もうすぐやってくる秋分の日に行われたのが9月24日、武道館二日目のライブです。当時はまだ土曜が休みという習慣は定着していませんでしたが、それでも「花金」が祭日となり、しかも通常より早く開演するということもあり、この日に狙いを定めてZEPの武道館に行かれた方も少なくなかったように思われます。残暑も収まって、祭日の涼しげな午後にZEPが見られるとは何と贅沢な体験だったことでしょうか。それに、この日の音源は武道館初日と比べて恵まれていませんでした。それがLPの時代にはなおさらで、この頃から洋楽アーティスト御用達となっていた武道館ほどの大きさを誇る会場で行われたライブでありながらも、ベールに包まれた印象があったのです。時代がCDへと移り変わっても相変わらずこの日の音源状況は変わりませんでした。しかし90年代初頭からZEPの日本公演が続々とリリースされるようになった状況において、同じように音質が恵まれない広島公演と共にアイテムが登場したことは、マニアの視点からすると非常に画期的なことでした。この時代にリリースされていたのが「PRETTY WOMAN」や「AFTERNOON DAZE」といったアイテムです。もっとも、当時は武道館初日の「FRONT ROW」がマニアの話題を独占していたこともあり、翌日のライブが聴けるとはいえ、それよりも格段に音質が落ちるこれらのタイトルが見過ごされた感があったのは否めません。武道館二日目がよりクリアーな音質で聴けるようになるには90年代後半まで待たなければなりませんでした。今回ですが、当店は懐かしの「PRETTY WOMAN」や「AFTERNOON DAZE」に使われていたモノラル音質のオーディエンス録音のよりロージェネレーションなバージョンを入手しました。当時ですら相当にアナログ感全開でビンテージな質感ではありましたが、やはり今回のリリースにおいても一番マニア向けなクオリティであることは断っておきたいと思います。当店が以前リリースした「OUT OF BRISTOL TALE」であれだけ粗かった70年ブリストルも格段に聴きやすくなった現在、久々にこういった古めかしい音質に触れられる方も少なくないことでしょう。特に前半はクリアネスもいまいち、正に古き良きアナログ録音のテイスト全開といえるでしょう。とはいえ、これがマニアには懐かしく聴こえるであろうことも事実かと。この古めかしい音質で蘇るZEP秋分の日ライブというのが味わい深いではありませんか。ここで面白い事実に気づかれる方がいられるかもしれません。ライブ序盤で聴かれる「フー!」という歓声が今回リリースされる武道館初日と同じ声なのです。実を申しますと、当店が今回リリースする初来日音源はすべて同一人物の提供によるもので、これと次の929音源はさらにコピーを経たものが以前リリースされていたのだと思われます。よって、元々クリアネスや音像に関しては劣っているこの音源ですが、そんな粗さが軽減されて聴きやすくなったのもロージェネレーションならでは。流石にライブ序盤のクリアネスが足りない質感、さらに会場の雰囲気とZEPの音量の両方が盛り上がる「Whole Lotta Love」以降は音が飽和状態となってしまう現象まで見受けられますが、演奏が抑え気味となる「Stairway To Heaven」以降から「Moby Dick」までは意外なほどクリアネスが向上し「聴けて」しまいます。このパートでの聴きやすさもまた、ロージェネレーションならではの状態です。しかし何といってもZEPがこの日も絶好調。前日より早い時間からのライブ開始となったにもかかわらず、プラントの相変わらずなハイテンション・スクリームは壮絶の一言。しかも序盤から飛ばしっぱなしで冴えわたり「Since I’ve Been Loving You」が終わったところで、近くの観客の「人間業じゃない…」という呟きがすべてを物語っているのではないでしょうか。確かに音質は良くないのですが、この場面だけでも24日の凄さが伝わってくるということで一聴の価値があります。それにZEPが日本でのライブを楽しんでいるのも明らかで、アコースティック・セットでは「Tangerine」初のライブ披露が実現するというサプライズ。その憂いを含んだ演奏に圧倒されている様子も感じられます。そしてこの日の「Whole Lotta Love」のメドレー展開がまた凄すぎる。以前から専門誌などでも紹介されていた場面ではありますが、何と言ってもプラントが「Your Time Is Gonna Come」を歌い出した時、あれだけ暴走していたメドレーが空白になりかけるのだから面白いのです。他のメンバーが「そうくるかっ!」と驚いたであろう様子が、音だけで聴いていてもありありと伝わってきました。こうして近年すっかり見過ごされていた音源が久々のリリース、しかもロージェネレーション・バージョンでの収録!
Live at Budokan, Tokyo, Japan 24th September 1971
Disc 1 (60:09)
1. Intro 2. Immigrant Song 3. Heartbreaker 4. Since I've Been Loving You 5. Black Dog 6. Dazed And Confused 7. Stairway To Heaven
Disc 2 (52:37)
1. MC 2. Celebration Day 3. That's The Way 4. Going To California 5. Tangerine 6. What Is And What Should Never Be 7. Moby Dick
Disc 3 (49:52)
1. Whole Lotta Love 2. Organ Solo 3. Thank You 4. Communication Breakdown
※DISC.3 Track4の最後にノイズあり





























