悲運のジョー・リン・ターナー時代でも母国ハイライトとなったハマースミス4公演。そのうち、レア曲もたっぷり披露されながら音源的には恵まれていない第3夜をフル体験させてくれる傑作オリジナル録音が登場です。その貴重なショウとは「1991年3月16日ハマースミス・オデオン公演」。本作はその全貌を伝える絶品オーディエンス録音です。いきなり「ハイライト」だの「貴重」だのと畳みかけてしまいましたが、基本情報がないと何の事かサッパリ。まずは8ヶ月だけ実現した“SLAVES AND MASTERS Tour”の全景から振り返ってみましょう。・2月4日-3月17日:欧州#1(30公演) ←★ココ★ ・4月10日-5月15日:北米(9公演)・6月24日-7月3日:アジア(6公演)・8月16日-24日:南米(7公演)・9月14日-26日:欧州#2(5公演)・9月28日+29日:イスラエル(2公演) これがたった一度きりのジョー時代ツアー。欧州ツアーは冒頭と終盤の二度あったわけですが、「欧州#2」は東欧やギリシャなどロック途上国を巡るもの。本国イギリスは「欧州#1」の終盤。しかも、伝統会場“ハマースミス・オデオン”はその最後の4公演に設定されました。ハマースミス公演と言えば、当店の決定盤『CONQUERS LONDON(Darker Than Blue 137-140)』でも人気ですが、本作は別公演。ここで4日間をズームしておきましょう。・3月14日『CONQUERS LONDON(Disc 1-2)』・3月15日(2日目)・3月16日(3日目)←★本作★・3月17日『CONQUERS LONDON(Disc 3-4)』 『CONQUERS LONDON』は初日と最終日の2公演セットで、この他に2日目は他社既発もある。しかし3日目は部分的な録音や微妙なオーディエンス・ショットがあるのみで、傑作レベルのフル・ライヴアルバムはこれまで出回っていませんでした。本作は、そんな貴重なショウの全景を伝えてくれる待望の一作となるわけですが、クオリティも絶品。独自ルートでもたらされた本作だけのオリジナル・マスターなのですが、その録音家こそ当店ではお馴染みの“英国の巨匠”……ではなく、その友人。機材の貸し借りやノウハウの交換があったのかは分かりませんが、本作も巨匠作で十分に通る銘品なのです。何よりも強力なのはオンで真っ直ぐ耳元に届く芯。各楽器が1音1音まで綺麗にセパレートし、レーザー光線のようにキリッとした輪郭も絶大。鳴りの感触がやや埃っぽく艶やかさまでは望めないものの、マスター鮮度は(当然)絶大で、録音的にもピークでの歪みや割れもない。さすがにプレス化された『CONQUERS LONDON』には一歩及ばないとは言え、そんじょそこらのオーディエンス録音とは次元の違う見事なライヴアルバムなのです。そんなオリジナル・サウンドで描かれるのは、4夜連続だからこその工夫が凝らされたフルショウ。もちろん、基本セットは4夜とも共通していますが、遊びの挿入曲をメインに入れ替えもある。ここでは名作『CONQUERS LONDON』と比較しながら整理してみましょう。70年代クラシックス・第II期:Black Night/Lazy/Highway Star/Smoke on the Water ・第III期:Burn リユニオン時代・パーフェクト・ストレンジャーズ:Perfect Strangers/Knocking at Your Back Door・スレイヴス・アンド・マスターズ:Truth Hurts/The Cut Runs Deep/Fire in the Basement/King Of Dreams/Love Conquers All その他・Hey Joe/That'll Be The Day(★)/ Difficult to Cure/A Whiter Shade Of Pale(★)/In The Hall Of The Mountain King(★)※注:「★」印は『CONQUERS LONDON』の2公演では聴けない曲。……と、このようになっています。「King Of Dreams」「Lazy」といった日替わり曲や「Hey Joe」など、『CONQUERS LONDON』でも片公演だけだった曲がしっかり。その上で「Lazy」の前振り的に演奏されるPROCOL HARUMの「A Whiter Shade Of Pale」、「Smoke On The Water」の合間に差し込まれる「In The Hall Of The Mountain King」など、多彩なレパートリーがショウをカラフルにしている。そして極めつけなのがバディ・ホリーの名曲「That'll Be The Day」。これも「Perfect Strangers」の導入的に約1分ほど演奏するのですが、キチンと全員が参加した歌入り。そもそもオリジナルも約2分の曲だけに、しっかりと聴き応えのあるのです。母国のハイライトにして同会場4公演だからこそ多彩で、ジョーが歌うからこそのレパートリーが美味しいライヴアルバムです。まさにコレクター冥利に尽きる一夜を素晴らしいサウンドでフル体験できるオリジナル・マスター。「1991年3月16日ロンドン公演」の傑作オーディエンス録音。プレス決定盤『CONQUERS LONDON』とは異なるハマースミス4連続公演の第3夜で、初登場となる本作だけのオリジナル録音。何よりも強力なのはオンで真っ直ぐ耳元に届く芯。各楽器が1音1音まで綺麗にセパレートし、レーザー光線のようにキリッとした輪郭も絶大です。4夜連続だからこそ工夫が凝らされ、「King Of Dreams」や「Hey Joe」だけでなく、激レアな「A Whiter Shade Of Pale」「That'll Be The Day」も歌入りでしっかりと楽しめます。 Live at Hammersmith Odeon, London, UK 16th March 1991 PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (59:52) 1. Intro 2. Burn 3. Black Night (incl. snippets of Child In Time & Long Live Rock 'n' Roll) 4. Truth Hurts 5. Hey Joe 6. The Cut Runs Deep (incl. Hush) 7. That'll Be The Day★ 8. Perfect Strangers 9. Fire In The Basement (incl. Bass Solo) 10. King Of Dreams Disc 2 (52:59) 1. MC 2. Love Conquers All (incl. Keyboard Solo) 3. Difficult To Cure 4. Keyboard Solo 5. Knocking At Your Back Door 6. A Whiter Shade Of Pale 7. Lazy 8. Highway Star 9. Smoke On The Water (incl. Drum Solo) 10. In The Hall Of The Mountain King 11. Woman From Tokyo 12. Smoke On The Water (reprise) Ritchie Blackmore - Guitar Joe Lynn Turner - Vocal Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums