16年ぶりにして最後となった1988年の来日公演。その象徴として君臨してきた超名録音がブラッシュ・アップ。「GRAF ZEPPELIN」による執念マスタリングで磨き込まれた6CDが登場です。 【最後の来日を捉えた伝説的録音家コレクション】その象徴録音に記録されているのは2公演。「1988年3月2日+3日:日本武道館」公演の超絶級オーディエンス録音です。もうピンと来た方もいらっしゃるのではないでしょうか。そう、本作はあの超名盤『THE GREAT GIG IN THE BUDOKAN』を磨き込んだ最高峰更新盤なのです。『THE GREAT GIG IN THE BUDOKAN』を体験された方なら既に心を決められていると思いますが、本作は熱心なコレクターだけに留まらず、広く一般にまで体験していただきたい超・名作。そこでどなたでもご理解いただけるよう基礎知識から始めたいと思います。まずは、ショウのポジションから。 ・3月2日:日本武道館 ←★本作DISC 1-3★・3月3日:日本武道館 ←★本作DISC 4-6★・3月4日『DEFINITIVE YOYOGI OLYMPIC POOL 1988』・3月5日『DEFINITIVE YOYOGI OLYMPIC POOL 1988』・3月6日『DEFINITIVE YOYOGI OLYMPIC POOL 1988』・3月8日:大阪城ホール ・3月9日:大阪城ホール・3月11日:名古屋レインボーホール※注:各日とも代表的タイトルのみ。これが1988年に実現したPINK FLOYD最後のジャパン・ツアー。当店ではプレス化も実現した超名作が2タイトルあり、1つが代々木オリンピックプール3公演をセットした『DEFINITIVE YOYOGI OLYMPIC POOL 1988』で、もう1つが本作であり、その元となった『THE GREAT GIG IN THE BUDOKAN』なのです。この2作は互いを補完して東京5公演をコンプリートするだけでなく、同じ録音家の姉妹作でもありました。しかも、その録音家というのがただ者ではない。80年代を中心に活動し、エリック・クラプトンやジェフ・ベック、ミック・ジャガー、ストーンズポール・マッカートニー等々、数々の歴史的な超名録音を大量に残した人物。『THE GREAT GIG IN THE BUDOKAN』は、もはや日本録音史そのものと言っても過言ではない名録音家の最高傑作とも囁かれた超名録音であり、そのマスター・カセットからダイレクトにCD化された銘品中の銘品でした。 【洋楽史の秘宝を執念のブラッシュ・アップ】実際、そのサウンドは異様。極太な芯には距離感など微塵もなく、ホール鳴りも芯に艶とダイナミズムを与えこそすれ、曇りや濁りを一切起こさない。細やかなディテールを伝えきる透明感はクリスタル・グラスのごとくキラキラと輝き、重低音のヴァイヴからどこまでも伸びる高音に至るまですべてのノートが綺麗にセパレートしている。その美点は姉妹作『DEFINITIVE YOYOGI OLYMPIC POOL 1988』とも通じているのですが、会場音響の関係でダイレクト感は更に上。実は2日目のアンコール(DISC 6)で会話声も記録されており、そこでは「サングラスもってこなきゃダメだ、今度から」「まばたきしなきゃならない、凄い照明だ」「熱いですものね」と話し合っている。これから察するに照明の熱風を直接感じるほどの距離(恐らく最前列)から録音したと思われ、実際そうとしか思えないサウンドでもある。一言で済ますなら「まるでサウンドボード」となるわけですが、それではとても真価を表現し切れていない。サウンドボードどころかオフィシャル作品レベルの美しさを湛えつつ、一発録りだからこそのナチュラル感まで宿っている。一期一会の気品でオフィシャルさえも凌駕する奇跡の録音だったのです。賛辞を尽くしてしまいましたが、ここまでは『THE GREAT GIG IN THE BUDOKAN』の話。本作は、そんな超名録音をさらにブラッシュ・アップし、頂点超えを果たした6枚組なのです。その要は精度を極めたリマスター。本稿に目を留められた方ならご存知とも思いますが、このところ“A MOMENTARY LAPSE OF REASON Tour”の最高峰録音を「GRAF ZEPPELIN」リマスターで美ラッシュ・アップしておりますが、本作はその最新弾なのです。「GRAF ZEPPELIN」はヴィンテージ録音のアーカイヴで定評がありますが、その精度は徹底している。マスタリングの基本であるピッチや音量・音圧の平準化も一瞬単位でビシッと安定していますし、位相も1/1000秒まで追究。演奏自体も各帯域でバランスを整え、スプレーノイズやヘッドフォンで耳を澄ませても気づくかどうかレベルの超微細なプチノイズも1つひとつ徹底的に処理……もはや聴覚というより、人間の無意識に作用してくる共振レベルで整えられている。そんな作業1つひとつの効果を聴いて判断できるか微妙なところではあるのですが、トータルで聴くと確かに美しくなっているから凄い。