『SLIPPERY WHEN WET』『NEW JERSEY』の天文学的成功で世界を塗り替えたBON JOVI。80年代最後の来日にして、初ドーム公演となった“HEAT BEAT LIVE '89 in Big Egg”をフル体験できるオリジナル録音が登場です。そんな本作に吹き込まれているのは、東京ドーム2公演。大晦日「1988年12月31日」と年明け「1989年1月1日」をディスク2枚ずつに配した4枚組です。この年はカウントダウンのためだけに来日したわけではなく、『NEW JERSEY』を引っさげてのツアーも実施しました。良い機会ですので当時のスケジュールから本作の構成を確認してみましょう。1988年・12月31日:東京ドーム ←★本作DISC 1-2★ 1989年・1月1日:東京ドーム ←★本作DISC 3-4★・1月5日ー9日:大阪城ホール(3公演)・1月10日+11日:名古屋レインボーホール(2公演)以上、全7公演。大阪・名古屋は“SANYO HEAT BEAT LIVE '89”と題した通常ツアーでしたが、東京ドーム2公演は“HEAT BEAT LIVE '89 in Big Egg”。BON JOVIがメインアクトを務めつつ、LAメタルの大御所RATT、新進気鋭のKINGDOM COME、BRITNY FOXも参加したフェスティバル形式でした。この年末年始2公演もそれぞれタイトルが付けられており、大晦日公演(DISC 1-2)は“FINAL COUNT DOWN”、元旦公演(DISC 3-4)は“BLAST OFF TOKYO”と呼ばれた。本作は、そんな東京ドーム2公演のBON JOVI篇を完全収録した極上オーディエンス録音セットなのです。その一方、本作は幻の名作でもありました。両公演とも本作だけのオリジナル録音なのですが、初登場の際には限定品であり、その数わずか20セット。全国人気を誇るBON JOVIの絶頂ライヴアルバムには似つかわしくない伝説のレア・アイテムとして、あっと言う間に完売・廃盤となったのです。もちろん、本作はそのオリジナル・リリース盤を忠実に再現したもの。当時、入手できなかった方のために満を持しての一般リリース解禁となったのです。そして、重要なのは中身。当然ダメ録音ではレアなゴミにしかならないわけですが、本作は違う。2公演でややサウンドは違うのですが、特に大晦日ライヴ(DISC 1-2)は絶品モノ。東京ドームと言えば、ボケボケにぼやけたサウンドでも致し方ないのが相場ですが、本作は目も覚めるほどにクリア。遠近感もたっぷりの大歓声に巨大な会場スペクタクルは感じるものの、楽音には距離感がほとんどなく、透き通った空気をレーザービームのようにまっすぐ飛び込んでくる。高音域にややチリチリとしたオーバーピークもありますが、楽音そのものは滑らかに捉えられています。オープニングの「Lay Your Hands On Me」ではジョンのマイクがオフ気味で「あれ?」となりますが、これは現場PAのミス。1分も経たずに回復し、あとは最後まで安定したサウンドがたっぷりです。一方の元旦ライヴ(DISC 3-4)は非常に美しい。DISC 1-2ほど異様な近さではないものの、それでも十分にクリアで東京ドームらしからぬ晴れ渡ったサウンドが鮮烈ですし、チリチリしたオーバーピークもありません。そんなクオリティ以上に嬉しいのが完全収録。特に大晦日(DISC 1-2)はテレビ放送もされたわけですが、そちらは放送枠に編集された不完全版でした。しかし、本作では放送ではカットされた曲間MCや名曲もたっぷり。さらに未放送の元旦(DISC 3-4)まで丸ごと楽しめるのです。ここで、その内容も整理しておきましょう。ワイルド・イン・ザ・ストリーツ(6曲+α)・I'd Die For You/Wild In The Streets/You Give Love A Bad Name/Let It Rock (with Pink Flamingos)(★)/Livin' On A Prayer/Wanted Dead Or Alive ニュージャージー(7曲)・Lay Your Hands On Me/Born To Be My Baby/Homebound Train(*★)/I'll Be There For You/Blood On Blood/Ride Cowboy Ride/Bad Medicine その他(3曲)・夜明けのランナウェイ:Get Ready(★)・7800°ファーレンハイト:Tokyo Road・カバー:It's All Over Now(*;THE VALENTINOS)※注:「*」印は大晦日(DISC 1-2)のみの曲。「★」はTV放送されなかった曲。……と、このようになっています。TV放送でカットされたのは3曲で、特に「Homebound Train」は元旦ライヴではやらなかった貴重曲。大晦日ライヴでは「Bad Medicine」を終える際の「Happy New Year!」の声も聞こえます(実は、この時11時35分。ちょっと気の早い挨拶ですね)し、イベントに出演したRATTやKINGDOM COME、ブリトニー・フォックスを交えての「It's All Over Now」でのお祭り騒ぎも楽しめます。もちろん、元旦ライヴも2大名盤『SLIPPERY WHEN WET』『NEW JERSEY』を濃縮還元した名曲ラッシュは変わらず、当時26歳だったジョンの歌声も目眩がしそうな程眩しいのです。“SUPER ROCK '84”の初来日から現在に至るまで、特別な関係であり続けた日本とBON JOVI。その長い歴史の中でも、もっともグロリアスだったのは、1989年大晦日/1989年元旦の2日間だったのではないでしょうか。本作は、そんな絶頂の刹那を素晴らしいサウンドで現場体験できる4枚組です。「1988年12月31日+1989年1月1日:東京ドーム公演」の絶品オーディエンス録音セット。2公演とも本作だけのオリジナル録音で、かつて限定リリースされて瞬殺となった幻の名作です。東京ドームと言えば、ボケボケにぼやけたサウンドでも致し方ないのが相場ですが、本作は目も覚めるほどにクリア。距離感もほとんどなく、透き通った空気をレーザービームのようにまっすぐ飛び込んでくる。TV放送ではカットされた「Let It Rock」「Homebound Train」「Get Ready」も含め、絶頂の2日間を完全体験できる文化遺産アルバムです。Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 31st December 1988 & 1st January 1989 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND(from Original Masters) Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 31st December 1988 Disc 1(58:06) 1. Lay Your Hands On Me 2. I'd Die For You 3. Wild In The Streets 4. You Give Love A Bad Name 5. Tokyo Road 6. Born To Be My Baby 7. Homebound Train 8. Pink Flamingos 9. Let It Rock 10. I'll Be There For You Disc 2(44:16) 1. Blood On Blood 2. Get Ready 3. Livin' On A Prayer 4. Ride Cowboy Ride 5. Wanted Dead Or Alive 6. Bad Medicine 7. It's All Over Now (with Ratt, Kingdom Come, Britny Fox) Live at Tokyo Dome, Tokyo, Japan 1st January 1989 Disc 3(58:03) 1. Lay Your Hands On Me 2. I'd Die For You 3. Wild In The Streets 4. You Give Love A Bad Name 5. Tokyo Road 6. Born To Be My Baby 7. Pink Flamingos 8. Let It Rock 9. I'll Be There For You 10. Blood On Blood Disc 4(32:56) 1. Get Ready 2. Livin' On A Prayer 3. Ride Cowboy Ride 4. Wanted Dead Or Alive 5. Bad Medicine Jon Bon Jovi - Vocals Richie Sambora - Guitar David Bryan - Keyboards Alec John Such - Bass Tico Torres - Drums