オフィシャル作品をも超えた伝説の完全版サウンドボード・アルバムがアップグレード。そんな本作に刻まれているのは「2000年6月27日ロンドン公演」。BBCラジオ・シアターで番組用に行われた特別公演のステレオ・サウンドボード録音です。また、このショウは“MINI Tour”の一幕としても知られています。その名の通り、通常のコンサート・ツアーとは趣の違う特別な時期であり、その記録は当店でもご紹介してきました。まずは“MINI Tour”の概要からショウのポジションをイメージしてみましょう。・6月16日『ROSELAND BALLROOM 2000 1ST NIGHT』《6月17日:ニューヨーク公演(中止)》 ・6月19日:ニューヨーク公演(振替)・6月25日『GLASTONSTONBURY FESTIVAL 2000』・6月27日:BBC RADIO THEATRE ←★本作★ 以上、全4公演。30年ぶりに出演した“グラストンベリー・フェスティバル”が主眼となっており、その前にウォームアップ的なニューヨーク公演を2回、フェスの後にTV出演ライヴを1回実施しました。本作は、その「フェス後の1回」にあたるコンサートなのです。 【大元オークション・マスターから再デジタル化された究極盤】前述の通り、このショウは放送を前提でして約1時間のTV放送プロショットがお馴染みですし、さらにはコンピレーションCD『BOWIE AT THE BEEB(の3枚組版)』として公式リリースも実現。“MINI Tour”を代表する記録として愛されてきました。そうした従来物はショウの不完全版ばかりでしたが、その状況が一変したのはボウイの没後になってから。突如としてネット・オークションに完全版サウンドボード・マスターが出品され、一気にスタンダードを塗り替えたのです完全版『THE LONDON BOY: BBC 2000』が大人気となったのですが、本作も同じ完全版サウンドボードでありつつ、更なるアップグレード・バージョンなのです。そのポイントは「再デジタル化」。当店では世界的なボウイ研究家に監修を受けてサウンドボードの最高峰版を数多くご紹介してきましたが、本作はその研究家が自らオークションに出品された完全版マスター現物から再トランスファーしたもの。実のところ、『THE LONDON BOY』も工程自体は同じだったのですが、今回は精度が格段にアップしているのです。実際、そのサウンドは極めてナチュラル。『THE LONDON BOY』では公式『BOWIE AT THE BEEB』を意識したかのようにエッジはシャープに仕上げられてピークもリミッター寸前のギリギリな感じでしたが、本作にはそうした作為が感じられない。もちろん、それでショボい音だったら意味がないのですが、ディテールアップしているから素晴らしい。それはもう1曲目の頭からハッキリ分かる。『THE LONDON BOY』では「Wild Is The Wind」がハイ落ち気味の不安定感があり、特にサビの「Yooooou touch me♪」のロングトーンでは明らかに揺れている。ところが、今回のマスターではそうした不安定感がなく、ビシッと安定したまま綺麗に流れていくのです。さらに大きいのはピッチ(音高)とテンポ(速度)。アナログ録音では2つの要素は不可分なものの、デジタルでは2つの要素を個別に調整できるようにもなった。そのせいかは不明なのですが『THE LONDON BOY』では音高は良かったものの、テンポは本来のステージよりも遅めになっていたのです。その点、今回は研究家が当日のあらゆる記録から現場の演奏を割り出し、ピッチもテンポも史実通りに再現しているのです(そのため、尺は『THE LONDON BOY』より短くなっていますが、内容にカットはありません)。 【公式版を圧倒する曲数ボリュームと伝説に残る迷演】そうして究極形で蘇ったのは、セットも内容も特別すぎるフルショウ。まずはいかに完全版が充実しているのか、公式盤『BOWIE AT THE BEEB』と比較しながら整理してみましょう。60年代/70年代クラシックス(13曲) ・70年代アルバム曲:Wild Is The Wind/Always Crashing In The Same Car/The Man Who Sold The World/Fame/Stay/Cracked Actor/Ziggy Stardust(★)/The Jean Genie(★)/Starman(★)/“Heroes”(★)・その他:The London Boys(★)/I Dig Everything(★)/ All The Young Dudes(★)80年代/90年代(9曲)・80年代アルバム曲:Ashes To Ashes/Let's Dance・90年代アルバム曲:Seven/Survive/Little Wonder/Hallo Spaceboy/I'm Afraid Of Americans・その他;This Is Not America/Absolute Beginners ※注:「★」印は公式盤『BOWIE AT THE BEEB』では聴けない曲。