「ジギー再降誕」ともなったハイライト・コンサート、「2002年10月2日ハマースミス公演」。その全貌を録音者から譲り受けたオリジナル・マスターで綴った超大作3枚組が登場です。その歴史的な一夜が訪れたのは、“HEATHEN TOUR 2002”の英国レッグ最終日のことでした。ご存じのことと思いいますが、本作が録音された“カーリング・アポロ”は旧名“ハマースミス・オデオン”のことで、「ZIGGY STARDUST MOTION PICTURE」であまりにも有名な“ジギー封印宣言”の現場でもある伝説の会場です。この伝説のステージにボウイが立ったのは、生涯4回きり。1・2回目は“ジギー封印宣言”の1973年、3回目は1983年6月30日のチャリティ・ショウ、そして最後の4回目が本作の「2002年10月2日」でした。そんな歴史的な一夜は、ボウイ自身も意識していたのでしょう。この日は彼のキャリアでも希に見る長大なものにもなりました。アルバムの丸ごと再現こそありませんが、「LOW」の約半分(全11曲中5曲)、「HEATHEN」の大半(全12曲中9曲)も演奏し、その曲数たるやトータル33曲・約3時間。本作は、その全貌を録音者提供のオリジナル・マスターから収録したオーディエンス・アルバムなのです。英国の名テーパーが捉えただけあって、そのサウンドは驚異的な高音質。楽音の芯の太さ、輪郭はサウンドボードにも引けを取らず、ダイレクト感もたっぷり。それでいてサウンドボードの味気なさとまるで違うのは、伝統会場の気品。バンドとの距離感はほとんどないにもかかわらず、暖かみと独特の空気感もたっぷりと吸い込んでいる。冒頭「Life On Mars?」のイントロピアノからして、クリアに響きながらも、なんとも深く味わい深い。そこに全身で喜びを訴える歓声が乗り、穏やかに歌い出すボウイの声に自分の声を重ねる。開演だというのに、いきなりまるで最終曲のような感動が広がるのです。そんなサウンドで繰り広げられるショウは、止めどもなく名曲が溢れ続ける素晴らしいもの。「LOWの約半分、HEATHENの大半を演奏」とも書きましたが、それ以外の19曲は、ボウイの各時代を総括するようなバラエティに富み、彼を愛し続けたロンドンっ子の脳裏を何十年もあちこちワープさせていく。そのスケールは、単なるグレイテスト・ヒッツとも異なっており、本当に色鮮やか。もちろん、大定番も大量に演奏されますが、1978年とも違ったアプローチが秀逸な「Alabama Song」、猛烈にレアな「Bewlay Brothers」までもが披露されるのです。もう、どの曲、どの瞬間もボウイを愛する心を激しく揺さぶるのですが、そのハイライトは、12曲にも及ぶアンコール(もはやアンコールとは呼べないスケールですね)。本作のディスク3にあたります。「HEATHEN」の「Sunday」「I Would Be Your Slave」で穏やかに始まりますが、その直後にボウイが衝撃のMCを口にする。その言葉とは「but this is the last show too. but this is the last show we’ll ever do on the day of a fucking tube strike!(今日“も”最後のショウさ。いまいましい鉄道ストの日にやるショウなんてのはね!)」。このMC、実は29年前の伝説であるジギー封印宣言「not only is it the last show of the tour, but it's the last show that we'll ever do.(今日はツアー最後のショウなだけじゃなく、俺たち最後のショウでもあるんだ)」に引っかけたジョーク。伝説の宣言を笑い飛ばすボウイに驚きつつ、おもむろに始まるのが「Moonage Daydream」! もちろん、ミック・ロンソンはここにいませんが、それと同じくらい、いえ、それ以上かも知れないギターソロが鳴り響く。さらに「Starman」を歌い出し……と思ったところで「Changes」、そして今度こその「Starman」。まさに“Back to 1973”な空気が猛烈な風となってスピーカーから吹き出してくるのです。もちろん、現場の観客は大喜びで喝采し、歌いに歌う!その沸き立つ熱狂はアンコールだというのに繰り出され続ける名曲ごとに熱くなっていきなっていき、クライマックスの大ラス「Let's Dance」「Ziggy Stardust」の2連発へ。約3時間にわたる長丁場にボウイの声も厳しくなってきていますが、それさえも厭わぬ情熱、疲れを振り切るような熱気こそが本作の醍醐味。観衆も1人残らず歌っているのではないかという大団円を迎えるのです。29年の時間を超え、ハマースミスのステージに戻ってきたボウイ。その渾身のロンゲスト・ショウは、単に長大なだけでなく、1曲1曲に思い入れと情熱に溢れた感動巨編でした。本作は、その全貌を見目麗しいサウンドで完全に捉えきった3枚組の超大作なのです。10月の肌寒いロンドンで繰り広げられた、ボウイ全史においても2つとない熱い夜。ハマースミスの空間いっぱいに満ちた熱気を、その現場でたっぷりと吸ってきた1本。その空気をスピーカーから届けてくれるライヴアルバムです。あなたも、この奇跡の夜に立ち会ってみませんか。
Carling Apollo, Hammersmith, London, UK 2nd October 2002 PERFECT SOUND(from Original Masters)
Live at Carling Apollo, Hammersmith, London, UK 2nd October 2002
Disc 1(50:20)
01. Introduction 02. Life On Mars? 03. Ashes To Ashes 04. Look Back In Anger 05. Survive 06. Breaking Glass 07. Cactus 08. China Girl 09. Slip Away 10. Absolute Beginners 11. Alabama Song
Disc 2(50:39)
01. Speed Of Life 02. Be My Wife 03. Fame 04. I'm Afraid Of Americans 05. 5.15 The Angels Have Gone 06. I've Been Waiting For You 07. Afraid 08. Fashion 09. Rebel Rebel 10. "Heroes" 11. Heathen (The Rays)
Disc 3(66:07)
Encores
01. Sunday 02. I Would Be Your Slave 03. Moonage Daydream 04. Changes 05. Starman 06. A New Career In A New Town 07. Everyone Says 'Hi' 08. Bewlay Brothers 09. Sound And Vision 10. Hallo Spaceboy 11. Let's Dance 12. Ziggy Stardust
David Bowie - vocals, guitar Earl Slick – guitar Gerry Leonard – guitar Mark Plati - rhythm guitar Gail Ann Dorsey – bass Sterling Campbell – drums Mike Garson – keyboards Catherine Russell - keyboards, percussion





