マニアというものはどこか偏執的なところがあるものですが、本作に封じられているのは半ば病的なこだわりだからこそ生み出し得たサウンド。そして、そのこだわりを引き出せるほど、原音も際立った奇跡録音だったわけです。 観客のあまりの集中力に、初日(DISC 1)の「Learning To Fly」後で思わず「God, it's quiet」とつぶやくギルモア。16年ぶりの来日は、それほどまでの緊張感に包まれ、だからこそ隅々までクリスタル・クリアな音世界が現出しました。本作に封じられているのは、その緊張感まで含めた全事象が折り重なって生まれた奇跡であり、それを余すことなく記録しきった名録音家の手腕であり、オリジナル・マスターの可能性を執念めいたマスタリング作業で引き出し切ったサウンドなのです。PINK FLOYD三度目の来訪が事件であったように、本作は日本洋楽史が生み出した秘宝。世界に誇る日本発の超名盤です。「1988年3月2日+3日:日本武道館」公演の超絶級オーディエンス録音。伝説的名録音家によるオリジナル・マスターからデジタル化され、さらに「GRAF ZEPPELIN」による超精度マスタリングで磨き上げられた究極の銘品。実際、極太な芯には距離感など微塵もなく、ホール鳴りも芯に艶とダイナミズムを与えこそすれ、曇りや濁りを一切起こさない。細やかなディテールを伝えきる透明感はクリスタル・グラスのごとくキラキラと輝き、重低音のヴァイヴからどこまでも伸びる高音に至るまですべてのノートが綺麗にセパレートしている。オフィシャル作品レベルの美しさを湛えつつ、一発録りだからこそのナチュラル感まで宿っている。一期一会の気品でオフィシャルさえも凌駕する奇跡のライヴアルバムです。(リマスター・メモ)3月2日・位相修正・高周波ノイズ除去・スプレーノイズ部を下・音量上げ(元が小さめであった)・トラック振り直し("Round And Round"にチャプター振りました) 3月3日・位相修正・スプレーノイズ部を下げ・さらに帯域9-20キロ付近僅か下げ ・トラック振り直し("Round And Round"にチャプター振りました)・"Time"以降"マシン"迄ほか各所、左chで時折聞こえるプチノイズ除去(多分100箇所はあったのでは) Budokan, Tokyo, Japan 2nd & 3rd March 1988 TRULY PERFECT/ULTIMATE SOUND(from Original Masters)*UPGRADE Live at Budokan, Tokyo, Japan 2nd March 1988 Disc 1 (65:43) 01. Shine On You Crazy Diamond 02. Signs Of Life 03. Learning To Fly 04. Yet Another Movie 05. Round And Round 06. A New Machine Part 1 07. Terminal Frost 08. A New Machine Part 2 09. Sorrow 10. The Dogs Of War 11. On The Turning Away Disc 2 (67:31) 01. One Of These Days 02. Time 03. The Great Gig In The Sky 04. Wish You Were Here 05. Welcome To The Machine 06. Us And Them 07. Money 08. Another Brick In The Wall Part 2 09. Comfortably Numb Disc 3 (16:58) 01. Audience 02. One Slip 03. Run Like Hell Live at Budokan, Tokyo, Japan 3rd March 1988 Disc 4 (65:45) 01. Shine On You Crazy Diamond 02. Signs Of Life 03. Learning To Fly 04. Yet Another Movie 05. Round And Round 06. A New Machine Part 1 07. Terminal Frost 08. A New Machine Part 2 09. Sorrow 10. The Dogs Of War 11. On The Turning Away Disc 5 (70:40) 01. One Of These Days 02. Time 03. The Great Gig In The Sky 04. Wish You Were Here 05. Welcome To The Machine 06. Us And Them 07. Money 08. Another Brick In The Wall Part 2 09. Comfortably Numb Disc 6 (17:03) 01. Audience 02. One Slip 03. Run Like Hell