リッチー・ブラックモア突然の脱退劇によって誕生し、オフィシャル作品を残すことなく消えていった「ジョー・サトリアーニ時代DP」。その日本公演をフル体験できるオリジナル・マスターがリリース決定です。そんな本作に吹き込まれているのは「1993年12月6日:日本武道館」公演。その一部始終を真空パックしたリアル・オーディエンス録音です。リッチー脱退はパープル史における一大事件であり、当代きってのギターヒーローであったサトリアーニの加入も衝撃。当店では、その貴重なライヴ・イン・ジャパンを数々の名作でアーカイヴしてきました。本作は、そのどれとも異なるもの。良い機会でもありますので、当時の日程でコレクションを整理しながらショウのポジションを確かめておきましょう・12月2日『NAGOYA 1993』・12月3日『THE BATTLE RAGES IN OSAKA』・12月5日『THE BATTLE RAGES IN YOKOHAMA』・12月6日『BUDOKAN 1993: DAT MASTER』&★本作★・12月7日『BUDOKAN 1993: DAT MASTER』・12月8日『BATTLE MACHINE(代々木)』※注:各日とも代表作のみ。以上、全6公演。日本はサトリアーニ合流してからの初舞台でして、その日程は西日本からスタート。急造アンサンブルを整えながら東進し、『MADE IN JAPAN』の舞台となった日本武道館では2公演が実現しました。本作に記録されているのは、その初日のコンサートなのです。そんな現場で記録された本作は、艶やかさとパワーがせめぎ合う個性派録音。正直な話、当店で通常リリースされている傑作群には及ばないのですが、だからと言ってダメ録音でもない。まず何と言っても力強い。「アリーナ3列目」という近さからかスカスカ感がまるでなく、中音域の密度も重低音のヴァイヴも強力。ドスドスとしたバスドラが五臓を揺らし、六腑を蹴り上げるパワー・サウンドなのです。そして、パワーだけではないのが艶やかさ。正直言って、あまりに力強いために打音ピークではリミッターもかかるのですが、だからこそバリバリと割れる事もなく、心地よくパワーに身を委ねられる。もっと言えば大元マスターからダイレクトにデジタル化されただけにダビング痕もなく、鳴りを切り裂いて届くギターやシャウトがえらくフレッシュ。ギランと大観衆のコール&レスポンスも、1人ひとりの歌声が判別できるほどに瑞々しく、それが折り重なることで生み出される重層のダイナミズムが素晴らしいのです。そんなサウンドで描かれるのは、サトリアーニの合流で息を吹き返したDEEP PUPRLEのフルショウ。セットはお馴染みなので整理は省略しますが、それを紡ぐサトリアーニの妙技はやはり素晴らしい。スティーヴ・ヴァイの師匠だけに変態フレーズで染め変える心配もありましたが、大人なサトリアーニには杞憂だった。基本フレーズをことごとく正確に再現し、ちょっとした「間」やニュアンスの味付けに匠の業をのぞかせる。その押しと引きの案配とタイミングは、場数を重ねる毎に明らかに練られていった。真の完成を見るのは翌1994年の欧州ツアーですが、本作はそこへ至るまでの進化の道程であり、「リッチーがいなくてもイケる!」という新鮮な喜びがスピーカーから溢れ出してくるような名演なのです。数々の名作でレポートしてきた「サトリアーニPURPLE」。リッチーは当然として、スティーヴ・モーズとも違う魅力に溢れた時代でした。本作はその代表作とはなりませんが、だからと言って歴史の闇に葬ってしまうのも偲びがたい名記録なのです。Live at Budokan, Tokyo, Japan 6th December 1993 TRULY AMAZING SOUND(from Original Masters)★初登場音源です。 Disc 1 (55:24) 01. Introduction 02. Highway Star 03. Ramshackle Man 04. Black Night 05. Maybe I'm A Leo 06. A Twist In The Tale 07. Perfect Strangers 08. Pictures Of Home 09. Keyboard Solo 10. Knocking At Your Back Door Disc 2 (79:00) 01. MC 02. Anyone's Daughter 03. Child In Time 04. Anya 05. The Battle Rages On 06. When A Blind Man Cries 07. Guitar Solo 08. Lazy 09. Drum Solo 10. Space Truckin'/ Woman From Tokyo / Paint It Black 11. Hush 12. Speed King 13. Smoke On The Water Ian Gillan - Vocal Joe Satriani - Guitar Jon Lord - Keyboards Roger Glover - Bass Ian Paice - Drums