1997年に奇跡の初来日を果たしたジャズロックの名門BRAND X。その千載一遇の現場を体験させてくれるライヴセットが登場です。そんな本作に収められているのは「1997年4月3日:渋谷CLUB QUATTRO公演」。そのフル・オーディエンス録音をDISC 1-2に、関係者ショットをDISC 3に配した3枚組です。2つの記録は貴重度もクオリティもズバ抜けているのですが、何よりレアなのは来日した事実そのもの。まずは、そのスケジュールから振り返ってみましょう。・3月30日:名古屋CLUB QUATTRO・3月31日:心斎橋CLUB QUATTRO・4月2日:ON AIR WEST・4月3日:渋谷CLUB QUATTRO ←★本作★ ・4月4日:仙台MACANA 以上、全5公演。当時は最終作『MANIFEST DESTINY』のリリース(2月)直後だったわけですが、メンバーだったマーク・ワグノン/フランク・カッツが渡航を拒絶して離脱。急遽、ピエール・ムーランとクリス・ショブリングが参加してのジャパンツアーが実現しました。東京では2公演が行われ、本作はその2日目にあたります。そんなショウを伝える本作は、クオリティも絶品。まずメインとなるフル・ライヴアルバム(DISC 1-2)ですが、これは本邦初公開となる本作だけのオリジナル録音。しかも、最近話題の録音家コレクションでして、プログレ系ですとYESの『SHIBUYA 1998 2ND NIGHT』や『TOKYO 2003 2ND NIGHT』が大好評。同時リリースとなるデヴィッド・シルヴィアンやブライアン・フェリーもこの人物の作品です。そして、本作はそのコレクションでも端正な瑞々しさが嬉しい美録音。サウンドボードと間違えるようなド密着感とは違いますが、クラブだからこその密室感は満点。肝心要の演奏音には若干の距離感もありつつ、空気感を貫いて真っ直ぐに届く芯は力強く、ディテールも繊細。ジョン・グッドサルの速弾きも1音1音までくっきりとしており、チョーキングやヴィヴラートのニュアンスも克明に感じられる。もちろん、パーシー・ジョーンズのベースもブリブリとしたアタック音が浮き立ち、その粒が連なって醸すグルーヴ感も綺麗に捉えられているのです。さらに鮮やかなのは映像編のDISC 3。ステージ正面を真ん中に据えた客席後方から捉えたワンカメ・ショットなのですが、どうやらこれは関係者によるもの。観客の頭上を素通りしてステージを直写する視界も、堂々と三脚を使用している安定感も、見どころを事前に知っているかのようにグイグイと迫るズームも、観客にはまずムリ。さらに言いますと音声がサウンドボード。ところどころでチリチリしたノイズも入るので総合点ではDISC 1-2に及ばないものの、綺麗にセパレートしたド密着感は絶大。何しろBRAND Xですから、雰囲気や熱気よりもアンサンブルや技の妙味こそが最重要。それを存分に味わえるのです。そんな2素材で描かれるのは、まさに奇跡の現場。映像編は残念ながらフルではありませんので、ここで併せてセットを整理しておきましょう。70年代クラシックス・異常行為:Born Ugly・モロッカン・ロール:Disco Suicide・マスクス:The Poke・プロダクト:...And So to F... その他・マニフェスト・デスティニー:Manifest Destiny/Stellerator/Virus(▼)/True to the Clik(▼)・カバー:Lila's Dance(▼)/Birds Of Fire(MAHAVISHNU ORCHESTRA)※注:「▼」印はフル・ライヴアルバム(DISC 1-2)のみ。……と、このようになっています。70年代の4作品から代表曲を1つずつセレクトし、そこに『MANIFEST DESTINY』の新曲群とMAHAVISHNU ORCHESTRAのカバー2曲をまぶした構成。正直なところ、急増ラインナップという事もあって本領発揮だったのかどうかは分かりませんが、他の誰でもないグッドサル&ジョーンズのフレーズが絡み合う存在感は強烈なまでにBRAND X。実際に聴き、映像で観ても本当に日本で披露されていたというのが信じられないほどです。そして、主役2人にも負けない存在感を放っているのがドラムのピエール。GONGの『ANGEL'S EGG』『YOU』やマイク・オールドフィールドの『OMMADAWN』など、歴史的大名盤の数々で腕を振るってきたレジェンド。匠のスティックさばきは餅論のこと、映像編での「すぐそこにピエールがいる」感が眩しいのです。この来日からしばらくしてパーシーが離脱し、さらに複雑な歴史を辿っていくことになるBRAND X。その崩壊寸前に実現した奇跡のライヴ・イン・ジャパンを絶品録音と関係者ショットでたっぷり味わえる貴重な3枚組です。もう二度とは望めないであろう、BRAND Xの現場体験。奇跡の初来日「1997年4月3日:渋谷CLUB QUATTRO公演」のライヴセット。フル・オーディエンス録音をDISC 1-2に、関係者ショットをDISC 3に配した3枚組です。メインとなるフル録音(DISC 1-2)は本邦初公開となるオリジナル・マスターで、端正で瑞々しい美録音。クラブだからこその密室感が素晴らしく、空気感を貫いて真っ直ぐに届く芯は力強く、ディテールも繊細です。そして、さらに鮮やかなのは映像編のDISC 3。客席後方から捉えたワンカメの関係者ショットで、遮蔽物ゼロの視界も三脚を使用した安定感もサウンドボード音声も絶大。GONGのレジェンド:ピエール・ムーランも交えた奇跡のアンサンブルをじっくり現場体験できます。Live at Shibuya Club Quattro, Tokyo, Japan 3rd April 1997 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1(61:09) 1. Intro. 2. Disco Suicide 3. Manifest Destiny 4. Stellerator 5. Virus 6. The Poke 7. Percy Jones & Pierre Moerlen Solo 8. ...And So to F... Disc 2(62:13) 1. MC 2. John Goodsall Acoustic Guitar Solo (Healing Dream & Concierto De Aranjuez) 3. Lila's Dance 4. Birds Of Fire 5. True to the Clik 6. Born Ugly DVD(70:07) 1. Disco Suicide 2. Manifest Destiny 3. Stellerator 4. The Poke 5. Percy Jones & Pierre Moerlen Solo 6. ...And So to F... 7. Birds Of Fire 8. Born Ugly PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.70in. John Goodsall - guitar, keyboards Percy Jones - bass Kris Sjobring - keyboards Pierre Moerlen - drums, percussion