音楽シーンの激動に飲み込まれつつ、音源マニアからは「隠れた名ツアー」と言われている“DEHUMANIZER World Tour”。その現場を伝える衝撃の新発掘ライヴアルバムが登場です。そんな本作に刻まれているのは「1992年9月15日パリ公演」。その超絶級オーディエンス録音です。何が衝撃かと言えば、恐ろしいまでの音の良さ。『DEHUMANIZER』時代と言えば、ボストン公演のFMサウンドボードが公式代わりを務めておりますが、あの超有名サウンドボードにも負けない……と言いますか、勝っている!?という、とんでもないサウンドなのです。ともあれ、まずはショウのポジション。当店では、FMサウンドボードの最高峰盤『DEFINITIVE BOSTON 1992: PRE-FM MASTER』もお馴染みですので、併せて当時のスケジュールから確かめてみましょう。《6月22日『DEHUMANIZER』発売》・6月23日ー7月4日:南米(9公演)・7月24日ー8月9日:北米#1(13公演)←※DEFINITIVE BOSTON 1992・8月15日:SUPER ROCK MANNHEIM出演・9月1日ー25日:欧州(12公演) ←★ココ★・10月12日ー11月13日:北米#2(24公演)《11月13日:ロニー離脱/ロブに交代》・11月14日+11月15日:オジーの引退公演に出演 これが1992年のBLACK SABBATH。彼ら初の南米ツアーからスタートし、北米×2周とヨーロッパで構成。本作のパリ公演は「欧州」レッグの9公演目にあたるコンサート。『DEFINITIVE BOSTON 1992』が北米の代表作だとすれば、本作はヨーロッパ編の代表作となる新名盤なのです。【公式級SBDに半歩も譲らない超絶サウンド】さて、本題。そんなショウを伝える超絶のサウンド! 以前から記録は知られてきたショウですが、本作はごく最近になって後悔された初登場録音。とにかくまあ、ゼロ距離・ド密着・極太・超鮮明・激タイト……すべてのチェック項目でサウンドボード大名盤『DEFINITIVE BOSTON 1992』と同点同格。ヘッドフォンで目を閉じ、全力でオーディエンス録音の証拠を探すと「スネアの音色がちょっと客録っぽいかな……」というくらい。厳密には『DEFINITIVE BOSTON 1992』とは違って左右にパンで飛ぶ感覚はないのですが、逆に言えば現場らしい自然なステレオ感が美味しいのです。さらに言えば、楽器1つひとつの現実感はサウンドボード以上と言ってもいい。ライン直結ではないからこそドラムには皮の振動が感じられ、ベースがゴリッゴリならギターもギラッギラ。重低音が会場の壁を震わせるリアリティが宿っている。そうですね、この感覚を喩えるならサウンドボード盤『DEFINITIVE BOSTON 1992』は脳がPA機材の一部になった感覚なのに対し、本作は頭蓋の中でコンサートが開かれている感じ。自分が機材に取り込まれるのではなく、自分の中にすべてを取り込んだシンクロ感なのです。このサウンドを実現した最大の要因は録音家の腕と機材でしょう(同時リリースの姉妹作『WINTERTHUR 1992』も同じ人物の作品です)が、さらに会場もポイント。実は、現場となった“エリゼ モンマルトル劇場”は約1400人という小規模会場なのです。日本で言えばO-EASTよりちょっと大きいくらいでして、天下のBLACK SABBATHでは珍しい規模。その密室感・密着感が超タイト・サウンドともなっているのです。しかも、本作はその衝撃マスターをさらにブラッシュアップ。原音は世界中のマニアが驚くだけはある超高音質なのですが、高音にクセがありハイハットやヴォーカルのサ行(サ・シ・ス・セ・ソ)の質感が硬かった。本作はピッチやバランに加えてそうしたポイントもトリートメント。滑らかで音楽的な完成度を極限まで追求したのです。【歌鬼ロニーの絶唱が光るフルショウ】そんな超絶ダイレクト・サウンドで描かれるのは、ロニーの絶唱も凄まじいフルショウ。セット自体は『DEFINITIVE BOSTON 1992』や姉妹作『WINTERTHUR 1992』と同一なので省略しますが、ポイントなのはその名曲群を紡ぐ演奏の凄まじさです。特に強力なのがロニー。超人と言われた彼も2005年頃から声に艶と張りがなくなったと言われ、HEAVEN & HELLプロジェクトでも復活することはありませんでした。しかし、本作はその10年以上前となる1992年。ロニーの歌声は全盛時代となんら変わらず、むしろグランジ全盛の時代に挑むよう。それこそ80年代を超えかねないド迫力なのです。このロニーの裂帛の気迫と、サバスだからこその重厚サウンド。これこそ、冒頭でご紹介した「音源マニアからは隠れた名ツアーとされる“DEHUMANIZER Tour”」の意味なのです。話は少しズレますが、ここで“SABOTAGE Tour”の『LONG BEACH ARENA 1975』を思い出してみてください。そう、名手マイク・ミラードによるあの超名盤です。“SABOTAGE Tour”と言えば、以前からサウンドボードの代表作『LIVE LONGEST... DIE AT LAST』が有名にも関わらず、超絶オーディエンスの旨みと体験感は絶大で、当店でも大ヒットを記録しました。本作は、その1992年版と言ってもいい。いかにサウンドボード・アルバム『DEFINITIVE BOSTON 1992』が完全無欠であろうとも、一歩も引かないサウンド・クオリティと体験感を両立した本作も偉大なのです。「1992年9月15日パリ公演」の超絶級オーディエンス録音。とにかくまあ、ゼロ距離・ド密着・極太・超鮮明・激タイト……すべてのチェック項目でサウンドボード大名盤『DEFINITIVE BOSTON 1992』と同点同格。楽器1つひとつの現実感はサウンドボード以上と言ってもよく、まるで頭蓋の中でコンサートが開かれているような異次元感覚。後年のHEAVEN & HELLプロジェクトとは違って全盛と変わらぬ歌声でロニー時代を総括するようなフルショウを体験できる奇跡のライヴアルバムです。Live at Elysee Montmartre, Paris, France 15th September 1992 ULTIMATE SOUND★初登場・奇跡の超高音質!! Disc 1 (54:05) 1. E5150 2. The Mob Rules 3. Computer God 4. Children Of The Sea 5. Time Machine 6. War Pigs 7. I 8. Die Young 9. Guitar Solo 10. Black Sabbath Disc 2 (41:26) 1. Master Of Insanity 2. After All (The Dead) 3. Drums Solo 4. Iron Man 5. Heaven And Hell 6. Neon Knights 7. Paranoid/Heaven And Hell(reprise) Ronnie James Dio - Vocals Tony Iommi - Guitar Geezer Butler - Bass Vinny Appice - Drums Geoff Nicholls - Keyboards