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Bob Dylan ボブ・ディラン/Osaka,Japan 3.6.2001

前回2014年の来日や今回のステージを見て思うことは、やはり「往年のクラシック・ナンバーの数々をもう少しやってもらえたら…」ではないでしょうか。確かに2013年からディランはセットリストを固定化するだけではなく、1960年代から70年代にかけてのクラシックなナンバーの数々を取り上げなくなって久しくなってしまいました。今回の来日ステージが証明しているように、今のディランがシナトラのカバーをシンガー然として喜々として歌い上げるのだから、もうギターを弾こうとしないのは仕方ない。だけれどあの名曲の数々はどこへ行ってしまったのか。確かに今の近作とシナトラ・ナンバーをフィーチャーした堂々たるステージも素晴らしい。それでも年に数回はヨーロッパのフェス辺りで突如として過去のナンバーをまとめて演奏する機会がある。15年前には考えられないような状況です。そう、今回もう一つのディラン・リリースは2001年の来日公演から!ボブ・ディラン2001年の来日公演の来日公演は当時の風潮やディランの人気を反映し、プレスCDによるアイテムがほとんどリリースされていません。そんな状況に10年越しで一石を投じたのが当店からの「2001: A FORUM ODYSSEY」です。当時ですらアイテムがリリースされなかった、ツアー前半のベスト・パフォーマンスである東京フォーラムでのステージを限定にてリリースしてみせたことは、世界中のマニアから大きな反響を呼びました。それに加えて結果的にディランがギター弾いた来日公演はこれが最後となって今に至ってしまった点も同様でしょう。 こうして当時から定評の高い2001年来日公演ではありましたが、ディラン現在のサウンド嗜好の結果、なおさらこの時の来日公演におけるサウンドや演奏内容などが見直されている現状です。その中でもツアー中における頂点、文字通りのベスト・ショウとの誉れ高き名演が3月6日の大阪厚生年金。4日のフォーラム・ライブも相当に素晴らしいものでしたが、そこからさらなる高みに登り詰めたのがこの日。世界中のマニアも羨むほどの豪華なセットリストはもちろんですが、何よりも絶好調のディランがバンドと共に最高の演奏を披露してみせたのがこの日だったのです。それは当時のマニアや専門誌などでも絶賛され、ベスト・ショウという声が飛び交うほどでした。1999年から2001年のディラン・ライブはバンド編成でアコースティックな曲から始めるのが特徴で、主に「Hallelujah, I'm Ready To Go」のようなトラディショナル・ナンバーがその定位置に就いていたものです。ところが、この日に限ってオープニングに演奏されたのは別のトラディショナル・ナンバー「Oh Baby It Ain't No Lie」。1997年の来日公演で頻繁に演奏されていた曲だけに、この日詰めかけた日本のディラン・マニアにとっては、むしろ懐かしく響いた瞬間であると共に、まさかの選曲に驚かされた瞬間。以降はめくるめくような60年代名曲の連射。中でもマニアが日本のステージで披露される日を夢見ていた「Tears Of Rage」は選曲のレアさとザ・バンドのバージョンを彷彿とさせた演奏の素晴らしさの両方において、この日の頂点と呼べる場面でした。他にも「Just Like Tom Thumb's Blues」や「Mama, You Been On My Mind」といった60年代クラシックが多々続けに登場。おまけにこのツアーではアンコールで毎晩「Like A Rolling Stone」が当たり前のように演奏されていたのですが、これもまた今では夢のような状況と言えます。さらにアルバム「JOHN WESLEY HARDING」に収録されていた「The Wicked Messenger」のハード・エッジに生まれ変わった演奏も今では味わえないサウンド。それほど充実したパーフェクト・ショウだったにも関わらず、当時リリースされたのはCD-Rとプレス盤ながらも海外経由のジェネ落ち音源を使用してライブの魅力をスポイルしてしまった「OSAKA TAPES」だけ。当時あれほど絶賛されたステージのリリース状況としては何とも寂しい限り。ところが今回のリリースに当たって、当店が入手したオーディエンス録音マスターは、音源流通の盛んなディラン・トレーダーの間にも出回っていなかった独自の音源を入手。しかも見事な音質で2001年最高の夜を蘇られてくれるのです。2001年当時にリリースされていたCD-Rは確かな高音質でフロント・ロウ・レコーディング的ド迫力な音像が定評だったのですが、その近さが裏目に出てディランの声が時としてギターを中心とした演奏に追いやられてしまうきらいがありました。その点において今回の独自入手音源はディランの声がオンなバランスという状態。それでありながら、アコースティックとエレクトリックで音量差が顕著という2001年のステージ特有の現象をCD化にあたって丁寧にアジャスト。むしろこの状態でこそ、あの素晴らしかった2001年の大阪公演をプレイバックしたい…そう思いマニアの方すべてに今回のCDを捧げたい…そして何よりも「2001年来日公演最高のショウ」と呼ばれたこの日が、15年越しで最高音質かつ新たなCDでリリースされる。これこそ世界中のマニアから注目を浴びるリリースとなることは間違いありません。あまりにもタイトルが少なすぎた2001年来日公演。その中でもベスト・パフォーマンスを封じ込めた、最高のタイトルがこれ。東京公演の「2001: A FORUM ODYSSEY」と共に、あの素晴らしかった来日公演をじっくりと聞き返してください。本当に最高の演奏内容にセットリスト、そして音質を兼ね備えたリリースであることをタイトルで表したベストなリリース、文句なし! Koseinenkin Kaikan, Osaka, Japan 6th March 2001 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (57:27) 1. Introduction 2. Oh Baby It Ain't No Lie 3. To Ramona 4. It's Alright, Ma (I'm Only Bleeding) 5. Just Like Tom Thumb's Blues 6. Tears Of Rage 7. Watching The River Flow 8. My Back Pages 9. Mama, You Been On My Mind 10. Tangled Up In Blue Disc 2 (63:14) 1. Standing In The Doorway 2. The Wicked Messenger 3. Rainy Day Women # 12 & 35 4. Love Sick 5. Like A Rolling Stone 6. If Dogs Run Free 7. All Along The Watchtower 8. Girl From The North Country 9. Highway 61 Revisited 10. Blowin' In The Wind Bob Dylan (vocal & guitar), Charlie Sexton (guitar), Larry Campbell (guitar, mandolin, pedal steel guitar & electric slide guitar), Tony Garnier (bass), David Kemper (drums & percussion)

Bob Dylan ボブ・ディラン/Osaka,Japan 3.6.2001

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