想像を超えるスペクタクルで好評を博している再結成ツアー“THE LAST DOMINO? Tour”。その最高傑作となるであろう最新ライヴアルバムが登場です。そんな本作に記録されているのは「2021年11月20日シャーロット公演」。そのマトリクス・アルバムです。本作最大のポイントは、超極上オーディエンス録音とIEMSsのマトリクス・サウンド。これがもう、本当にスゴイ。まずオーディエンス録音ですが、名手御用達で知られる名機「Schoeps MK4s」が使用されており、さらにポジションもサウンドボード卓の真後ろ。実際に現場で観覧する場合には、好みによってベスト・シートは様々ですが、こと録音に関してはこれ以上ない超・特等席なのです。これだけでもう名盤決定!なのですが、本作はさらにIEMsまで活用されている。オーディエンス録音と同じ録音家が記録したもので、主役フィル・コリンズのイヤモニを傍受。録音者自らマトリクスした上で公開したのです。そのサウンドたるや、信じられないほど素晴らしい。各楽器の1音1音まで綺麗にセパレートした芯がゼロ距離で耳に飛びこみ、フィルが持つタンバリンのシンバルまで良く聞こえる。その上でオーディエンス特有のほんのり絶妙なホール鳴りが芯に艶とダイナミズムを与え、会場中に広がるどよめきのウェーヴや拍手の海も実に細やか。オフィシャル作品基準で聴くとヴォーカルがややクッキリしすぎなきらいもあるものの、それは恐らくマトリクスした録音家の好みによるものでしょう。オーディオ的に言えば「完全オフィシャル級」と呼ぶに相応しいのです。実のところ、マトリクス作品は録音の相性や制作者のセンスで大きくクオリティが左右され、中には「余計な事をするな」と言いたくなるものも多かったりする。しかし、本作にその心配はまったくない超絶級サウンドなのです。そんな「オフィシャル代わりサウンド」で描かれるのは、最後とも言われる“THE LAST DOMINO? Tour”の最新レポート。大好評を博した第一報の映像作『BIRMINGHAM 2021』も記憶に新しいところですが、その後に日程も変更になりました。ここで最新スケジュールでショウのポジションを確かめておきましょう。2021年・9月20日ー10月7日:英国#1(12公演)←※BIRMINGHAM 2021・11月15日ー12月16日:北米(21公演)←★ココ★ 2022年・3月7日ー22日:欧州(11公演)・3月24日ー26日:英国#2(3公演)これが現在までに公表されている“THE LAST DOMINO? Tour”の全景。前回は「英国#1」の途中でレポートしたわけですが、その終盤にはバンド内(メンバー?スタッフ?)で新型コロナ・ウィルスの陽性反応が発生。一部の日程が延期になりました。それとは別に、2022年には大陸ヨーロッパ篇の日程も発表。ツアーらしいスケール感になってきました。本作のシャーロット公演は、そんな中で中核となる「北米」レッグ。その5公演目にあたるコンサートでした。そして、そのショウで披露されるのは、栄光の歴史を総括した壮大にして濃厚な究極グレイテスト・ヒッツです。現在では少しセットも変更になったようですが、本作では英国篇『BIRMINGHAM 2021』と同一。念のため、セットの整理もしておきましょう。クラシックス・ガブリエル時代:The Cinema Show/The Lamb Lies Down On Broadway/Firth Of Fifth/I Know What I Like (In Your Wardrobe)/The Carpet Crawlers (with Dancing With the Moonlit Knight)・静寂の嵐:Afterglow3人時代・そして3人が残った:Follow You Follow Me・デューク:Behind The Lines/Duke's End/Turn It On Again/Duchess・ジェネシス:Mama/Home By The Sea/Second Home By The Sea/That's All・インヴィジブル・タッチ:Land Of Confusion/Domino/Throwing It All Away/Tonight, Tonight, Tonight/Invisible Touch・ウィ・キャント・ダンス:Fading Lights/No Son Of Mine/I Can't Dance ……と、このようになっています。そして、そのセットを綴るパフォーマンスは『BIRMINGHAM 2021』からさらに向上しているように感じられる。当初は終始座って歌うフィル・コリンズが話題にもなりましたが、その歌声は矍鑠としたもの。息子ニック・コリンズも場数を踏んだことでこなれてきたのか、実に堂に入った演奏を聴かせてくれるのです。フィルも「この後、さらにツアーをやりたいかどうか分からない」と語り、恐らくはGENESIS最後の活動となるであろう“THE LAST DOMINO? Tour”。その最新レポートにして、機材・ポジション・マトリクスの三拍子まで揃った超越サウンドのライヴアルバムです。このツアーがオフィシャル作品化されるのか、あるいはサウンドボード録音が登場するのか。それは神のみぞ知るところですが、もし叶わなかったとしてももう問題ない。それほどまでに素晴らしいサウンドで「オフィシャル代わり」を務めるにも十分な新名盤。「2021年11月20日シャーロット公演」のマトリクス・アルバム。名機「Schoeps MK4s」でサウンドボード卓の真後ろという超特等席から録音した超極上オーディエンスと、フィル・コリンズのIEMSs録音をマトリクス。各楽器の1音1音まで綺麗にセパレートした芯がゼロ距離で耳に飛びこみ、フィルが持つタンバリンのシンバルまで良く聞こえる。その上でオーディエンス特有のほんのり絶妙なホール鳴りが芯に艶とダイナミズムを与え、会場中に広がるどよめきのウェーヴや拍手の海も実に細やか。「完全オフィシャル級」と呼ぶに相応しい超絶のサウンドで、集大成の“THE LAST DOMINO? Tour”をフル体験できる新名盤です。Spectrum Arena, Charlotte, NC, USA 20th November 2021 ULTIMATE SOUND Matrix with IEM of Phil Collins & Excellent Audience Recording Disc 1 (72:05) 1. Intro 2. Behind The Lines / Duke's End 3. Turn It On Again 4. Mama 5. Phil Speaks 6. Land of Confusion 7. Phil Speaks 8. Home By The Sea / Second Home By The Sea 9. Fading Lights 10. The Cinema Show 11. Afterglow 12. Phil Speaks 13. That's All 14. The Lamb Lies Down On Broadway 15. Follow You Follow Me 16. Duchess Disc 2 (70:22) 1. Band Introductions 2. No Son of Mine 3. Firth of Fifth 4. I Know What I Like (In Your Wardrobe) 5. Phil Speaks 6. Domino 7. Throwing It All Away 8. Tonight, Tonight, Tonight 9. Invisible Touch 10. I Can't Dance 11. The Carpet Crawlers (with Dancing With the Moonlit Knight) Phil Collins - lead vocals, tambourine Tony Banks - keyboards Mike Rutherford - guitar, bass guitar, bass pedals Nic Collins - drums, percussion Daryl Stuermer - guitar, bass guitar Daniel Pearce - backing vocals, percussion Patrick Smyth - backing vocals, tambourine