90年代RAINBOWが終了し、ハードロックから足を洗ってしまった1997年のリッチー・ブラックモア。本作は、1997年コレクション2本同時リリースの第二弾。「1997年2月26日トロント公演」のフル録音をDISC 1-2に、超絶景ショットをDISC 3に配したオーディエンス3枚組です。90年代のRAINBOWの活動全景については同時リリースとなる『WEST SPRINGFIELD 1997』の解説に譲り、ここでは1997年コレクションを詳細に整理してみましょう。・2月20日『FIRST GIG AT OLD BRIDGE(オールドブリッジ)』・2月21日:プロヴィデンス公演・2月22日『WEST SPRINGFIELD 1997』 ・2月26日:トロント公演 ←★本作★・2月27日『LIVE AT THE MACHINE(マシロン)』*2月28日『FINAL CHAPTER(コロンバス)』・3月1日:デトロイト公演・3月2日『STRANGER IN SCHAUMBURG』*DVDR・3月6日-14日(6公演)・3月16日『SANTA ANA 1997』 *3月17日『HOLLYWOOD 1997 1ST NIGHT』*3月18日『COMPLETE HOLLYWOOD 1997』・3月19日『OVER THE EDGE(パロ・アルト)』*DVD ー約2ヶ月後ー・5月31日『MAYBE NEXT TIME(デンマーク)』《RAINBOW解散→BLACKMORE’S NIGHT始動》※注:各日とも代表オーディエンス記録のみ。また「*」印はCDタイトル。これが1997年のRAINBOW。「北米18公演+デンマーク1公演」の全19公演でした。この直後にRAINBOWは崩壊し、リッチーはBLACKMORE’S NIGHTを始動。2016年から一時的にRAINBOWを復活させたりもしたものの、「フルタイムでハードロックを追究するギタリスト」としてのリッチーは居なくなりました。そんな最後の歩みだけに、当店では数々の傑作でアーカイヴ。本作のトロント公演は、まだ序盤にあたる4公演目のコンサートでした。本作は、そんなショウのオーディエンス記録2種をセットしたもの。それぞれ個別にご紹介していきましょう。 【DISC 1-2:フル・オーディエンス録音】まず登場するのは、本作で初めてご紹介するオーディエンス録音。ホール鳴りが芯に厚みとダイナミズムを与えるタイプで、リアルな現場ムードが美味しい。もちろんボケボケ・ボワボワでは元も子もありませんが、この録音は芯が力強く、厚めの鳴りもビビッドに貫いてくるのです。そして、芯の力強さと鳴りの厚みによってスカスカ感も皆無。恐らくは少々距離のあるポジションからの録音だと思うのですが、それでも「遠さ」を感じさせない。クラシカルな様式美が艶やかに降り注ぎ、その荘厳な音世界に全身を浸しきれる。「The Temple of the King」等も厚みたっぷりでありながらドゥギーとグレッグの歌声が綺麗にセパレートし、2人の声が絡み合う。中世の夕日が目に浮かぶようなロマンティシズムいっぱいに描かれるのです。そんな幻想サウンドで綴られるのは、4日前の『WEST SPRINGFIELD 1997』とも似て非なるフルショウ。ここでその全曲を比較して整理しておきましょう。 RAINBOWクラシックス・ロニー時代:Long Live Rock 'n' Roll/Man On The Silver Mountain/The Temple of the King(★)・グラハム時代:Since You Been Gone(★)・ジョー時代:Spotlight Kid/Difficult To Cure 孤高のストレンジャー・Wolf To The Moon/Still I'm Sad/Black Masquerade/Ariel/ Hall of the Mountain King その他・DEEP PURPLE:Mistreated/Perfect Strangers/Woman From Tokyo/Burn・その他:OJ (Hey Joe) ※注:「★:印は同時リリースの『WEST SPRINGFIELD 1997』では聴けない曲。 【DISC 3:90年代RAINBOW屈指の名作映像】そんな新登場のフル・ライヴアルバムに続くのは、名作の誉れ高き極上映像。何しろ、公式化されたプロショット『ROCKPALAST '95』の次に凄いとさえ言われる傑作なのです。これまでボーナス・タイトルでご紹介したこともあるのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、なにが凄いって超アップ。狭いクラブの距離感を最大限に活かしきり、指先も表情も画面いっぱいに大写しになるのです。さらにダビング痕がまるでない発色や超クリアな音声も絶大。正直に申しますと、DISC 1-2には初登場価値があるものの、クオリティは映像編の方が上です。そんな映像美で目撃できるショウは、1公演1公演で進化していく段階のフルショウ。同時リリースの『WEST SPRINGFIELD 1997』は不慣れ感とフレッシュな勢いに溢れていましたが、本作はこなれ方がグッと向上。新加入のジョン・ミセリのコージーを思わせる暴れっぷりはあまり変わっていませんが、他のメンバーがそのドラミングに上手く対応してきた感じ。リッチーの機嫌を計るバロメータである「Smoke On The Water」がないので本人にとっては並だったのかも知れませんが、滑らかな運指もフレーズのキレも非常に調子よさそう。ツアー序盤だけだった「Hall of the Mountain King」も聴かせてくれます。初めてご紹介するフル録音と、定評ある名作映像。2つの記録でトロント・ナイトを真空パックしたオーディエンス・セットです。特に映像編は掛け値なしの大傑作。もう入手できなくなっているボーナスDVDRではなく、本作によっていつでもお求めいただける通常リリースが実現したわけです。コレクションを充実させるだけでは済まない3枚組。「1997年2月26日トロント公演」のフル録音をDISC 1-2に、超絶景ショットをDISC 3に配したオーディエンス3枚組。DISC 1-2はホール鳴りが力強い芯に厚みとダイナミズムを与えるタイプの録音で、スカスカ感が皆無な手応えが素晴らしい。そして強力なのがDISC 3の映像編。プロショット『ROCKPALAST '95』の次に凄いとさえ言われる傑作で、狭いクラブの距離感を最大限に活かしきった超アップの連続。指先も表情も画面いっぱいに大写しになり、ダビング痕がまるでない発色や超クリアな音声も絶大。90年代RAINBOWの末期を極上体験できる3枚組です。 The Warehouse, Toronto, ON, Canada 26th February 1997 TRULY AMAZING SOUND/AMAZING-SHOT!!! Disc 1(45:46) 1. Intro 2. Over the Rainbow 3. Spotlight Kid 4. Long Live Rock 'n' Roll 5. Mistreated 6. Wolf to the Moon 7. Difficult to Cure 8. Keyboard solo 9. Still I’m Sad 10. Drums solo 11. Man on the Silver Mountain Disc 2(47:12) 1. MC 2. The Temple of the King 3. Black Masquerade 4. Ariel 5. Since You Been Gone 6. Perfect Strangers 7. OJ (Hey Joe) 8. Hall of the Mountain King 9. Woman from Tokyo 10. Burn DVD 1. Intro. 2. Over The Rainbow 3. Spotlight Kid 4. Long Live Rock 'n' Roll 5. Mistreated 6. Wolf To The Moon 7. Difficult To Cure 8. Keyboard Solo 9. Still I'm Sad 10. Drum Solo 11. Man On The Silver Mountain 12. Temple Of The King 13. Black Masquerade 14. Ariel 15. Since You Been Gone 16. Perfect Strangers 17. Hey Joe 18. Hall Of The Mountain King 19. Woman From Tokyo 20. Burn COLOUR NTSC Approx.94min. Ritchie Blackmore - guitars Doogie White - vocals Greg Smith - bass, backing vocals John Miceli - drums Paul Morris - keyboards Candice Night - backing vocals