アルバム「LOW」「HEATHEN」の全曲演奏ライヴの第2弾が登場です。先日もこの2枚の完全再現ライヴ「HEATHEN IN NEW YORK」をご紹介しましたが、あれは“HEATHEN TOUR 2002”のウォームアップギグ。それに対し、こちらは“その次”のライヴとなるツアー初日「2002年6月29日ロンドン公演」を収めたオーディエンス・アルバムです。この日はボウイ自ら主催した“MELTDOWN FESTIVAL 2002”でもあり、ニューヨークのウォームアップに続き、今度は故国で2枚のアルバムをフル演奏することになったのです。そんな記念ライヴを収めた本作のサウンドは、「HEATHEN IN NEW YORK」にも迫る素晴らしいもの。クリアさも現場感のリアルさも、ほぼ同等。真っ直ぐに届く楽音は芯の太さとエッジの鋭さが共存し、ピッキングニュアンスも鮮烈なギター、倍音構成まで感じられそうなシンセ音、そしてダイレクト感あるボウイの歌声など、各楽器のサウンド1つひとつが美しい。特に凄いのがドラム。わずかに距離感もありはしますが、その空間の大気を振るわせる迫力は破裂感さえ感じさせる。しかも、そんなド迫力でもビビり1つなく、端正なままに収録されているのです。「HEATHEN IN NEW YORK」もレアライヴの希少価値さえ吹っ飛ばすようなクリア・サウンドでしたが、この本国公演もまったく負けず劣らずのグレイトぶりです。 そんなハイクオリティ・サウンドで彩られたショウは「HEATHEN IN NEW YORK」と同じく、アルバム「LOW」パート→「HEATHEN」パート→代表曲アンコールの構成。しかし、その内容は少々異なってもいます。各パートごとにご紹介していきましょう。
●「LOW」全曲演奏パート
「HEATHEN IN NEW YORK」では、ボウイ自身の「2つのアルバムを演奏するよ。まずは、『LOW』だ」という宣言で幕を開けましたが、本作では幻想的な「Weeping Wall」の調べで開演。当日の観客は「LOW」の全曲演奏を知らなかったそうですが、これだけで特別なショウになることは間違いない。その予感に弾ける観客の熱狂がリアルに収録されています。その期待感を盛り上げに盛り上げたところで、荘厳な「Warszawa」のイントロが鳴り響き、会場が一気に沸き立つ!もちろん、「Weeping Wall」「Warszawa」といえばアルバム「LOW」でも後半の曲であり、それで始まった時点で完全な再現ではない。しかし、このドラマティックな開演は、確実にライヴのムードにピッタリです。ここでボウイの「『LOW』をやるよ」の挨拶が入り、満を持しての「Speed Of Life」が始まる。その後はほぼアルバム通りに進むものの、「Art Decade」が「Sound And Vision」と「Always Crashing In The Same Car」の合間に挿入。全体を振り返ってみると、アルバム「LOW」のB面を解体し、A面曲の冒頭・中盤・ラストに散らばらせた形でした。この流れは、実際に聴いてみると実に自然。記念としてはアルバム通りの方が貴重ではあるものの、ライヴ作品としてはより完成度が高まっており、アナログAB面の枠組みから解放された名盤「LOW」の新たな魅力が広がるのです。ちなみに、ニューヨーク、ロンドンの後も「2002年7月12日ケルン(ドイツ)」「2002年7月18日モントルー(スイス)」「2002年9月22日ベルリン(ドイツ)」で「LOW」の全曲演奏が実現し、「LOW」パートがライヴの中盤やアンコールに配されていました。そこでも本作を踏襲した曲順でしたが、ショウの冒頭ではないせいか、オープニングは「Warszawa」。「Weeping Wall」は「Subterraneans」の前ポジションへ戻っていました。
●「HEATHEN」完全再現パート&アンコール
名作「LOW」の後は、当時の新作「HEATHEN」の全曲演奏。こちらは曲順もアルバム通りの完全再現です。こちらの再現は「HEATHEN IN NEW YORK」と本作の2回しかない貴重極まる記録です。ニューヨーク公演はホームページ会員のみの限定ライヴでしたし、こちらはボウイ主催の“MELTDOWN FESTIVAL 2002”。発売されたばかりの新作を一挙に全曲演奏するというチャレンジができたのも、ボウイへの厚い信頼とリスペクトに充ち満ちたスペシャル・コンサートだからこそだったのでしょう。本作でも暖かいオーディエンスに支えられ、穏やかながらも重厚な情感が滲む「HEATHEN」世界で思う存分、翼を広げるボウイの歌声が堪能できる。歴史的なチャレンジを目の当たりにした観客の熱狂が社交辞令でないことは、「Heathen (The Rays)」のエンディングで盛大に贈られる大喝采が証言しています。そして、最後はお祭り騒ぎのアンコール。THE DANDY WARHOLSをゲストに迎えた久々の「White Light, White Heat」でスタートし、「Fame」「Ziggy Stardust」「Hallo Spaceboy」「I'm Afraid Of Americans」と大鉄板を一気呵成に畳みかけ、まるでボウイのチャレンジを支えてくれたオーディエンスにお礼するような濃縮大盤振る舞いを披露します。これには観客も沸きに沸き、歌いに歌う。特にニューヨークではやらなかった「Ziggy Stardust」の大合唱はゾクゾクするほどの大感動。盛大な大団円の中、本作は幕を閉じるのです。アルバム「LOW」を曲順まで忠実に完全再現した「HEATHEN IN NEW YORK」に続き、ショウとして名盤の新たな魅力を引き出した本作。いずれも2枚のアルバムを丸ごと演奏した、史上たった2回だけのショウを記録しきった双子作です。「HEATHEN IN NEW YORK」に感動された方、今回初めてレアなショウの存在を知った方、すべてのボウイファンに聴いていただきたい“21世紀ボウイ”の大傑作。
Live at Royal Festival Hall, London, UK 29th June 2002 TRULY PERFECT SOUND
Disc 1(69:34)
(Low section)
1. Weeping Wall 2. Warszawa 3. Speed Of Life 4. Breaking Glass 5. What In The World 6. Sound And Vision 7. Art Decade 8. Always Crashing In The Same Car 9. Be My Wife 10. A New Career In A New Town 11. Subterraneans
(Heathen section)
12.Sunday 13.Cactus 14.Slip Away 15.Slow Burn 16.Afraid
Disc 2(62:50)
1. I've Been Waiting For You 2. I Would Be Your Slave 3. I Took A Trip On A Gemini Spaceship 4. 5.15 The Angels Have Gone 5. Everyone Say Hi 6. A Better Future 7. Heathen (The Rays)
(Encore)
8. White Light, White Heat(with The Dandy Warhols) 9. Fame 10.Ziggy Stardust 11.Hallo Spaceboy 12.I'm Afraid Of Americans





























