TOTOのメンバーを迎えた『SILK DEGREES』『DOWN TWO THEN LEFT』『MIDDLE MAN』を3作連続でプラチナ・ヒットさせ、全盛にあった1980年のボズ・スキャッグス。その来日公演を現場体験できるオリジナル録音が新発掘です。そんな本作に吹き込まれているのは「1980年10月20日:日本武道館」公演。その超・極上オーディエンス録音です。タイトルにある『DEFINITIVE MASTER』でピンと来た方もいらっしゃると思いますが、本作は今話題のコレクションから飛び出した初登場マスター。THE POLICEの『BUDOKAN 1981』やジェフ・ベックの『YOKOHAMA 1980』で衝撃を振りまいた達人秘蔵の作なのです。そのクオリティこそが衝撃なのですが、まずはショウのポジション。現在に至るまで根強い人気で来日を繰り返しているボズですが、1980年はその最初のピークともなる時期。そのスケジュールから振り返ってみましょう。・10月8日:横浜文化体育館・10月9日:大阪フェスティバルホール・10月10日:名古屋市民会館 ・10月11日:大阪フェスティバルホール・10月12日:神戸市立中央体育館・10月14日+15日:日本武道館(2公演)・10月16日:名古屋市民会・10月18日:中野サンプラザ・10月20日:日本武道館 ←★本作★ 以上、全10公演。その公演数もキャリア屈指ですが、中身を見ても各地の名会場がズラリ。特に日本武道館で3回も演奏したのは1980年と1988年の二度だけでした。本作が記録されたのはそんな日本武道館公演の1つであり、絶頂ジャパン・ツアーでも大トリとなる最終日でした。そんな現場を真空パックした本作は「極上」を画に描いたような名録音。とにかくオンで芯が太く、距離感がない。ナチュラルなホール鳴りも吸い込んでいるものの、それが芯に絶妙な艶を与えつつ、ディテールを一切隠さない。後からミックスされたFM放送のように整っていながら、一発録りだからこその自然な感触が極めて上品でもある。そう、本作最大の旨みは「気品」と言ってもいい。単純なサウンドボード感だけを求めるのではなく、あくまでも自然で、現場的で、リアル。スカスカになりがちなスネアに至るまでたっぷりとしていて「オーディエンスっぽさ」が見つからないのに、「オーディエンスにしかない美しさ」だけはしっかりと刻まれているのです。これほどのサウンド、一体どんなポジションで録音したのか……と思ってチケットを見てみると「?」。画像も掲載していますが、「地階F列14番」とあるのです。「1階」でも「2階」でもなく「地階」。言葉の意味からすると「地下の階」の事なのですが、武道館の地下階!?!? 辞書を引くと「ground floor(=1階)の訳語」ともあるのでこっちの意味だと思われますが、それにしてもちょっと記憶にない座席表記です。閑話休題。そんな美音で描かれるのは、全盛の風を全身に受けたボズのフルショウ。そのセットはキャリアを総括するベスト選曲……とは、ちょっと違う。その意味を実感していただくためにも、ここで整理してみましょう。シルク・ディグリーズ(7曲)・What Can I Say/Harbor Lights/Georgia/Jump Street/ Lido Suffle/We're All Alone/Lowdown ミドル・マン(9曲)・Breakdown Dead Ahead/Angel You/Isn't It Time/Simone/You Got Some Imagination/Do Like You Do In New York/Jojo/Middle Man/You Can Have Me Anytime その他(3曲)・Hard Times/ Look What You've Done to Me/You're Mine ……と、このようになっています。1980年と言えば、定番のニューヨーク公演のFM放送と比較することも考えたのですが、わずか9曲の放送といちいち比べても仕方がないほどの曲数ボリューム。その内容も特濃でして、大代表作『SILK DEGREES』と最新作『MIDDLE MAN』が2大軸。それ以外には『DOWN TWO THEN LEFT』の「Hard Times」、映画『アーバン・カウボーイ』に提供した「Look What You've Done to Me」、それにカバーの「You're Mine」の3曲しかなありません。しかも、『MIDDLE MAN』からはアルバム全9曲をすべて大盤振る舞い。レアな「Angel You」「Do Like You Do In New York」「You Can Have Me Anytime」も含め、「生演奏版MIDDLE MAN」としても楽しめてしまうのです。FM放送ばりに聴きやすく、それでいてオーディエンスならではの気品まで備えた銘品ライヴアルバムです。そんな美貌のサウンドで『MIDDLE MAN』や『SILK DEGREES』の名曲群をたっぷりと楽しめる新発掘。「1980年10月20日:日本武道館」公演の超・極上オーディエンス録音。全世界初公開となる大元カセットからダイレクトにデジタル化された銘品で、とにかくオンで芯が太く、距離感がない。ナチュラルなホール鳴りが芯に絶妙な艶を与えつつ、ディテールを一切隠さないサウンドはFM放送のように整っていながら、一発録りだからこその気品も備えた美録音。『MIDDLE MAN』の全曲と『SILK DEGREES』の大代表曲を軸としたフルショウを極上体験できる世界初公開の新名盤です。Live at Budokan, Tokyo, Japan 20th October 1980 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (66:07) 1. Intro 2. Breakdown Dead Ahead 3. What Can I Say, What Can I Do 4. Hard Times 5. Angel You 6. Harbor Lights 7. Isn't It Time 8. Simone 9. You Got Some Imagination 10. Georgia 11. Do Like You Do In New York 12. Look What You've Done to Me 13. Jump Street Disc 2 (49:20) 1. Lido Shuffle 2. We're All Alone 3. JoJo 4. Middle Man 5. Lowdown 6. Band Introduction 7. You're Mine 8. You Can Have Me Anytime Boz Scaggs - Vocal, Guitar Mike Landau - Guitar Randy Kerber - Keyboards Steve Plunkett - Keyboards Mike Porcaro - Bass Carlos Vega - Drums