ザ・フーの完全未発表サウンドボード・ソースのリリース2作目が本盤です。本盤は、1982年フェアウェル・ツアーの最終行程となったカナダのトロント公演のステレオ・サウンドボード・ソースを極上レベルのクオリティで収録したCDです。しかもこのソースはコンサートの完全収録版です。このま まオフィシャル・リリースしても何ら不思議ではない完璧なサウンド・バランスで、ピートのギター&ボーカルが右チャンネル、ジョンのベース&ボーカルが左チャンネル、ロジャーのボーカルがセンター・チャンネル、ケニーのドラムスがスネア(センター)、タム(右チャンネル)、フロアタム(左チャンネル)、ティム・ゴーマンのキーボードがセンターと、素晴らしいミックスでクリアに収録されています。ケニーのドラムスが左右チャンネルを縦横無尽に駆け回り暴れまくる様は迫力満点です。その上に、本盤の公演日はオフィシャル・リリースされている12月17日のツアー最終日のトロント公演ではなく、その前日、同地での連続公演の初日です。つまり、これまで一切公開されたことのなかった日の音源を極上音質で聴くことができるわけです。さらに、オリジナル・マスターに あったDoctor Jimmyの4:16~4:40付近のカット部分とLove Reign O'er Meの 2:38~2:57のカット部分を、同日のプロショット映像のモノラル・サウンドボード音声から巧みに補填し てあります(5.15の0:39時点にはオリジナル・マスター上のノイズが存在しますが)。つまり、オリジナル・マスターよりもグレードアップしたベスト・タイトルが本盤ということになります。この日のザ・フーのパフォーマンスも凄まじく、オフィシャル映像作品がリリースされている翌日の最終公演と甲乙つけ難いクオリティが呈示されています。まさにバンドが終焉に向かって完全燃焼していく様が克明に捉えられていると言えましょう。嬉しいことに、オフィ シャル・リリースされている映像作品には未収録だったDoctor Jimmy、Cry If You Wantが聴けることが魅力となっています。2日目公演との聴き比べも楽しめ、ボーナス映像でも触れていますが、この日はオフィシャル映像リリースを想定 してのレコーディングが前提となっていましたので、バンドのテンションはMAXと言えます。ロジャーがI Can't Explainの後で「トロントに戻って来れて嬉しいぜ。ここはライブにはもってこいの場所なんだ。」と挨拶して喝采を浴びています。こうした発言を聞くと、レコーディングには最高の環境が整っていたと言えるでしょう。オフィシャル・リリースされた翌日の5:15ではロジャーの回したマイクのコードがピートのギター・シールドと絡んで収拾がつかなくなるハプニングがありましたが、この日の同曲は非常にスムーズに切れ味のある演奏が展開されています。 Dangerousでロジャーが歌詞を間違えたり、ジョンがThe Quiet Oneでイマイチ声が出ていないといった部分は見受けられますが、この日を公式リリースしていても誰も文句を言わなかったであろうプレイクオリティの高さ が魅力です。ザ・フーのファンにとっては新たなマストアイテムとなることは必至です。 Live at Maple Leaf Gardens, Toronto, ON. USA 16th December 1982 STEREO SBDDisc 1(66:13) 1. Intro. 2. My Generation 3. I Can't Explain 4. Dangerous 5. Sister Disco 6. The Quiet One 7. It's Hard 8. Eminence Front 9. Behind Blue Eyes 10. Baba O'Riley 11. Doctor Jimmy 12. Boris The Spider 13. Drowned 14. Cry If You Want Disc 2(58:32) 1. Who Are You 2. Pinball Wizard 3. See Me Feel Me 4. Love Ain't For Keeping 5. 5.15 6. Love Reign O'er Me 7. Long Live Rock 8. Won't Get Fooled Again 9. Naked Eye 10. Squeeze Box 11. Twist And Shout STEREO SOUNDBOARD RECORDING Roger Daltrey - Vocals, Harmonica, Guitar Pete Townshend - Guitar, Vocals John Entwistle - Bass, Vocals Kenney Jones - Drums Tim Gorman - Keyboards, Vocals