ボウイ最後の“A REALITY Tour”に新たなる名盤が誕生。レア曲も楽しめる極上ライヴアルバムが登場です。そんな本作に収められているのは「2004年1月19日デンバー公演」。その極上オーディエンス録音です。“A REALITY Tour”はボウイ生前最後のワールド・ツアーでもあり、公式作『A REALITY TOUR』だけでなく当店でも数々の名作群でアーカイヴ。最後の日本公演は全公演が永久保存済みですし、サウンドボードアルバム『ATLANTIC CITY 2004 1ST NIGHT』も大人気となっています。まずは、そんなマイルストーン達を絡めつつ、ツアー全体像から本作のポジションを確認してみましょう 2003年 ・8月19日:ウォームアップ・ギグ《9月16日『REALITY』発売》・10月7日-11月28日:欧州#1(31公演)←※公式盤A REALITY TOUR・12月13日-20日:北米#1a(4公演)2004年・1月7日-2月7日:北米#1b(18公演)←★ココ★・2月14日-3月14日:オセアニア/アジア(13公演)←※OSAKA 2004他 ・3月29日-6月5日:北米#2(39公演)←※ATLANTIC CITY 2004・6月11日-6月25日:欧州#2(7公演)《6月25日:動脈瘤により緊急搬送》 これが2003年/2004年のデヴィッド・ボウイ。ツアーは2004年7月まで組まれていましたが、その完遂を前に病魔に倒れ、二度とツアーに出る事はありませんでした。本作のデンバー公演もそんな2004年ではありますが、まだまだ病の兆候も見えないツアー中盤。「北米#1b」の7公演目にあたるコンサートでした。そんなショウで記録された本作は、近年になって発掘された極上のDATマスター。何しろ、あまりの音の良さに海外コレクター間でも「本当にオーディエンス?」「公式盤や放送サウンドボードと変わらないじゃないか」「実際マトリクスさせてるんじゃ?」と希望的観測の混じった諸説が吹き出しているのです。実のところ、鳴りの音色にオーディエンスらしさが感じられるのでちょっとハシャギすぎな気もするのですが、思わずテンションが上がってしまう気持ちも分かる。クリスタル・クリアに透き通った空気感は輝くほどで、ヘッドフォンで耳を澄ませてもホール鳴りを感じ取れないタイト感も絶大。もちろん、ディテールもレーザー光線のようにビビッドで、すべての楽器が1音1音に至るまで綺麗にセパレート。それこそ顕微鏡的に聴き込んでも(芯の音色と曲間の喝采以外に)オーディエンスらしさが見当たらないのです。しかも、本作はそんな原音をブラッシュアップ。ナチュラルな感触をキープしつつ、聴きやすさと鮮やかさの両立を計って音楽作品としての可能性を最大限に追究した最高峰更新盤なのです。そして、その超クリア・サウンド以上にコレクター達のテンションを上げてしまうのがショウそのもの。前述のようにこれまでも“A REALITY Tour”をレポートしてきましたが、本作はその中でもレア曲が多く、聴き応えたっぷり。ここでは最も有名な公式盤『A REALITY TOUR』を基準にしてセットを整理してみましょう。60年代/70年代(14曲)・ハンキードリー:Life on Mars?/Changes ・ジギースターダスト:Hang On to Yourself/Five Years/Suffragette City(★)/Ziggy Stardust・その他:The Man Who Sold the World/Panic in Detroit(★)/Rebel Rebel/Fame/"Heroes"/Fantastic Voyage/White Light/White Heat(★)/All the Young Dudes 80年代以降(15曲) ・80年代:Ashes to Ashes/Under Pressure/China Girl/Blue Jean(★)・90年代:Hallo Spaceboy/I'm Afraid of Americans・ヒーザン:Cactus/Sunday・リアリティ:New Killer Star/Reality/She'll Drive the Big Car(★)/The Loneliest Guy/Days/Never Get Old/Bring Me the Disco King ※注:「★」印は公式作『A REALITY TOUR』で聴けない曲。……と、このようになっています。最新作と『ジギー・スターダスト』を2本柱としながらキャリアを幅広く網羅するスタイルは“A REALITY Tour”の正道ですが、そこに散りばめられたレア曲がポイント。「Suffragette City」はわりと多く演奏されていたのでそうでもありませんが、「White Light/White Heat」は公式作『A REALITY TOUR』や他国タイトルでは聴けませんし、「Panic in Detroit」は7年ぶりに復活した曲でこのツアーでも5回目。同じように8年ぶりの「Blue Jean」もツアー2回目という貴重テイクなのです。そして、レア度で極めつけなのが『REALITY』の新曲「She'll Drive the Big Car」。当然ながら“A REALITY Tour”限定曲なわけですが、限られた会場で10回+α程度しか歌われていないという激レア曲。ボウイの全キャリアでも屈指の貴重曲をサウンドボード級の超クリア・サウンドで楽しめてしまうのです。「ボウイ最後の」が枕詞になっている“A REALITY Tour”。本作はその屈指の名録音というだけでなく、山盛りのレア曲によって特別な輝きを宿した新発掘ライヴアルバムなのです。ボウイ最後の“A REALITY Tour”の新名盤。「2004年1月19日デンバー公演」の極上オーディエンス録音です。海外でも「公式盤やFM放送と変わらない」「サウンドボードとマトリクスさせてるのか?」と話題になっている新発掘マスターで、クリスタル・クリアに透き通った空気感もホール鳴りを感じ取れないタイト感も絶大。「Suffragette City」「White Light/White Heat」だけでなく、「Panic in Detroit」「Blue Jean」「She'll Drive the Big Car」など、公式作『A REALITY TOUR』では聴けないレア曲もたっぷり楽しめます。 Live at Fillmore Auditorium, Denver, CO, USA 19th January 2004 ULTIMATE SOUND Disc 1 (68:52) 1. Intro 2. Rebel Rebel 3. New Killer Star 4. Reality 5. She'll Drive the Big Car 6. Hang On to Yourself 7. Cactus 8. All the Young Dudes 9. China Girl 10. Fantastic Voyage 11. The Loneliest Guy 12. Days 13. The Man Who Sold the World 14. Hallo Spaceboy 15. Sunday 16. Band Introductions 17. Under Pressure Disc 2 (70:55) 1. Life on Mars? 2. Changes 3. Fame 4. Never Get Old 5. Panic in Detroit 6. Ashes to Ashes 7. White Light/White Heat 8. I'm Afraid of Americans 9. "Heroes" 10. Bring Me the Disco King 11. Blue Jean 12. Five Years 13. Suffragette City 14. Ziggy Stardust David Bowie - vocals, guitars, stylophone, harmonica Earl Slick - guitar Gerry Leonard - guitar, backing vocals Gail Ann Dorsey - bass guitar, vocals Sterling Campbell - drums Mike Garson - keyboards, piano Catherine Russell - keyboards, percussion, guitar, backing vocals