元CARAVANのメンバーを大量に加入させた、通称CARAMEL(キャラメル)のラストライヴ・アルバムが登場です。当時のCAMELは、メル・コリンズと同時期に加入したリチャード・シンクレアをはじめ、デイヴ・シンクレア、ヤン・シェルハースが合流。オリジナル・メンバーよりも“元CARAVAN”の方が多いという状況にあり、「CAMEL+CARAVAN=CARAMEL(キャラメル)」と揶揄されていたわけです。その編成のまま1979年1月の初来日も果たしたわけですが、本作はその伝説の初来日直後にあたる「1979年2月15日ロサンゼルス公演」を収めたオーディエンス・アルバム。このツアーの直後にリチャード&デイヴ・シンクレアがCARAVAN再結成のために脱退、さらにはメル・コリンズも抜けています。本作は、そんなツアー最後のロキシー公演(ロサンゼルス)4日連続の最終日であり、同日2公演行のレイト・ショウ。つまり、“キャラメル時代”最後のパフォーマンスなのです。そんな記念碑コンサートを記録した本作は、理想的なオーディエンス・サウンド。「サウンドボードではない」ことが分かる程度にうっすらと空間感覚があるものの、およそ70年代とは思えない図太い楽音が真っ直ぐに届く。その空気感も透き通っており、間近の喝采もない。まるでごく最近のデジタル機材で録音したような美しさたっぷりで、それこそアンダーグラウンド音源に詳しくない一般市場相手なら、オフィシャル・ブートレッグとして十分通用しそうなサウンドなのです。レア度&クオリティを兼ね備えた本作から流れ出るのは、伝説の初来日でも衝撃を振りまいたCARAMELサウンド。もともと叙情派きっての名バンドとして名を上げたCAMELですが、アンディ・ラティマーの味わい深いギターはもちろんのこと、そこにCARAVAN由来のたおやかなジャズロックがまぶされ、2つとない美世界が広がる。さらには、ISLAND CRIMSONを彷彿とさせるメル・コリンズが脱退直前と思えないほどにバンドに見事にフィット。最高のブラス・プレイを聴かせてくれるのです。セットリストも『MIRAGE』『THE SNOW GOOSE』に加え、リチャード・シンクレアが参加した『RAIN DANCES』『BREATHLESS』も同程度にフィーチュア。演奏面でも、楽曲面でも、まさに“キャラメル時代”がたっぷりと味わえるのです。CAMELをカンタベリー・ロックの系譜で語るのは、いささか違和感を感じなくもないのですが、その一方でカンタベリー・ミュージックの公式サイト“Calyx”には、堂々と「CAMEL」の名が重要バンドの中に上がっている。限られた時期ではありながら、それほどまでにインパクトが強かったのも、この時期のライヴがあまりに素晴らしかったからに他ならないのです。プログレ・シーンきっての叙情派とカンタベリー・サウンドの融合。そのラストパフォーマンスにして、到達点を極上サウンドで描ききったライヴアルバムなのです。公式に残されることなく、知る人ぞ知る魅惑の英国プログレッシヴ・ロック。その現場で音楽をたっぷりと吸い込んだ極上の1本。歴史の闇に隠れた秘宝の輝き、ぜひ存分にお楽しみください。 Live at the Roxy Theatre, Los Angeles, USA 15th February 1979 (Late Show) TRULY PERFECT SOUND Disc 1 1. Earthrise 2. First Light 3. Unevensong 4. Song Within A Song 5. The Sleeper 6. Supertwister 7. White Rider 8. Tell Me 9. Rhayader 10. Rhayader Goes To Town Disc 2 1. La Princess Purdue 2. Rainbow Ends 3. Echoes 4. Never Let Go 5. One Of These Days I'll Get An Early Night Andrew Latimer - Guitars, Vocals Richard Sinclair - Bass, Vocal Mel Collins - Flute, Saxes Dave Sinclair – Keyboards Jan Schelhaas - Keyboards Andy Ward - Drums, Percussion