懐かしのペイジ・プラント1996年来日公演、2月17日の名古屋と言えば当時リアタイで熾烈を極めたオーディエンス録音アイテムのラッシュから数年を経過したところでステレオ・サウンドボード録音が発掘されて日本はもとより世界中のマニアを騒然とさせた日。今やP&P名古屋と言えば誰もがサウンドボードを連想するほど96年来日公演の中でもポピュラーな存在でしょう。それを証明するかのように同音源を収録したアイテムが何度もリリースされ続けています。そんなサウンドボードが当たり前となっている96年名古屋から、今になってオーディエンス録音をリリース?サウンドボードがあるのに?いらなくね?…そう訝しく思われるのも当然でしょう。あの音源もPAアウトと違いステレオ&臨場感もばっちりの素晴らしい音質でした。それでも名古屋のオーディエンスをこの期に及んで出すのには訳がある。今回提供された音源はオンな音像がとにかく素晴らしい。「まるでサウンドボード」という表現がこれほどぴったりと当てはまる驚異の録音状態は2021年の今の耳で聞いても十分すぎる衝撃ですし、何より定番サウンドボードと比べても引けを取らないクオリティ。もし今回の音源がリアタイでリリースされていたとしたら大センセーションを巻き起こしていたことでしょう。それほどまでに際立った衝撃の音質だからこそ、今回のリリースが満場一致で可決されたのです。あまりにも高音質ですのでスピーカーから爆音で鳴らそうが、ヘッドフォンで聞きこもうが、どちらでも迫力の音質に圧倒されることを保証します。掛け値なしに別格のクオリティを誇るオーディエンス録音が25年もの間に渡って秘匿されていたということも驚きを禁じえませんが、今回のリリースに際してもイコライズを加える必要がまったくなかった…と言えばどれほどのクオリティであるかを察してもらえることでしょう。当時衝撃的なリリースであった「10 DAYS」ボックスですら今となってはクオリティ的に色褪せてしまった感が否めない。先にも述べたように、演奏が凄まじい音圧で捉えられているのは当たり前。それだけでなく、バンドの演奏やオーケストラが会場に鳴り響く様を実に深みのある音で捉えてくれている点が今回の新音源のずば抜けたところ。かのサウンドボードは確かにクリアネスなどが抜きんでており、オフィシャルのライブアルバムに近いほどのレベルで楽しめるものであった。しかし当日の会場で鳴り響いていた音に忠実かと言えば別の話。音像が近いオーディエンス録音がもたらす最大の強みと言えば会場の臨場感に空気感や演奏、そして生々しさなのですが、その両方の再現力が今回の音源は群を抜いている。例えばアンコール「Celebration Day」のイントロでジミーが奏でた音の生々しさたるや。その一方でテーパーの近くに耳障りな観客が一切おらず、もはや奇跡のような録音状態。なおさら今まで発掘されてこなかったということに驚きを禁じえません。また演奏面が非常に充実していたのも名古屋公演の魅力。元々96年の来日公演は前年のツアーをこなした後という事もあってバンドは盤石、そこに加えてジミーもロバートも非常に調子が良かった。その過程は「BUDOKAN 1996」の1stから5th Nightまでのアイテム群が見事にドキュメントしてくれていたものですが、それらを聞き進んだ後で今回の名古屋新音源を聞くと96年日本公演の中でのネクスト・レベルに到達したのが一連の武道館公演をこなした後であったのではないか。まずジミーはオープニングから思う存分に弾きまくっており、それでいながらフレーズが引っ掛かってしまうようなこともない。ロバートも声の調子がいい。こうした点は従来のサウンドボードでも感じられていたかとは思われますが、こうして当日の空気をたっぷりと吸い込んだ極上オーディエンスで聞くと実に新鮮。その好調ぶりからロバートがそれまでの公演以上に上機嫌であったことも明らか。そしてZEPのセカンドとサード・アルバム収録曲ばかりでまとめた必殺のセットリストも完成の域。そこに一曲だけ「Custard Pie」割り込んだ位置も他の日より有効的…というか懐かしのTHIRD EYE PRODCTIONが当時としては驚異的なアングルで捉えてくれた名古屋のオーディエンスショットに、例のサウンドボードをアフレコさせた映像が現在はYouTube上で簡単に見られますが、そこでも「Custard Pie」のライブ映えしまくる様が捉えられていたものです。日本公演と言えば世界中をアッと言わせた「Tea For One」が大きな目玉となった訳ですが、その周りを「HOUSES OF THE HOLY」収録曲が囲むというライブ中盤の構成も秀逸。中でも「Dancing Days」は完全にZEPにしか聞こえないような雰囲気がサウンドボード以上にリアルに捉えられており、ジミーのギターになるといよいよZEPそのものという生々しさ。「サウンドボードがあるからいらなくない?」と思っているマニアにこそ自信を持って推す衝撃の初登場オーディエンス録音を収めたCD。Live at Century Hall, Nagoya, Japan 17th February 1996 ULTIMATE SOUND(from Original Masters)初登場音源!!そして大袈裟ではなくサウンドボード越えの奇跡の超高音質!!! Disc 1 (55:50) 1. Intro 2. Egyptian Intro. 3. Heartbreaker 4. Bring It On Home 5. Custard Pie 6. Ramble On 7. Tangerine 8. Thank You 9. Hurdy-Gurdy Solo 10. Gallows Pole 11. The Rain Song 12. Band Introductions 13. The Song Remains the Same Disc 2 (72:06) 1. Tea for One 2. Dancing Days 3. Egyptian Intro 4. In the Evening 5. Four Sticks 6. Kashmir 7. Celebration Day 8. Black Dog (incl. In My Time of Dying) 9. Rock and Roll