ポール・チャップマン時代のUFOが「THE WILD THE WILLING AND THE INNOCENT」製作中に、ニール・カーターを迎えて出演した'80年8月23日のイギリス"レディング・フェスティバル"でのステージが、新登場となる高音質オーディエンス・マスター使用の完全収録版で登場です!'78年10月に発生したマイケルの離脱と言う非常事態を、ポール・チャップマンを迎えて乗り切ったUFOは、'79年前半の「STRANGER IN THE NIGHT」リリースに伴うツアー終了後、新ラインナップでの初の作品となる「NO PLASE TO RUN」を製作。年が開けた'80年1月にリリースします。時代を反映したアメリカンな雰囲気漂う内容は、マイケル時代とは趣きを変えた作風ながらもバンドの新たな代表曲を生み出しました。'80年3月からスタートしたアメリカツアーも各地で盛況を見せ、ポール・チャップマン時代の到来をファンに印象付けました。この'80年アメリカツアーが一段落した後、バンドは8月23日の"レディング・フェスティバル"ヘッドライナー出演までの時間を利用して新作アルバムの作業に取り掛かります。しかしその矢先の6月、キーボードとサイドギターを務めていたポール・レイモンドがバンドを脱退し、マイケルのM.S.G.へ参加してしまいます。アルバムの製作についてはジョン・スローマンの協力で凌いだものの、スローマンは"ライヴをこなせるマルチ・プレイヤー"としては物足らず、バンドはポールの正式な後任に元WILD HORSESのニール・カーターをバンドに迎え、"レディング・フェスティバル"に出演する事となりました。本作ではこれまで知られていなかった'80年8月23日の"レディング・フェスティバル"中日におけるUFOのステージを、ネット上で知られるソースとは一線を画する、マスター・テープのダイレクトコピーから音盤化しています。本音源は最近ネットにアップロードされた音源とソースそのものは同じでも、テープのゼネレーション差は大きく、音の鮮度や明度、エッジの違いは明らか。野外フェスティバルでありながら演奏の輪郭はしっかりとしており、チャップマンのギター、ピート・ウェイのベースなど、バンド各人のプレイの分離感も上々と、当時のオーディエンス録音としては水準を余裕でクリアする音質で、記念すべきフェスティバルの大舞台を楽しめます。この時期ならではのオープニングインスト「Alpha Centauri」から会場の興奮は大変なもの。本作では熱狂する会場の様子も生々しい音像で捉えています。重厚でスペーシーなインストに導かれてスタートする「Lettin' Go」そして「No Place To Run」のライヴ序盤は、新曲の連発にも関わらず観客の反応も良く、聴き手は当時の絶大なUFO人気を肌で感じる思いをする事でしょう。以降はチャップマンとニール・カーターによって新たな解釈を得たマイケル在籍時の名曲が立て続けに演奏されます。キャッチーな「Only You Can Rock Me」、メロディアスでドラマティックな「Love To Love」、エネルギッシュな「Hot 'n' Ready」等ではフィル・モグの歌唱も好調で、本人のアクションが想像できるように躍動するピート・ウェイのベースとともに随所で光っています。さらにブルージーなイントロがアメリカン・テイストを漂わせる新曲「Mystery Train」はライヴ中盤の聴き所。いずれもフェスティバルを盛り上げるにふさわしい熱演です。「Too Hot To Handle」からのライヴ後半は「Doctor Doctor」・「Lights Out」・「Rock Bottom」とバンドの代表曲が繰り出され、会場の興奮も最高潮に達します。特に「Rock Bottom」はマイケル時代同様12分に迫るロングバージョンで演奏され、マイケルとは異なるアプローチでプレイされるチャップマンのソロも聴き応えがあります。ラストを締めくくるのはキャッチーでドライヴィングな「Shoot Shoot」です。ネット上で知られる同日音源は、この曲が途中で切れてカットアウト状態となっていましたが、テープから起された本音源には最後まで入っています。フェスティバルの大詰めをクロージングする本曲を最後まで聴けるのは、マスター起しの本音源ならではの強みです。テープはネット音源より更に3分以上長く収録されており、BBCでお馴染みのボブ・ハリスのクロージング・スピーチに加え、会場で流された終演BGMボストンの「More Than Feeling」のイントロまで聴くことができます。)UFOはこの"レディング・フェスティバル"の後、9月に「THE WILD THE WILLING AND THE INNOCENT」を仕上げ、アルバムリリースに先立つ10月より大規模なヨーロッパツアーを開始します。ニール・カーターを迎えてさらにメロディが洗練されたUFOは、ここから続く'81年ツアーでチャップマン時代のピークに突入します。本音源は充実期に入ったポール時代UFOの、その最初の大舞台として、ファンなら絶対に聴き逃せない一本でしょう。当時のブリティッシュ・ハードロックに少しでも興味がある方には、今回同時リリースされるWHITESNAKE / DEF LEPPARDの「READING ROCK '80」と合わせて本作を楽しみ、かつて無い盛り上がりを見せた'80年レディング・フェスティバルの熱気をぜひ追体験して頂きたいと思います! Live at Reading Festival, England 23rd August 1980 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND(from Original Masters) *Longest & Best version. Disc 1 1. Alpha Centauri 2. Lettin' Go 3. No Place To Run 4. Cherry 5. Only You Can Rock Me 6. Love To Love 7. Electric Phase 8. Hot 'n' Ready 9. Mystery Train 10. Too Hot To Handle Disc 2 1. Doctor Doctor 2. Lights Out 3. Rock Bottom 4. Shoot Shoot 5. Outro. Phil Mogg - Vocals Paul Chapman - Guitar Pete Way - Bass Andy Parker - Drums Neil Cater - Guitar, Keyboards