1977年6月27日の米国ボストン公演と言えば、フロイド77年音源中でも群を抜いて有名な音源です。ダン・ランピンスキーとスティーヴ・ホプキンスという70年代を代表する2人の名テーパーが同日に別位置で録音した決定的な2ソースが残されている事でもよく知られていますが、今回登場するこの最新作はその77年の定番が遂に頂点に達した事を告げるアッパータイトルなのです。当時一世を風靡した音源だけに当Sigmaやその前身であるAyanami、Sireneレーベルからもバリエーション違いが幾つか出ていましたので、まずは改めてその音源史を整理してみましょう。 【1】『PERFECT DAY 』 / (録音)スティーヴ・ホプキンス【2】『BOREDOM AND PAIN 』 / (録音)スティーヴ・ホプキンス【3】『PERFECT END 』 / (録音)ダン・ランピンスキー【4】『DEFINITIVE BOREDOM AND PAIN 』 / ※【2】のリマスター版 【5】『THE UNPROCESSED BOSTON 1977 』 / ※【2】のマスターカセットからDAT変換されたデジタルソースを使用【6】『BOSTON 1977 MASTER TAPES 』 / ※【2】のマスターカセット直結サウンドこの日の録音としては、「スティーブ・ホプキンス音源」が群を抜いて優れているので、現時点、マスターカセット直結サウンドで収録された『BOSTON 1977 MASTER TAPES 』が、この日の最良盤として、高い評価を受けています。そして、本盤は1977年6月27日のボストン公演の決定版「スティーブ・ホプキンス音源」とは別の、当日のもう一種の優良ソースである「ダン・ランピンスキー音源」のニューミックス版を収録しています。Sigma盤「Perfect End」でもお馴染みのランピンスキー・マスターを、今回のホプキンス・マスター・ヴァージョンとで繋げた新しい完全版です。ホプキンス版の曲中カット部は、このランピンスキー版で丁寧に補填してありますが、本盤もまた、Dogs冒頭、Pigsの13分目の約30秒、Shine On You Crazy Diamond Part 6-9 の2:40付近からの約10秒を逆にホプキンス・マスター版で丁寧に補填しています。注目は、本盤に収録されたサウンドで、既発「PERFECT END」はランピンスキー音源にそれ程加工を加えず収録していたのですが、今回のニューミックスは、更に音の磨きをかけ、原音に比べ、見違えるようなブライトなサウンド実現しています。録音ポジションがホプキンスより遠かったせいか、この公演に関しては、今一つの印象のランピンスキー音源でしたが、適度なリマスターを施した今回のニューミックスにより、元音の良さが更に際立ったような、大変良質なサウンドに変貌しているのがお分かりになられるかと思います。原音で被っていたヒスノイズも消えており、ランピンスキーの77年ボストン公演のイメージを覆す様なアッパーなサウンドを楽しむことができます。この音源のリストアは、ヨーロッパの著名なフロイド・コレクターが手掛けており、このニューミックスは、世界でのどこにも出回っていないものだけにファンは必携と言えます。ランピンスキー・ボストン '77のイメージを覆す様な高品質なライブ盤をぜひご入手下さい。 Live at Boston Garden, Boston, Massachusetts, USA 27th June 1977 PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1 1. Sheep 2. Pigs On The Wing 1 3. Dogs 4. Pigs On The Wing 2 5. Pigs(Three Different Ones) Disc 2 1. Shine On You Crazy Diamond Part 1-5 2. Welcome To The Machine 3. Have A Cigar 4. Wish You Were Here 5. Shine On You Crazy Diamond Part 6-9 6. Money 7. Us And Them