38年の時を越えて発掘された、完全未公開極上ステレオ・オーディエンスソース!エリック・クラプトンの1983年の全米ツアーから、これまで完全未公開だった2月9日のロングビーチ公演の極上ステレオ・オーディエンス録音の完全収録ソースが突如日の目を見ました!38年も眠っていたものがなぜ今、公開されたのか、その理由は分かりませんが、そのクオリティたるや、現代にあっても「極上」と呼べるレベルのものだったのですから、その衝撃度は凄まじいものでした。録音者の情報によると、マイクの殿堂メーカー、ゼンハイザーのマイクを2本使用し、ソニーのカセットデッキD5MにてTDKのメタルカセットテープにステレオ録音したとのことです。録音ポジションはロングビーチ・アリーナのフロントセクション、最前列から18列目のど真ん中、とのことで、その結果、DATもICレコーダーもなかったこの時代でもこれほどの超高音質で録音が実現できたわけです。これほどのハイクオリティなマスターだっただけに、当店にて修正した点といえば、ピッチが若干遅いので正常にしたこと、音圧を若干上げたことくらいでした。とにかく文句のつけようのないクリアネスとサウンドバランス、そしてほどよいオーディエンスの歓声。あのマイク・ミラード氏も顔負けの凄いクオリティなのです。38年の時を越えて突如出現した極上音源。これはコアなクラプトンマニアならずとも、一般のリスナーの方々にも十分満足していただけるものだけに、ロックファンは看過できないでしょう。内容的には、当時のニューアルバム「MONEY AND CIGARETTES」リリースと同時にスタートした全米ツアーを捉えたもので、同アルバムからのホットなナンバーを聴かせたこのツアーの代表作として、一躍トップに躍り出るタイトルとなりました。それではここで、この年のクラプトンの活動歴を振り返ってみましょう。【ツアー序盤で交代した名手ロジャー・ホーキンスのドラムで聴けるエキサイティングなステージ】≪1983年2月1日:アルバム「MONEY AND CIGARETTES」リリース≫・1983年2月1日~3月3日:全米ツアー、ファースト・レグ ←★ココ★・1983年4月8日~5月23日:イギリスを含むヨーロッパツアー ・1983年6月5日:ロンドンでチャリティショーに出演・1983年6月24日:ロンドンで「シルバー・クレフ」賞を授与される・1983年6月25日~7月17日:全米ツアー・セカンドレグ・1983年9月20日、21日:ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで「ARMS」コンサートを開く・1983年11月28日~12月9日:「ARMS USツアー」実施 1983年は、アルコール中毒を克服し始めたクラプトンにとって非常に精力的な活動をした年であったと言えますが、その原動力となったのは、意欲作「MONEY AND CIGARETTES」への満足感だったと言えるでしょう。クラプトン健在なりを示したこの年の最初に敢行したのが本盤の全米ツアー・ファースト・レグだったわけですが、本盤は本邦初公開音源という意味の他にさらなる価値があります。ツアーをサポートしたバンドメンバーは、「MONEY AND CIGARETTES」に協力したセッションマン全員にクリス・スティントン(キーボード)を加えた布陣だったのですが、ドラムのロジャー・ホーキンスがなぜかツアー開始11公演目を以って突然脱退してしまうというアクシデントに見舞われました。そこで急遽、旧知のタルサ・トップスのドラマー、ジェイミー・オールデイカーにヘルプを求め、以降のツアーを乗り切ったという事がありました。ロジャー・ホーキンスと言えば、マッスル・ショールズの重鎮セッションマンで、名手の呼び声も高いドラマーです。70年代前半にはスティーヴ・ウィンウッドに請われてトラフィックのアルバムとヨーロッパ・ツアーをサポートしたこともありました。そんな彼を得て、意気揚々とスタートしたツアーだったのですが、ツアーの最初にそんな事態に見舞われるとは・・・・。しかし、本盤に収められたステージは、ツアー7公演目でした。つまり、まだホーキンスが意欲満々で叩いていた公演だったのです。ここでのホーキンスは、脱退の兆候など微塵も感じさせない強力なドラミングが冴え渡っており、この形で進行するはずだったツアー本来の姿が克明に捉えられています。いきなりハイテンションのAfter Midnightでスタートし、新譜からはCrazy Country Hop、Slow Down Lindaと I've Got A Rock 'N Roll Heart の3曲を披露しています。ツアーの進行につれて、新曲はどんどんセットリストから落ちていきましたので、3曲も披露したのはホーキンスが参加していた全米ツアー初期だけでした。従って、このツアー序盤でのみプレイされた新曲は、非常に貴重なライブテイクと言えるでしょう。この時のクラプトンは、オール・ブリティッシュ・バンドを解散して、米英混合の腕利きセッション・ミュージシャンで結成したバンドでの初ツアーだっただけに、オーディエンスが新曲をどう受け入れてくれるかを気に懸けていたことが窺えます。その一方でクラプトンの自信はこのステージに漲っていました。79年以来クラプトンを支えてきたギタリスト、アルバート・リーとのコンビネーションが最も冴え渡った時期でもあります。それゆえに後年クラプトン自身は「最も刺激的なセカンド・ギタリストはアルバート・リーだった。」と回想したのでしょう。そのあたりもこの極上音質で克明に捉えられています。本盤での聴きものは、「MONEY AND CIGARETTES」からのナンバーのみならず、ブルース・メドレーとLet It Rain、Cocaine、Laylaといった代表曲です。序盤のWorried Life Bluesでのクラプトンのソロを聴くだけで、この日の彼の好調ぶりとやる気が感じられます。以降もロジャー・ホーキンスのタイトなドラミングに煽られて弾き捲るクラプトンのプレイが凄まじい限りです。38年の時を越えて出現した、これまで未公開だった日の、信じられない極上ステレオ音質の完全収録盤。そして、クラプトンのキャリアにおいては、唯一ツアードラマーとしてロジャー・ホーキンスが参加した、ほんとに短い時期の超貴重な初登場音源。Long Beach Arena, Long Beach, CA, USA 9th February 1983 ULTIMATE SOUND Disc 1 (38:41) 1. Intro 2. After Midnight 3. I Shot The Sheriff 4. Worried Life Blues 5. Crazy Country Hop 6. Slow Down Linda 7. Sweet Little Lisa 8. Key To The Highway Disc 2 (57:57) 1. Tulsa Time 2. I've Got A Rock 'N' Roll Heart 3. Wonderful Tonight 4. Blues Power 5. Blues Medley Who's Loving You Tonight Have You Ever Loved A Woman Rambling On My Mind 6. Let It Rain 7. Cocaine 8. Layla 9. Band introductions 10. Further On Up The Road Eric Clapton - guitar / vocals Albert Lee - guitar / vocals Chris Stainton - keyboards Donald "Duck" Dunn - bass Roger Hawkins - drums