……と、このようになっています。『BOWIE AT THE BEEB』では「最新のボウイ」をフィーチュアしたかったのか、美味しいクラシックスを中心に大胆にカットされていたかが実感していただけるのではないでしょうか。そして、もう1つカットの理由として考えられるのが、この日の不調ぶり。実は、このショウはボウイ史上最悪コンディションとしても知られているのです。ショウの冒頭から調子があまり良くない事はうかがえるのですが、後半になると悪化。「Ziggy Stardust」では声が出ずにやり直し、それでも何とか歌いきったものの、続く「All The Young Dudes」も中断。ボウイが休む間、バンドはインストで「The Jean Genie」を演奏するのです。その後、ボウイがステージに戻ってきて「All The Young Dudes」をやり直し、満身創痍でショウを完遂する。これらの曲はさすがに厳しすぎたのか、TV放送でも『BOWIE AT THE BEEB』でもカットされてきた。ショウ後半と言えば、クrシックスで盛り上がるパートですから、ここがカットされた事で公式盤は最新曲重視になっていったのかも知れません。オフィシャルを遙かに超える完全版サウンドボード・マスター、その最高峰更新版です。今回のアップグレードは、いわゆるブートレッグ基準のものではありません。もともと究極だったマスター鮮度を最大限に引き出すためのトランスファー精度の追究。これはオフィシャル名盤のマスターサウンドをいかにCD化するかというのに似ている。つまり、「モービル・フィデリティ」や「ニンバス・スーパーカット」と同じような視点で語られるべきものなのです。そんな次元まで追究され、磨き上げられた究極クオリティの2枚組「2000年6月27日BBCラジオ・シアター」公演の超極上ステレオ・サウンドボード録音。『BOWIE AT THE BEEB』として公式リリースもされていますが、本作は公式版を遙かに超える完全版。世界的なボウイ研究家が大元マスターの現物からダイレクトにデジタル化しており、マスター鮮度もトランスファー精度も究極。従来版のハイ落ち感や不安定さも一掃され、極めてナチュラルなマスター・サウンドを実現。オフィシャル名作のモービル・フィデリティ盤やニンバス・スーパーカット盤などと同じ次元で語られるべき銘品中の銘品です。 BBC Radio Theatre, Broadcasting House, Portland Place, London, UK 27th June 2000 STEREO SBD(UPGRADE!!!!) Disc 1 (69:34) 01. Mike Garson Introduction: A Foggy Day 02. Wild Is The Wind 03. Ashes To Ashes 04. Seven 05. This Is Not America 06. Absolute Beginners 07. Always Crashing In The Same Car 08. Survive 09. The London Boys 10. I Dig Everything 11. Little Wonder 12. The Man Who Sold The World Disc 2 (65:33) 01. Fame 02. Stay 03. Hallo Spaceboy 04. Cracked Actor 05. Band Introductions by David Bowie 06. I'm Afraid Of Americans 07. Band Introductions by Gail Ann Dorsey 08. Ziggy Stardust [Breakdown] 09. Ziggy Stardust 10. All The Young Dudes [Breakdown] 11. The Jean Genie [Band Only] 12. All The Young Dudes 13. Starman 14. “Heroes" 15. Let's Dance David Bowie: Vocals Earl Slick: Guitar Emm Gryner: Clarinet / Keyboards / Vocals Gail Ann Dorsey: Bass / Clarinet / Guitar / Vocals Holly Palmer: Percussion / Vocals Mark Plati: Bass / Guitar / Musical Director Mike Garson: Keyboards / Piano Sterling Campbell: Drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING