ミステリアスなイメージのせいか、本人の性格か、ゲスト共演が極端に少ないリッチー・ブラックモア。彼がTHE SWEETのステージに飛び入り参加した貴重なサウンドボード録音がリリース決定です。そんな本作に記録されているのは、2つのステレオ・サウンドボード録音。「1976年2月27日デトロイト公演(1曲)」と「1976年3月24日サンタモニカ公演(2曲)」です。前者はTHE SWEEETの通常公演ですが、後者でリッチーが飛び入り参加。FREEの「All Right Now」を共演しているのです。当時のリッチーは『RISING』を仕上げつつもまだ発売までは間があり、来る北米ツアーに向けて準備を進めている段階。なぜTHE SWEETのステージに飛び入りしたのか、その経緯は判然としませんが、動機はハッキリとしている。実のところ、共演の5日前とな「1976年3月19日」にFREEのギタリスト:ポール・コゾフが急逝。その追悼のためにTHE SWEETのステージに立ったのです。前述のようにリッチーは極めてゲスト参加が少なく、主だったところだと1970年3月のTHE NICE(キース・エマーソンとの共演!)、1978年12月のGILLAN、1987年3月のJACKIE LYNTON BAND、それに1976年のTHE SWEET(本作)……と、ほとんど数えるほどしかないのです。それほど貴重な機会だけに音の記録はオーディエンス録音がほとんどなのですが、本作はなんとステレオ・サウンドボード。それも飛びっきりの鮮やかな絶品モノなのです。音の個性としてはミックス卓からの直結タイプでして「まるでオフィシャル」という感じではないのですが、それは欠点ではなく美点。とにかく芯もディテールも丸出しな超ビビッドな演奏音が頭蓋に直接流し込まれ、まるで脳内にスピーカがあるようなシンクロ感が味わえるのです。しかも、そんなド直結サウンドの主がRAINBOW結成間もないリッチー・ブラックモアその人だからたまらない。ただでさえ意欲と野心に燃えていた時期ですし、本作ではわざわざ(普段はやらない)飛び入りまでするほどやる気たっぷり。シンプルな「All Right Now」を約6分に伸張し、THE SWEETのアンディ・スコットとかけ合いながらコゾフへの想いの丈をギターに託したソロをたっぷりと聞かせてくれるのです。他2曲のTHE SWEETも素晴らしいのですが、やはりリッチーの弾く「All Right Now」に尽きる。歴史的にも貴重極まるリッチーの飛び入りパフォーマンスを絶品サウンドボード出楽しめる1枚です。 Santa Monica Civic Auditorium, Santa Monica, CA, USA 24th March 1976 STEREO SBD 1. Intro 2. All Right Now (with Ritchie Blackmore) 3. Hellraiser 4. Restless Tracks 1,2 and 4 recorded at Santa Monica Auditorium 24th March 1976 Track 3 recorded at Masonic Hall, Detroit 27th February 1976 Brian Connolly - Vocals Steve Priest - Bass Mick Tucker - Drums Andy Scott - Guitar Ritchie Blackmore - Guitar (Guest) on All Right Now STEREO SOUNDBOARD RECORDING Blackmore was on tour with Rainbow at the time and appeared on stage with the band for this encore as a tribute to Paul Kossof who died a few days before on 19th March 1976