傑作『THE LAST IN LINE』をキャリア・ハイとなる全米23位に送り込み、一大全盛期に突入した1984年のDIO。その幕開けを伝える伝統サウンドボード・アルバムがリリース決定です。そんな本作に記録されているのは「1984年6月11日ヘレーン公演」。オランダの有名音楽祭“PINKPOP FESTIVAL”に出演した際のステレオ・サウンドボード録音です。1つ前の“HOLY DIVER Tour”は1984年1月まで続いたわけですが、ここではその後の『THE LAST IN LINE』にまつわる活動概要からショウのポジションを確認してみましょう。1984年・6月11日:PINKPOP FESTIVAL出演 ←★本作★《7月2日『THE LAST IN LINE』発売》 ・7月17日-8月25日:北米#1(32公演)←※公式A SPECIAL FROM THE SPECTRUM・8月30日-10月30日:欧州(44公演)・11月4日-12月31日:北米#2a(30公演)1985年・1月2日-27日:北米#2b(18公演) これが“THE LAST IN LINE Tour”の全体像。このツアーの象徴と言えば公式映像『A SPECIAL FROM THE SPECTRUM』なわけですが、本作の“PINKPOP FESTIVAL”公演は、その2ヶ月半前。アルバム発売前に行われたウォームアップ的なステージでもありました。そんなショウはフェスと言うこともあってテレビやラジオでも放送。本作は、TV放送よりも長尺なFMサウンドボード録音です。1984年の“PINKPOP FESTIVAL”は、MARILLIONやTHE PRETENDERS、BIG COUNTRYなどといったバンド/アーティストが参加。『THE LAST IN LINE』の大ヒット寸前とは言え、DIOはまだデビュー2年目でもあり、日の高い昼間の出演でした。割り当てられた持ち時間も短めでしたが、その演奏は普段のライヴと何ら変わらない気迫溢れる内容です。特に「ライヴで手抜きをしない」ロニーの信条はここでも全開で、パワフルで説得力の塊のような、彼以外ではあり得ないヴォーカルを全編で楽しめます。実のところ、『THE LAST IN LINE』のデラックス・エディションで公式化されてもいるわけですが、そちらもFMエアチェックが元になっていると言われています。本作もFM音源ではありますが、細心マスタリングで磨き込んだ最高峰盤。元となったマスターでは高音がやや歪み気味でしたが、リ丁寧に補正。クリアな見通しとパワフルなサウンドで迫力満点に繰り広げられるライヴは素晴らしい聴き応えがあり、本音源は初演にして“THE LAST IN LINE Tour”有数の一本ともなっています。そして、そのサウンドで描かれるのは初日・初演だからこその一風変わったショウ。その意味をご説明するためにもここでセットを整理しておきましょう。ラスト・イン・ライン・One Night In The City/We Rock ホーリィ・ダイヴァー・Holy Diver/Rainbow In The Dark/ Don't Talk to Stranger クラシックス・レインボー:Stargazer/Man On The Silver Mountain/Starstruck・サバス:Heaven And Hell ……と、このようになっています。一番の注目はポールポジションで演奏される2連発の新曲「One Night In The City」「We Rock」。このステージが初演であり、いきなりのオープニングから聴き所。「One Night In The City」で開演するのはこの日だけですし、まだライヴでのパフォーマンスが固まっていないのか、特に「We Rock」はバンド全体でミス。ロニーも歌い出しを誤っていますが、これも初演ならでは。実際のところ、スタジオ明けで約5ヶ月ぶりのステージなせいか、ワールド・ツアーを見据えたウォームアップのせいか、「Holy Diver」や「Rainbow In The Dark」といった定番曲も、プレイのひとつひとつを確認するような慎重さが見られます。また“HOLY DIVER Tour”と“THE LAST IN LINE Tour”の中間という時期から、1983年の色合いを残しているのも特徴。「Heaven And Hell」の前に取り上げられる「Stargazer」や、「Starstruck」をきちんとフィーチャーした「Man On The Silver Mountain」など、この先は聴けなくなるRAINBOWナンバーの組曲アレンジもポイントです。当日の持ち時間の都合もあってセットは短めで、さらに当時の定番「Stand Up And Shout」が見られない等、放送された内容からしてショウ全部ではないかも知れません。しかし、約50分間に及ぶ全盛期のライン音源はDIOコレクションに欠かせません。バンドがより完成・熟成された“THE LAST IN LINE Tour”の寸前であり、黄金時代の幕開けに経っていたロニーを脳みそド直結サウンドボードで楽しめる1枚。一大全盛期“THE LAST IN LINE Tour”のウォームアップ・ギグでもあったピンクポップ・フェスのステレオ・サウンドボード録音がギフト・リリース。「One Night In The City」で開演する激レアな構成やミスってボロボロな「We Rock」の初演も楽しめます。Live at Pinkpop Festival, Geleen, Netherlands 11th June 1984 STEREO SBD (48:53) 1. One Night In The City 2. We Rock 3. Holy Diver 4. Stargazer 5. Heaven And Hell 6. Rainbow In The Dark 7. Man On The Silver Mountain 8. Starstruck 9. Man On The Silver Mountain(reprise) 10. Don't Talk to Stranger STEREO SOUNDBOARD RECORDING Ronnie James Dio - Vocals Vivian Campbell - Guitar Jimmy Bain - Bass Vinny Appice - Drums Claude Schnell - Keyboards