1981年11月5日のニュー・ジャージー初日公演を収録した決定盤・超高音質ステレオ・サウンドボード・タイトル。今から10年近く前にリリースされた1981年アメリカ・ツアーのマルチトラック録音ラフミックスの中でも、この日の再登場を待ち焦がれていたマニアは多いのではないでしょうか。この日から映画「LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」の収録が入り、なおかつライブアルバム「STILL LIFE」とラジオ放送にも採用されたという日でもありました。そして何と言っても81年ツアーにおける最大のレア・レパートリーの一つであった「Down The Road Apiece」がツアー序盤以来の復活を遂げたということ。まずモノラルのPAアウト・サウンドボードが発掘されてマニアを大喜びさせた日でもありましたが、最初に触れたようにラジオ放送用ラフミックスのマルチトラック録音はそれをも軽く上回るクオリティであり、クリアーかつオフィシャル・レベルのステレオで聞かれるという魅力があまりにも大きかった。ところが「CONCERT VAULT」サイトにて本音源が配信された際には「Under My Thumb」において曲が始まっても「A列車」の後半部に「Hang Fire」が終始被っており、挙句の果てには「Slave」が鳴るという、ラフミックス作成時のトラブルと思しき「TATTOO YOU」通常バージョンの音が被さっていたのです。それらが「When The Whip Comes Down」の序盤まで混ざってしまっており、マニアを「よりによって一番聞きたい日にトラブルが起きていたとは…」と苛立たせてしまったものでした。ところが幸いなことに、これらの問題を含んだパートは「STILL LIFE」でカバー出来てしまうという事実が。この編集によって大きな問題が解決できた訳ですが、ややこしいことに「STILL LIFE」では先の「Under My Thumb」の一部でボーカルを差し替えていたことから、ラフミックス本体の価値も残されていた。そこで配信のオリジナル、さらにPAアウト音源それぞれのミック純正ボーカル「Under My~」をボーナスとして収めた行き届いた内容がさらに高い人気を呼ぶことになったものでした。こうして当時のリリースからして完成度が非常に高かった「EAST RUTHERFORD 1981 1ST NIGHT」(旧タイトルは「NEW JERSEY 1981 1ST NIGHT」) ですので、今回の再リリースに際しても、大幅に手を加えるところはありませんでした。今回もまたオーバーホールを担当してくれたGraf Zeppelinを持ってしても微調整にとどまりました。また冒頭を「STILL LIFE」のバージョンとしたことで、完成されたミキシングとラフミックスの違いが簡単に聞き比べられるようになったというメリットも生まれました。「When The Whip Comes Down」からラフミックスへと切り替わる訳ですが、前の曲がライブアルバムという完成品としてすべてが調整された状態だったのに対し、この曲からは演奏の質感が生々しく、なおかつバランスが文字通りラフな状態という違いがとても分かりやすく伝わってくるのです。この曲に関してはキーボードのイアン・マクレガンが歌っていたバックコーラスのバランスがやたらと大きい。また「Miss You」冒頭ではミックの弾いたリズムギターがバカでかい音で鳴りだす(そして慌てて音量が下がる)場面も面白く、これまたラフミックスならでは。そしてこの日はストーンズの演奏が非常にアツい。収録が入るとボルテージが上がるというストーンズの法則を地で行くような素晴らしい演奏が随所で飛び出す。ミックは力の入った熱唱を聞かせてくれ、さらにバンドも「Just My Imagination」で最初の頂点を迎えてくれる。続けて「Down The Road Apiece」が久々に演奏されるというのは最高のタイミングだったのではないでしょうか。大好評発売中の「BUFFALO 1981」におけるツアー序盤の同曲と聞き比べると、まるで別のバンド(笑)。ミックの力が入り過ぎて「You Can't Always Get What You Want」で彼が構成を間違えてしまう場面は微笑ましいですし、「Honky Tonk Women」ではティナ・ターナーが飛び入りしてミックとデュエットを聞かせてくれるのも魅力的な場面。そして「Jumping Jack Flash」と「Satisfaction」ではチャーリーのドラムがアツい!しかも今となってはここで彼の叩き出た一打一打の意味が深く響いてしまう。そしてこうした場面が素晴らしい音質のおかげで安心して聞き込めてしまうというのもポイントが高い。やはり収録となれば張り切るストーンズ。そんな名演かつ81年マルチトラック・ラフミックスの中でも特に人気の高かったイースト・ラザフォード初日が文字通り待望の再登場です!REMASTER & CHECKED BY GRAF ZEPPELIN(リマスター・チェック・メモ)位相修正のみ。出だし付近が改善されてますが、以降は元々ズレも大きくないようで変化なし 全体に僅かに音量調整してます。 Brendan Byrne Arena, East Rutherford, New Jersey, USA 1981 5th November 1981 STEREO SBD Disc 1 (65:24) 1. Take The A Train 2. Under My Thumb 3. When The Whip Comes Down 4. Let's Spend The Night Together 5. Shattered 6. Neighbours 7. Black Limousine 8. Just My Imagination 9. Down The Road Apiece 10. Going To A Go-Go 11. Let Me Go 12. Time Is On My Side 13. Beast Of Burden 14. Waiting On A Friend 15. Let It Bleed Disc 2 (68:09) 1. You Can't Always Get What You Want 2. Band Introductions 3. Little T & A 4. Tumbling Dice 5. She's So Cold 6. All Down The Line 7. Hang Fire 8. Miss You 9. Start Me Up 10. Honky Tonk Women (with Tina Turner) 11. Brown Sugar 12. Jumping Jack Flash 13. Satisfaction Bonus Tracks 14. Under My Thumb / When The Whip Comes Down Intro(Original Mix) 15. Under My Thumb / When The Whip Comes Down Intro(Monaural Soundboard Mix) STEREO SOUNDBOARD RECORDING