『NO JACKET REQUIRED』の天文学的ヒットによって世界を制した1985年のフィル・コリンズ。その栄光の現場を極上体験できるライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1985年3月1日ヨーテボリ公演」。その極上オーディエンス録音です。1985年と言えばキャリア差大のヒットだけでなくソロ初来日や“LIVE AID”の伝説など、「世界で一番忙しい男」とまで呼ばれた年。その歩みを振り返り、ショウのポジションを確かめてみましょう。・2月11日ー23日:英国(12公演)《2月18日『NO JACKET REQUIRED』発売》・2月25日ー3月17日:欧州(18公演)←★ココ★・3月30日ー4月20日:豪州(14公演)・4月23日ー27日:日本(5公演)・5月12日ー7月2日:北米(41公演)←※公式映像・7月13日:LIVE AID(英米2公演)これが世界で一番忙しかった1985年のフィル・コリンズ。“THE NO JACKET REQUIRED World Tour”と言えば、公式の映像作品『NO TICKET REQUIRED』も残されていますが、それはツアー最終盤。それに対し、本作のヨーテボリ公演はまだ序盤だった「欧州」ツアー4公演目にあたるコンサートでした。そんなショウを真空パックした本作は、オーディエンスの理想を体現した極上の銘品。サウンドボードと間違えるようなド密着感ではないのですが、それがまったく欠点ではない。芯が力強くディテールの隅々まで手応えが行き届いており、エッジもシャープ。その上でほんのりとしたホール鳴りが絶妙な艶とダイナミズムを生み出している。しかも、それが美しい。各楽器のクリアな分離感、ギターやヴォーカルの鮮やかさ、ベースの力強さなど、細かく分析するとFM放送にも負けていないものの、キラキラと輝く空間感覚はサウンドボードでは決して味わえない。「まるで放送音源」と言ってしまうのはカンタンなものの、それでは録音に対して失礼になってしまうのではないか……そんな想いにさえ駆られるほど「客録の気品」に満ちた名録音。決して「サウンドボード代わり」ではない、オーディエンス録音だけの魅力をたっぷりと発散しているのです。そんな輝きのサウンドで描かれるのは、世界の征服者となったフィルのフルショウ。前述のように、このツアーは『NO TICKET REQUIRED』にも残されていますが、あくまでもダイジェスト。本作は一貫の通し録音ですので、あの公式映像でも聴けないレパートリーもたっぷり収録しています。ここで比較しながら整理してみましょう。HELLO, I MUST BE GOING!(5曲)・I Don't Care Anymore(★)/I Cannot Believe It's True(★)/Like China/You Can't Hurry Love/It Don't Matter To Me NO JACKET REQUIRED(4曲)・Only You Know And I Know/Inside Out(★)/Who Said I Would/Take Me Home その他(5曲)・FACE VALUE:This Must Be Love(★)/If Leaving Me Is Easy(★)/Hand In Hand・その他:Against All Odds/People Get Ready(★)/It's All Right ※注:「★」印は公式映像『NO TICKET REQUIRED』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。地球を丸ごと征服した大ヒット曲群は豪華絢爛で、「If Leaving Me Is Easy」「I Cannot Believe It's True」「Like China」といった80年代ならではのレパートリーやTHE IMPRESSIONSのカバー「People Get Ready」「It's All Right」も当時ならでは。そして、そんなセットを紡ぐ演奏の勢い。豪華なヒット曲も新曲として披露するフレッシュな歌声で、後年の懐メロ・ツアーとは明らかに違う全盛のムードが圧倒的なのです。キラキラとしたオーディエンス・サウンドと新鮮なヒット・パレード、そして若々しい生演奏。単にヒット曲が大量に聴けるアルバムなのではなく、匂い立つ80年代の大気がスピーカーから噴き出す輝きのライヴアルバムです。眩しい想い出がカタチになった2枚組。「1985年3月1日ヨーテボリ公演」の極上オーディエンス録音。芯が力強くディテールの隅々まで手応えが行き届いており、エッジもシャープ。その上でほんのりとしたホール鳴りが絶妙な艶とダイナミズムを生み出している。キラキラと輝く空間感覚はサウンドボードでは決して味わえない「客録の気品」に満ちた名録音です。公式映像『NO TICKET REQUIRED』でも聴けない名曲もたっぷりな絶頂のフルショウを極上体験できます。Scandinavium, Gothenburg, Sweden 1st March 1985 TRULY PERFECT SOUND Disc 1(46:28) 1. I Don't Care Anymore 2. Only You Know and I know 3. I Cannot Believe It's True 4. This Must Be Love 5. Againts All Odds 6. Inside Out 7. Who Said I Would 8. If Leaving Me Easy Disc 2(36:23) 1. Like China 2. You Can't Hurry Love 3. It Don't Matter To Me 4. Hand In Hand 5. Take Me Home 6. People Get Ready 7. It's alright Phil Collins - Vocals, Drums, Piano Rhamlee Michael Davis - Trumpet Michael Harris - Trumpet Don Myrick - Saxophone Peter Robinson - Keyboards Louis Satterfield - Trombone Leland Sklar - Bass Daryl Stuermer - Guitar Chester Thompson - Drums