「This is “THE LIVE ALBUM”.」……ある海外の音源マニアが、この録音に贈った言葉です。つまり、ロックのコンサート録音が砂漠の砂粒ほど、星の数ほどあろうとも「これこそが頂点だ!」という意味が込められている。それこそLED ZEPPELINの「LISTEN TO THIS EDDIE」にさえも匹敵する、ライヴ録音史に輝く象徴の1枚が現代リマスターで蘇りました。本作に封じ込められたライヴは、かのVAN HALEN。その初来日から「1978年6月22日・中野サンプラザ公演」を記録したオーディエンス録音です。古くから「ATOMIC PUNK」や「ERUPTION IN TOKYO」の一部として出回った定番ですが、さらに録音者本人からオリジナル・カセットを譲り受け、記念すべき第1弾としてリリースされたのが「TOKYO'S ON FIRE」でした。瞬く間に完売したこのタイトルは、まさしく“コンサート録音の頂点”“ライヴアルバムの象徴”とさえ言える強力な1枚でした。本作は、そのカセットから再度デジタル化し、リマスターしたもの。もちろん、派手なイコライジングで格調高い原音を崩すといった暴挙はせず、バランスも質感もカセットが吸い込んだ当時の音そのまま。微かなテープヒスさえも削らず、ただひたすら“現代オーディオ環境にベスト・マッチ”だけを考えた音圧調整のみで仕上げました。 バンドVAN HALENどころか、ロックのライヴアルバム全体さえも象徴してしまう本作のサウンドは、まさに完璧。「サウンドボードのようなオーディエンス録音」くらいならいくらでもありますが、本作はそれこそオフィシャル・アルバムのように総てが完璧に整っていながら、客席録音ならではのリアリティにも溢れている。そのパワフルで生々しいサウンドは、世界中に革命を起こした「炎の導火線」にさえ匹敵するほどです。たとえ、現在の機材をもってしても、これほどのサウンドは録れない。このテーパーはエリック・クラプトンの「British Pride」やジェフ・ベックの「Moving Finger」、ローリング・ストーンズの「Dome On Wheels」等々、凄まじい超・高音質盤を次々とモノにしている名手中の名手ですが、その彼をしても最高傑作と言ってもいい。まったくもって奇跡的、“録音の女神が微笑んだ”としか思えない録音なのです。 そんな奇跡サウンドで密封された初来日VAN HALEN、これがまた“女神の微笑み”級の凄さ。デビュー作「炎の導火線」で世界中にセンセーションを巻き起こし、すでにプラチナアルバムにも達していたはずですが、それがどれほど凄いことなのか実感していない。後の大物感などまるでなく、ただひたすら無我夢中に突っ走る。新進気鋭のクラブバンドに火を付けて、そのまま世界へ放り出したパッションが真空パックされている。「炎の導火線」の凄味を1曲ずつ解説しても無意味だと思いますが、本作のパフォーマンスもまた然り。「こいつら、“持ってる”よ」としか思えない、強烈なロックが渦巻いているのです。 「炎の導火線」の燃えたぎるサウンドは、当のVAN HALEN自身でさえ二度と再現できませんでした。本作もまた然り。当時のVAN HALENを記録したテーパーは何百人いようとも2本とないサウンド、このテーパーが生涯をかけて録音し続けても二度目はない。ワールドクラスの実力を持ちながら、無垢なまま世界へ飛び出したバンドのパッション、それを直接ぶつけられたオーディエンスの熱狂、そしてサウンド。総てが気持ち悪いほど綺麗にそろった、ライヴ録音の奇跡です。 ラストの「Bottoms Up」に圧倒されつつ、「今の新曲だよ、アルバムの中に入ってないんだから!」と興奮する声で終わる本作。オフィシャルにも匹敵するクオリティでありながら、どんなライン録音でも到達し得ないドキュメント。ありとあらゆるロックの生録がひれ伏す“THE LIVE ALBUM”。堂々の復活です。 Live at Nakano Sunplaza, Tokyo, Japan 22nd June 1978 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND(from Original Masters) (72:45) 1. Intro. 2. On Fire 3. I'm The One 4. Bass Solo 5. Runnin' With The Devil 6. Atomic Punk 7. Little Dreamer 8. Down In Flames 9. Feel Your Love Tonight 10. Ain't Talkin' 'Bout Love 11. Ice Cream Man 12. Somebody Get Me A Doctor 13. Eruption 14. D.O.A. 15. You Really Got Me 16. Bottoms Up David Lee Roth - Lead Vocals Eddie Van Halen - Guitars, Vocals Michael Anthony - Bass, Vocals Alex Van Halen – Drums