英雄ロニー・ジェイムズ・ディオ最後の栄光となったHEAVEN & HELLプロジェクト。その新たな秘宝ライヴアルバムが新発掘です。そんな本作に吹き込まれているのは「2007年5月18日コロンビア公演」。その極上オーディエンス録音です。HEAVEN & HELLプロジェクトはロニーが倒れる2009年まで断続的に3年間活動しましたが、もっとも活発だったのは初年の2007年でした。良い機会でもありますので、ここでプロジェクトの活動全景を振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。2007年・3月11日ー5月19日:北米#1(32公演)←★ココ★《4月3日『THE DIO YEARS』発売》・6月2日ー7月7日:欧州#1(19公演)・8月2日ー16日:オセアニア(8公演)・8月30日ー10月6日:北米#2(23公演)・10月20日ー27日:アジア(5公演)・11月4日ー18日:英国(11公演)2008年・8月6日ー31日:北米#3(17公演)2009年《4月28日『THE DEVIL YOU KNOW』発売》・5月5日ー17日:南米(8公演)・5月30日ー6月27日:欧州#2(17公演)・7月25日ー8月1日:欧州#3(4公演)←※公式NEON NIGHTS・8月7日ー29日:北米#4(16公演)これがHEAVEN & HELLプロジェクトの全体像。本作のコロンビア公演は、活動初期にして最大レッグでもあった「北米#1」の31公演目でした。この「北米#1」からは公式作『LIVE FROM RADIO CITY MUSIC HALL』も制作されましたが、本作はその約1ヶ月半後にあたるコンサートでもありました。そんなショウで記録された本作は、極上のオーディエンス録音。最近になって発掘されたマスターなのですが、手掛けたのは現代の名門「Krw_co」。大元のDATマスターからダイレクトにトランスファーされた銘品なのです。そして、そのサウンドは名門の流石お眼鏡に適うだけはある。間近な会話声も吸い込んだオーディエンス録音に違いないのですが、肝心の演奏音はゼロ距離・ド密着で微細部まで超鮮明。いわゆる「まるでサウンドボード」を地で行く凄まじさなのです。その凄みは、恐らく会場が原因。現場となった“メリーウェザー・ポスト・パビリオン”は約2万人収容の巨大な会場なのですが、重要なのは壁がない事。ステージや間近なアリーナ席の頭上に天井こそありますが、三方は大きく開けて音が反射しないのです。しかし、それだけでは本作の超ビビッド・サウンドは説明が付かない。ここからは推測ですが、恐らく遠方席用に設置されたPA塔へダイレクトにマイクを向けて録音しているのではないでしょうか。この会場の遠方席は天井すらない完全野外仕様でして、シートを広げて観る観客も多い。しかも、吸い込んだ観客のノリが前方席のような狂乱ではなく、遠いステージに呼びかけるようなのどかさがある。本作は、そんな天井ナシの反響ゼロ環境としか思えない超タイト・サウンドなのです。そんな極上サウンドで描かれるのは、再び栄光を取り戻した歓喜溢れるフルショウ。ここでそのセットも整理しておきましょう。80年代クラシックス(5曲)・へヴン&ヘル:Children Of The Sea/Lady Evil/Die Young/Heaven And Hell/Neon Knights・悪魔の掟:The Mob Rules/The Sign Of The Southern Cross/Voodoo/Falling Off The Edge Of The World 90年代以降(5曲)・ディヒューマナイザー:After All (The Dead)/I/Computer God・ベスト・オブ・ディオ・イヤーズ:The Devil Cried/The Shadow Of The Wind ……と、このようになっています。ざっくばらんに言って『LIVE FROM RADIO CITY MUSIC HALL』から「Lonely Is the Word」を抜いたスタイル。往々にして少ないよりは多い方が好まれるものですが、必ずしもそれが正解とは限らないのが音楽の面白さ。貴重曲が少ないのは残念なものの、そのせいかショウの流れがタイトになり、演奏もグッと締まって聞こえるのです。そして、威風堂々としたムードが素晴らしい。前述したように、“メリーウェザー・ポスト・パビリオン”は半野外な会場でして、後方ではほとんどフェス状態。燃えに燃えるファンが前方に押し寄せて遠くの山鳴りのように盛り上がり、近くはノンビリした秋祭りムード。その遠近感ある混在ムードが巨大会場ならではの雰囲気を見事に描き出しており、そのすべてを支配する演奏に大物感が宿っているのです。この開放感たっぷりの現場ムードは、クラブ規模になっていた後期DIOでは絶対にあり得ないもの。いかにHEAVEN & HELLプロジェクトが世界から望まれ、ロニーの晩年に華を添えていたのか。本作は、単に優れた生演奏の音楽アルバムというだけでなく、そんな当時を肌感覚で現場体験できるドキュメントアルバムでもあるのです。そんな時代感まで丸ごと極上サウンドで楽しめる新発掘。「2007年5月18日コロンビア公演」の極上オーディエンス録音。名門「Krw_co」によって発掘された大元DATマスターからトランスファーされた銘品で、ゼロ距離・ド密着で微細部まで超鮮明。壁のない半野外な会場のせいか、反響がまるでないビビッドな演奏音は「まるでサウンドボード」を地で行く凄まじさです。ロニー時代の名曲を総括したセットは素晴らしく、久々の大会場を沸かせるロニーも気迫十分。半野外ならではの開放感溢れるムードまで丸ごと極上サウンドで楽しめるライヴアルバムの新名盤です。Merriweather Post Pavilion, Columbia, MD, USA 18th May 2007 TRULY PERFECT SOUND★初登場・高音質音源 Disc 1(49:29) 1. E5150 2. After All (The Dead) 3. The Mob Rules 4. Children Of The Sea 5. Lady Evil 6. I 7. The Sign Of The Southern Cross 8. Voodoo Disc 2(66:46) 1. MC 2. The Devil Cried 3. Drum Solo 4. Computer God 5. Falling Off The Edge Of The World 6. The Shadow Of The Wind 7. Die Young 8. Heaven And Hell 9. Neon Knights Ronnie James Dio - Vocals Tony Iommi - Guitar Geezer Butler - Bass Vinny Appice - Drums Scott Warren - Keyboards, Guitar