国イギリス公演を記録したライヴアルバムが登場です!今回、19年ぶりに復活したRITCHIE BLACKMORE'S RAINBOWは(今のところ)3公演だけの限定プロジェクト。そのうち本作に収められているのは「2016年6月25日バーミンガム公演」です。今週は、第1夜の『LORELEY 2016』のほか、第2夜のギフト・アルバム『MONSTERS OF ROCK: BIETIGHEIM-BISSINGEN 2016』も登場。本作と併せて3公演全部のオーディエンス・アルバムが一気に登場しました。まずは、全3公演のポジションを確認してみましょう。
・2016年6月17日ドイツ:ローレライ公演 → 『LORELEY 2016』 ・2016年6月18日ドイツ:ビーティッヒハイム=ビッシンゲン公演 → 『MONSTERS OF ROCK: BIETIGHEIM-BISSINGEN 2016』《1週間後》・2016年6月25日イギリス:バーミンガム公演 → 【本作】
このように最初2公演は2日連続のドイツ公演で、最終3公演目だけが1週間空けた唯一のイギリス公演でした。リッチーはかねてより「上手くいったら続ける」と発言していましたが、現在は3公演総てが終了したばかり。“続き”が行われるかどうかは、まだ分かっていない。現時点では、本作こそが“リッチー最後のロック・ライヴ”なのです。今回の復活劇でもひときわ特別なバーミンガム公演の第一報となるのが本作。この駄文を書いている時点で唯一登場している全曲アルバムです。ただ、一気貫通の録音ではなく、曲単位の記録を繋ぎ合わせたもの。おおよその元録音は共通しているようなのですが、どうやら足りない曲を別録音で補填しているようです。そのため、曲間も短めに演奏が次々と登場。現場感覚より畳みかけ感が高いものの、ていねいに繋がれているので違和感はありません。そして、気になるクオリティですが、これがなんとも良い感じのオーディエンス・サウンド。“繋いだ”ということは、“ダメパートを削れる”ことでもあり、どの曲も非常に安定していて素晴らしい。極太の楽音はかなりパワフルに録音されているものの、PAの出音自体がマイルドなために非常に滑らか。そこに被さるオーディエンスの熱狂もバランスが良く、“ゲンティン・アリーナ(旧NECアリーナ)”に詰めかけた約1万5,000人の唱和と喝采がバンドを下から突き上げるようなのです。そんなサウンドで描かれる最終日の中身。これこそが本作最大の魅力! 各所で話題になっているように、今回の復活公演は“19年”という時間の長さを感じさせるもの。ハッキリ言ってしまうと初日には「ガッカリした」という人も多かったのですが、2日目には「良くなってないか?」がちらほら聞こえ、本作の3日目には見違えるほどの復調! もちろん、全盛期のリッチーと比べるわけにはいきませんが、まるでドイツ2公演がリハーサルだったかのように活き活きとしており、ロックの感触をグッと掴み直したリッチーがいるのです。さらに新ヴォーカル、ロニー・ロメロも調子も非常に良い。初日に「凄いヤツだ!」で驚かせてくれましたが、2日目にはやや調子を落とし、「万能ってわけにはいかないね」だった。それが本作3日目には「やっぱり凄ぇ!」。キーボードのイェンス・ヨハンソンにミスが散見するなど、全員がパーフェクトな名演というわけにはいきませんが、大注目の“リッチー&ロメロ”の2人が揃ってベストなライヴを聴かせてくれたのです。さらに注目は、セットリスト。今回の3公演は基本的に共通セットリストですが、2日目・3日目には“1回こっきり”の特別曲もありました。こちらもカンタンに整理しますと……
・2016年6月17日ドイツ:ローレライ公演 → 特別曲なしの基本セットのみ。・2016年6月18日ドイツ:ビーティッヒハイム=ビッシンゲン公演 → 基本セット+「Sixteenth Century Greensleeves」・2016年6月25日イギリス:バーミンガム公演 → 基本セット+「Soldier Of Fortune」+「Burn」
本作は3日目ですので、特別曲は「Soldier Of Fortune」「Burn」。この2曲がまた、この日だけなのが惜しいほど素晴らしい。BLACKMORE'S NIGHTでも演奏していた「Soldier Of Fortune」では、リッチーがアコギに持ち変え。この瞬間がドラマティック! ここまで久しぶりのロックと格闘するようなリッチーでしたが、ここで一気に魂の籠もった美しい演奏に変わる。ロック界から見ると“BLACKMORE'S NIGHTの19年”は単なるブランクでしかありませんでしたが、リッチー自身は常に自らの音楽と演奏を追求し続けていた。その“19年の重み”が鮮やかに華開くのです。「ロックの人ではなかったんだな……」という実感は寂しくもあるものの、それでも麗しくも鋭い感性が微塵も曇っていないことに感動する一瞬です。さらに、ロメロのヴォーカルも素晴らしい。ドイツ2公演では、ロニー・ジェイムズ・ディオ系統のパワフルさが全面に押し出されていましたが、デヴィッド・カヴァデールの名唱が脳裏に焼き付いたメロディも見事に歌い上げる。豊かな情感滲む声色、切なくも雄々しい歌い口。決してパワーだけのメタルシンガーではないことを証明してくれる素晴らしいパフォーマンスです。さて、もう1つの大注目は、アンコールに用意されたサプライズ「Burn」。会場中が「Black Night」のリフを大合唱する中、再び現れたリッチーが“あのリフ”を弾き出す! イェンスが美味しいオルガンソロをミスって「あらあら……」といったシーンもあるものの、新生RAINBOWの初演でありながら絶好調ぶりを象徴するように快調にかっ飛ばす。リッチーのソロもやや崩し気味ながら、“らしさ全開”で記念碑コンサートのハイライトを飾っているのです。1公演1公演でグングンと“ロックのカン”を取り戻していったリッチー。先にも触れたように、本当に3公演だけで終わってしまうのかは分かりませんが、「ぜひ、続けて欲しい」「次はもっと凄いはず」と願わずにはいられないライヴアルバムです。今後、一気貫通の録音が待ち望まれますが、現時点で最高の“最終公演アルバム”。どうぞ、最速で存分にお楽しみください!
Live at Genting Arena, Birmingham, UK 25th June 2016 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND
Disc 1 (48:56)
01. Over The Rainbow 02. Highway Star 03. Spotlight Kid 04. Mistreated 05. Since You Been Gone 06. Man On The Silver Mountain 07. Soldier Of Fortune 8. Difficult To Cure
Disc 2 (64:15)
01. Catch The Rainbow 02. Perfect Strangers 03. Long Live Rock 'N' Roll 04. Child In Time 05. Stargazer 06. Black Night 07. Burn 08. Smoke On The Water
Ritchie Blackmore – Guitar Ronnie Romero – Vocal Bob Nouveau – Bass Jens Johansson – Keyboards David Keith – Drums Candice Night - Backing Vocal Christina Lynn Skleros - Backing Vocal





























