英雄IRON MAIDENの一大全盛期でありながら、公式ライヴアルバムの残されなかった秘境“Somewhere on Tour”。その現場を伝えてきた名録音がまさかのアップグレード。ここに堂々の登場です。そんな本作に刻まれているのは「1987年3月15日バトル・クリーク公演」。その傑作オーディエンス録音です。80年代メイデンのライヴと言えば、伝統の公式作『死霊復活』『メイデン・イングランド』が不動の王座に君臨しているわけですが、その2つが素晴らしければ素晴らしいほど、合間の“Somewhere on Tour”も気になるもの。まずは、そんな「有名なのに秘境」なワールド・ツアーの全景を振り返ってショウのポジションを確かめてみましょう。1986年・9月10日-25日:欧州#1(12公演)《9月29日『SOMEWHERE IN TIME』発売》・10月3日-11月9日:英国(27公演)・11月12日-12月18日:欧州#2(27公演)1987年・1月7日-5月2日:北米(79公演)←★ココ★・5月11日-21日:日本(7公演) これが1986年/1987年のIRON MAIDEN。ざっくり言いますと、アルバムが発売された「1986年=ヨーロッパ」、年の明けた「1987年=北米/日本」と世界を二分してサーキットしていました。もちろん、主戦場だったのは当時征服を志していた北米。本作のバトル・クリーク公演は、そんな全米ツアー47公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、マニアなほど「こんな凄い録音あったっけ?」とド技も抜かれる素晴らしさ。多くのコレクター諸兄にとってバトル・クリーク公演は初体験になると思いますが、実のところコア・マニアの間では「中堅所」として知られるショウでもありました。2種類の録音が存在しており、その音の良い方は「ツアー頂点ではないけど、屈指」との評価を受けていました。本作は、そんな「音の良い方」だったロウジェネ・マスターを最新技術でデジタル化し直したものなのです。そのサウンドは圧倒的。旧来マスターとの比較も不可能ではでありませんが、むしろツアー代表作と比べた方が良いかもしれません。1987年と言えば、当店でもお馴染み『CAUGHT SOMEWHERE IN MILWAUKEE』『CAUGHT SOMEWHERE IN CHICAGO』が王座に君臨している分けですが、本作はその2作に匹敵する……いや、凌駕しかねないのです。もっと詳しく言いますと、芯の直球感はFMっぽい『CAUGHT SOMEWHERE IN CHICAGO』に及ばないものの、微細部まで鮮やかな解像度や瑞々しいマスター鮮度の美しさは本作の方が上回っているくらいなのです(あぁ、このサウンドで「Alexander the Great」が聴けたならッ!!)。そんな美音で描かれるフルショウは、“Somewhere on Tour”だからこその名曲ラッシュ。このツアーが時期によってセットが微妙に変化してもいましたので、ここで改めて整理しておきましょう。サムホエア・イン・タイム(4曲)・Caught Somewhere In Time(★)/Stranger In A Strange Land(★)/Wasted Years/Heaven Can Wait クラシックス(9曲)・鋼鉄の処女:Phantom Of The Opera/Iron Maiden/Running Free ・魔力の刻印:Children Of The Damned/Hallowed Be Thy Name/The Number Of The Beast/Run To The Hills・パワースレイヴ:2 Minutes To Midnight/Rime Of The Ancient Mariner ※注:「★」印は公式作『死霊復活』『メイデン・イングランド』を合わせても聴けない曲。……と、このようになっています。基本的には最終レッグの来日公演を思わせるもので、貴重な『SOMEWHERE IN TIME』ナンバーが美味しい。この後、数年演奏される「Wasted Years」「Heaven Can Wait」も新曲時期だからこそのフレッシュな勢いを感じさせますし、レアなエイドリアン・ナンバー「Stranger In A Strange Land」も美味しい。そして何より、「Caught Somewhere In Time」! 約7分の大曲でありつつ、同時にファストに疾駆する名曲中の名曲。まったく、シングルB面でもいいから公式ライヴテイクを出しやがれってんだ……などと、思わず35年越しの恨み節まで脳裏に甦る素晴らしい演奏がスピーカーから吹き出してくるのです。「レア曲」の視点であれば、「The Loneliness Of The Long Distance Runner」「Sea Of Madness」も聴ける『BELGRADE 1986(Shades 1228)』こそが究極。あれ以上の“Somewhere on Tour”ライヴアルバムは地球上に存在しません。しかし、「サウンド」の視点では群雄割拠。そして、本作はその優勝レースの最有力に踊り出した1本なのです。MAIDENマニアであれば、追究せずにはいられない“Somewhere on Tour”の現場。その最高峰となるかも知れない最新の一作。UP THE IRONS!!「1987年3月15日バトル・クリーク公演」の傑作オーディエンス録音。80年代メイデンの秘境“Somewhere on Tour”でも屈指の名録音で、従来から知られる名録音を最新技術でデジタル化し直したもので、1987年の王座盤『CAUGHT SOMEWHERE IN CHICAGO』と比較しても、芯の直球感はやや譲るにしても微細部まで鮮やかな解像度や瑞々しいマスター鮮度の美しさは本作の方が上回っているくらい。貴重な「Caught Somewhere In Time」「Stranger In A Strange Land」も極上体験できる傑作ライヴアルバムです。Live at Kellogg Arena, Battle Creek, MI, USA 15th March 1987 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) Disc 1(57:54) 01. Theme From Blade Runner 02. Caught Somewhere in Time 03. 2 Minutes to Midnight 04. Children of the Damned 05. Stranger in a Strange Land 06. Wasted Years 07. Rime of the Ancient Mariner 08. Walking on Glass 09. Heaven Can Wait Disc 2(38:56) 01. Phantom of the Opera 02. Hallowed Be Thy Name 03. Iron Maiden 04. The Number of the Beast 05. Run to the Hills 06. Band Introductions 07. Running Free