本作が録音されたのは、「1982年7月17日シャーロット公演」。“Hide Your Sheep Tour 1982-1983”の3公演目となるライヴです。正直に告白しましょう。最初は、届いたマスターを手にしながら「知名度もないし、話題というわけでもない。どうせ爆音なんだろうな……」と思いながら再生しました。しかし、スピーカーから飛び出してきたサウンドは、なかなかどうして格好いいオーディエンス・サウンド。爆音どころか音割れもなく、歓声と楽音のバランスも良い。非常に聴きやすく、なぜこれだけの録音が“知る人ぞ知る”レベルに止まっていたのか不思議なくらいなのです。そして、その内容がツアー3日目の極初期ステージというのも面白い。スタート時点の熱気に溢れるパフォーマンスである一方、手探り感も微妙に伝わってくるのが心くすぐられる。もちろん、百戦錬磨のVAN HALENが緊張してガチガチな演奏……なんてことはあり得ないわけですが、セットリストが固まっておらず、その後とは曲順が違っていたり、「Jamie's Cryin'」「Ain't Talkin' 'Bout Love」も入ってくるなど、試行錯誤の跡がうかがえるのです。“Hide Your Sheep Tour 1982-1983”と言えば、キャリア全体を見てもトップ・ギアへチェンジしていく時期であり、バンドの勢いを洗練へと変換していった時期にあたります。しかも、本作はツアーの極初期。脂が乗って何をやっても上手くいくというタイミングでありながら、1日1日すべてが挑戦でもある。ミュージシャン人生でも、そう何度もあるわけではない、大充実期のライヴなのです。 Live at Charlotte Coliseum, Charlotte, NC. USA 17th July 1982 TRULY AMAZING SOUND Disc 1 1. Intro 2. Romeo Delight 3. Unchained 4. Drum Solo 5. Dance The Night Away 6. Runnin' With The Devil 7. Where Have All Those Good Times Gone 8. Hang'em High 9. Little Guitars 10. Bass Solo 11. Jamie's Cryin' 12. Ice Cream Man Disc 2 1. Somebody Get Me A Doctor 2. Cathedral 3. Secrets 4. Everybody Wants Some 5. Intruder 5. Oh! Pretty Women 6. Eruption / Guitar Solo 7. Bottom's Up 8. Ain't Talkin' 'Bout Love 9. The Full Bug 10. Your Really Got Me / Happy Trails David Lee Roth - Lead Vocals Eddie Van Halen - Guitars, Vocals Michael Anthony - Bass, Vocals Alex Van Halen - Drums