『TIN DRUM』でブレイク・スルーを果たしつつ、終焉に向かってひた走っていた1982年のJAPAN。その定番サウンドボード録音が完全版に進化して登場です。そんな本作に封じられているのは「1982年10月7日ライデン公演」。オランダでの一夜を捉えたステレオ・サウンドボード録音です。彼ら最後の“SONS OF PIONEERS TOUR”からは伝統の公式ライヴアルバム『OIL ON CANVAS』だけでなく、当店が誇る究極サウンドボード・アルバム『BUDOKAN 1982』も誕生。その関係を整理するためにも、まずは当時のスケジュールから紐解いてみましょう。1981年《11月13日『TIN DRUM』発売》 “VISIONS OF CHINA TOUR”・12月7日-27日:英国#1(17公演)1982年 “SONS OF PIONEERS TOUR”・10月1日-11日:欧州(6公演)←★ココ★・10月20日-11月29日:英国#2(30公演)←※公式『OIL ON CANVAS』・12月3日+4日:香港(2公演) ・12月8日-16日:日本(8公演)←※『BUDOKAN 1982』 これが1981年/1982年のJAPAN。『OIL ON CANVAS』は母国イギリス、『BUDOKAN 1982』は最終公演国の日本で記録されたのに対し、本作のライデン公演は大陸ヨーロッパである「欧州」レッグの4公演目にあたるコンサートでした。このショウはオランダの地元局でラジオ放送された事でも知られ、オフィシャル級のFMサウンドボードが定番ともなってきました。しかし、サウンドは素晴らしくても決定的な欠点だったのが長さ。“VARA Radio“・”VPRO Radio”という2つの局で放送されたのですが、どちらもショウの完全放送ではなく、最長の既発でも3曲「Sons Of Pioneers」「Alien」「Methods Of Dance」が不足。さらに何曲かでインタビューも被さるなど、フルショウには及ばないものだったのです。そうした状況が長年続いてきたのですが、最近になって海外マニアが現存するサウンドボード・テイクを集成。サウンド面でも最高峰を更新し、さらにフルショウ形式に編み上げた新マスターを発表した。それが、本作の正体なのです。その要は、2つの放送の組み合わせ。そもそも放送が2種あった事自体が極めてマニアックなニュースだったのですが、それを組み合わせることで欠けた曲やインタビューで削られたパートの補完が可能になったのです。ただし、両放送を組み合わせても足りなかったのが「Methods of Dance」。そこで本作を編纂したマニアは、ロンドン公演の『OIL ON CANVAS』のテイクで補完。ショウの完全形を実現したわけです。しかも、この「Methods of Dance」も通常の物ではない。DVD『THE VERY BEST OF JAPAN』としてリリースされたアップグレード版を使用。ありとあらゆる手法でベストを追究しているのです。そんな精緻な作業で誕生した大陸ヨーロッパのフルショウは、母国の『OIL ON CANVAS』とは似て非なるもの。ここで比較しながらセットを整理してみましょう。孤独な影(4曲)・Gentlemen Take Polaroids/Swing/Nightporter/Methods of Dance(☆) 錻力の太鼓(7曲)・Sons of Pioneers/Cantonese Boy/Visions of China/Canton/Ghosts/Still Life in Mobile Homes/The Art of Parties その他(5曲)・クワイエット・ライフ:Alien(★)/Quiet Life/Fall In Love With Me(★)・シングル:European Son(★)/Life in Tokyo(★) ※注:「★」印は伝統の公式作『OIL ON CANVAS』で聴けない曲。「☆」印は「1982年ハマースミス・オデオン公演」のテイク。……と、このようになっています。『QUIET LIFE』ナンバーやシングル曲が増量されているわけですが、特に注目したいのは「Fall In Love With Me」。実は、この曲は日本公演の究極サウンドボード『BUDOKAN 1982』でも聴けない美味しすぎるレア曲なのです。本稿に目を留められる方なら『OIL ON CANVAS』や『BUDOKAN 1982』を体験されているでしょうし、あの独特な美学に裏打ちされた音世界を言葉にするのは意味がないでしょう。本作は、あの2つの超名盤と併せて三部作を成すと言っても過言ではない。これまでライデン公演サウンドボードは、コレクションのためのものでしたが、海外マニアの情熱によって三部作の次元にまで進化したのです。もちろん、公式盤しかご存じない方には『BUDOKAN 1982』こそ真っ先にお勧めいたしますが、さらに「Fall In Love With Me」も体験できる本作を加えてこそ、コレクションが完成する。そんな次元の極上サウンドボード・アルバム。「1982年10月7日ライデン公演」の傑作ステレオ・サウンドボード録音。海外マニアによる新マスターで、従来から知られる不完全な2種のラジオ放送を組み合わせて制作された完全版(「Methods of Dance」のみ別公演)。サウンドも過去最高峰を更新し、伝統の公式盤『OIL ON CANVAS』や究極サウンドボード・アルバム『BUDOKAN 1982』でも聴けない「Fall In Love With Me」も楽しめる。前述の2大名盤と肉薄する三部作の域にまで進化した新名盤です。Japan Stadsgehoorzaal, Leiden, The Netherlands 7th October 1982 STEREO SBD Recorded and broadcasted by VARA Radio and VPRO Radio, engineered by Rob Sleeper. Disc 1(72:55) 01. Sons Of Pioneers 02. Alien 03. Gentlemen Take Polaroids 04. Swing 05. Cantonese Boy 06. Visions Of China 07. Nightporter 08. Canton 09. Ghosts 10. Still Life In Mobile Homes 11. Methods Of Dance (Hammersmith Odeon, London, November 1982) 12. Quiet Life 13. European Son 14. The Art Of Parties Disc 2 (12:20) 1. Audience 2. Introducing Masami Tsuchiya 3. Life In Tokyo 4. Fall In Love With Me David Sylvian - vocals, guitar, keyboards Mick Karn - bass, saxophone, backing vocals Steve Jansen - drums, percussion, keyboards Richard Barbieri - keyboards Masami Tsuchiya - guitar, keyboards STEREO SOUNDBOARD RECORDING