BLUE OYSTER CULTが'80年に発表した「CULTOSAURUS ERECTUS」に伴う全米ツアーより、BLACK SABBATHと共にサーキットした"BLACK AND BLUE"ツアーの9公演目に当たるミネソタ州ミネアポリス"メトロポリタン・センター"公演が、上質なFMラインソースを使用した、ファン待望の完全収録版で登場です。'79年に発表された「MIRRORS」以降、B.O.C.は次第にキャッチーで洗練された音楽性を志向するようになります。翌'80年にリリースした「CULTOSAURUS ERECTUS」において、バンドは太古の恐竜に材を求めつつ、当時盛り上がりを見せつつあったヘヴィメタルにもアプローチします。このような方向性の変化は'70年代初期からのファンが戸惑う所となったものの、同作では個性的な「Black Blade」やスピーディな「Lips In The Hill」など、現在でもファンからリクエストされる名曲を生み出すことに成功しました。バンドはアルバムリリース後、'80年6月18日のニューヨーク・ロスリン公演を皮切りに全米を又にかけた大規模なツアーをスタートし、同年末のテネシー公演まで76公演ものライヴをこなします。同じ頃、ロニー・ジェイムズ・ディオを迎えたBLACK SABBATHが同じサンディ・パールマンのマネージメントに所属した事から、この両者が合同でアメリカの各地をサーキットする"BLACK AND BLUE"ツアーの企画が持ち上がります。SABBATHとB.O.C.が同じステージに上がったのは双方のアメリカツアー中で都合のついた30公演程度でしたが、この「元祖ヘヴィメタル」と「本家ヘヴィメタル」の両巨頭が一度に観られるパッケージはファンの話題を呼び、初日となった7月23日のテキサス州ヒューストン公演から、"BLACK AND BLUE"ツアーは大いに盛り上がりました。本作ではこの'80年ツアーから8月19日のミネアポリス公演を、良好なFMサウンドボード音源で96分間にわたり全編収録しています。同時期のライヴ音源には、昨年のリリース直後からファンの間で大好評を博した「SOFT WHITE ERECTUS」が存在します。そちらは放送用マスターダイレクト使用のスーパー・サウンドが絶品だったので、FM放送のエアチェック素材を元にしている本作がサウンド面で一歩譲るのは事実ですが、それもオフィシャル級のサウンドを持つ前者と比較した場合の話。音の広がりやレンジこそやや狭い印象はありますが、ギターを中心にヴォーカルそしてキーボードがきちんとまとまったミックスは充分以上の聴き応えがあります。本作はもちろんオリジナル・マスターに入念なリマスターを施したアッパー・バージョンで、サウンドの聴き易さはトレーダー間で知られるマテリアルとは一線を画しています。華やかさとキャッチーさで明るくショウをスタートさせる「Dr Music」に、複数のギターがぶ厚くヘヴィなサウンドを奏でる「E.T.I.」など、普通に考えれば同時代の水準を楽に上回るステレオ・ライン録音で、唯一無二のB.O.C.ワールドをショウの序盤から安定した音像で楽しめます。本音源の聴き所は何をおいても「CULTOSAURUS ERECTUS」からのナンバーです。小気味よくスピーディな「Lips In The Hills」、アラン・レーニアのピアノが重厚な曲世界を盛り上げる「Unknown Tongue」や「The Marshall Plan」など、ライヴ中6曲もセレクトされた事実にバンドの自信がうかがえます。さらに現時点では本音源でしか聴けない「Hungry Boys」は超レア! 軽やかな節回しが印象的なB.O.C.流ロックンロールに、ファンは思わず耳を奪われる事でしょう。ライヴ後半も「Black Blade」が貫禄たっぷりに演奏され、すでに「Godzilla」や「Hot Rails To Hell」に負けない定番曲のオーラで聴き手をノックアウトしてくれます。ジョー・ブーチャードのベースソロから流れ込む「5 Guitars」より「Born To Be Wild」に突入するライヴ終盤の熱気は、これこそB.O.C.の真骨頂です!この日はSABBATHがメインに位置するレギュラー・ライヴですが、ダブル・ヘッドライナーツアーの「看板」を偽らない名演は文句なしの楽しさで、上り調子にあったバンドの底力をまざまざと感じるでしょう(なお、この日のショウを最後に、BLACK SABBATHからオリジナル・メンバーの一人であるビル・ワードが脱退しています。B.O.C.には直接関係ないものの、マニアは記憶に留めておきたいポイントかも知れません)。前述した「SOFT WHITE ERECTUS」は、"SOFT WHITE UNDERBERRY"名義でブッキングされたスペシャルなB.O.C.ライヴを最高級の音質で捉えていましたが、本作はそちらでも聴けなかったレア曲を含むセットを上質なライン音源で余さずパッケージしており、バンドのキャリアに精通したマニアをもニヤリとさせるでしょう! 本作は大定番音源の次に聴くセカンド・チョイスとして重要な位置づけを得るに違いありません。B.O.C.の1980年「CULTOSAURUS ERECTUS」ツアーを知る上で絶対に欠かせない2枚組・96分間です!Live at Metropolitan Center, Minneapolis, MN. USA 19th August 1980 STEREO SBD Disc 1 1. Dr Music 2. E.T.I. (Extra Terrestrial Intelligence) 3. Lips In The Hills 4. Unknown Tongue 5. Cities On Flame With Rock'N'Roll 6. The Marshall Plan 7. Hungry Boys 8. Divine Wind 9. Me 262 Disc 2 1. Hot Rails To Hell 2. Black Blade 3. Godzilla Intro. 4. Godzilla 5. Drums Solo 6. Godzilla (Reprise) 7. Bass Solo 8. 5 Guitars 9. Born To Be Wild 10. (Don't Fear) The Reaper STEREO SOUNDBOARD RECORDING Eric Bloom - Vocal, Guitar Donald "Buck Dharma" Roeser - Guitar, Vocal Allen Lanier - Keyboard, Guitar Joe Bouchard - Bass Albert Bouchard - Drums