1983年のシリアス・ムーンライト・ツアーからボウイがもっとも力を入れたであろうアメリカン・レグの初登場オーディエンスを発掘し続けてくれている「Two Of Us」チームが今回届けてくれたのは7月25日のマディソン・スクエア・ガーデン。同チームは今までMSGの前に行われたフィラデルフィア公演を公開してくれていましたが、遂に真打登場といった感じではないでしょうか。これまでリリースしてきたシリアス・ムーンライト・ツアーのアメリカン・レグは7月ならデトロイト、8月だとLAフォーラムに集中していた感があり、さらにはマイク・ミラードの傑作録音「L.A. FORUM 1983 1ST NIGHT: MIKE MILLARD FIRST GENERATION CASSETTES」までリリースされています。しかし本ツアーの7月から8月にかけてのアメリカン・レグで西の一大勝負がLAフォーラムだとすれば、東はMSG。それだけにマニアからは「MSGの音源も出してほしい…」という声が多数寄せられていました。そのタイミングで「Two Of Us」チームはまるでマニアの願いを見透かしたかのごとくMSGの初登場オーディエンスをアップしてくれたのです。何が嬉しいかって、今回発掘された音源の音質が実に素晴らしい。「Two Of Us」チームによる一連のフィラデルフィア公演も本当に素晴らしいクオリティの音質ばかりでしたが、今回はさらに上を行くレベル。まず音像が相当にオンであり、そのせいでほんのわずかに歪んでしまう箇所もあるのですが、それを補って余りある迫力の録音状態。そんな中でも特筆すべきは、今は亡き名手トニー・トンプソンのドラム。特に彼のバスドラのフットワークまで捉えてくれているのには驚き。トンプソンの参加はシリアス・ムーンライト・ツアー・バンド大きな魅力となっていましたが、なるほど絶妙のドラミングにてステージを支えてくれていたのだな…と再発見させてくれるのでは。それに本ツアーにおける最初のMSGショー初日ということもあり、ボウイの気合の入りっぷりが半端じゃない。「L.A. FORUM 1983~」がそうだったように、初日ということからボウイが全然MCを盛り込まない(笑)。それほどまで緊張と気合を前にステージに挑んでるということなのでしょうが、それにしてもこの日のボウイの熱唱ぶりは凄まじい。おまけに音質が非常に良いので、彼の気合が入りまくったステージングにトンプソンを中心としたバンドがボウイをしっかりと支えて上げている様子もリアルに伝わってくる。そして「Red Sails」はツアーがアメリカに上陸してから演奏頻度の減っていたレア・レパートリーであり、MSG三日間の中で披露されたのはこの日だけ。そんなレアな演奏まで楽しめ、なおかつシリアス・ムーンライト・ツアーが初めてMSGに降臨した様子を記録した、掛け値なしに最高の新発掘オーディエンス・アルバム!Live at Madison Square Garden, New York City, NY, USA 25th July 1983 TRULY PERFECT SOUND★初登場・高音質音源 Disc 1(58:01) 1. The Jean Genie Intro 2. Star 3. "Heroes" 4. What In The World? 5. Golden Years 6. Fashion 7. Let's Dance 8. Red Sails 9. Breaking Glass 10. Life On Mars 11. Sorrow 12. Cat People (Putting Out Fire) 13. China Girl 14. Scary Monsters (And Super Creeps) 15. Rebel Rebel 16. White Light, White Heat Disc 2(56:38) 1. Station To Station 2. Cracked Actor 3. Ashes To Ashes 4. Space Oddity 5. Band Introductions 6. Young Americans 7. Fame 8. TVC15 9. Stay 10. The Jean Genie 11. Modern Love