KISSに先立つこと2ヶ月前に実現したAEROSMITH伝説の初来日。列島が揺れた「45年前の2月」を真空パックした新発掘ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「1977年2月9日:日本武道館」公演。その絶品オーディエンス録音です。AEROSMITH初来訪というだけでも歴史的ですが、黄金の70年代に実現した来日自体が一度きり。あまりにも重大な「事件」だけに、当店ではさまざまな記録でアーカイヴしてきました。まずは、記念碑的なスケジュールからそのコレクションを整理してみましょう。・1月29日:群馬県スポーツセンター・1月31日『ROCKS BUDOKAN』・2月1日『NAGOYA 1977』・2月4日『EAST SIDE WEST SIDE BLUES(九電体育館)』・2月6日:京都会館第一ホール・2月7日:大阪フェスティバルホール・2月9日:日本武道館 ←★本作★ ※各日とも代表作のみ。以上、全7公演。初来日にして東名阪だけでなく京都や福岡、群馬も巡る人気ぶりを見せつけました。その中でもハイライトだったのは2回の日本武道館公演。本作に記録されているのは、ツアー全体の最終日でもあった武道館2日目です。歴史的ツアーの最終日を真空パックした本作は、衝撃的な初登場音源。このショウ自体は『ROCKS TOKYO』でも知られる関係者録音が有名なわけですが、本作はまったくの別録音。KISSの『BUDOKAN 1977 2ND NIGHT』と同じ録音家によるオリジナル・マスターなのです。そして、そのサウンドも絶品。ポジションのせいかKISS篇より距離があるのも否めないのですが、瑞々しいマスター鮮度は同格。ダビング痕はもちろん経年劣化もまるで感じられず、ウォームな鳴りの隅々まで瑞々しい。演奏音はややダンゴ気味(どうやら現場の出音の特性だったらしく、既発でも同じでした)ではありますが、そのド真ん中を掻き分けるようなスティーヴン・タイラーのヴォーカルは実に鮮やか。そして、さらに美味しいのが歴史的な現場に居合わせるリアルな臨場感。黄色い嬌声もビシッと揃った手拍子も「ザ・70年代洋楽」。その一方で肝心のAEROSMITHの方は(復活期よりも)野卑でワイルドなアンサンブルを轟かせており、その両者が物凄いテンションでぶつかり合う空間は、伝説の初来日でしかあり得ないカオスなのです。その異様な熱気は全曲でたっぷりと味わえますが、特に強烈な爆発力を見せるのは、開演シーン。映画『ジョーズ(初代!)』のテーマやバッハといった開演BGMが流れる中、「立たないで」「下降りて!」「○○するぞ、この野郎!!」など、警備員の注意と観客の怒号が飛び交うのです。当時の体験談からすると開演と同時にステージに向かってアリーナ最前に向けて人が殺到していったそうですが、その鬼気迫る雰囲気が手に取る様に分かるのです(そのせいか、KISSでは警備が厳格化して立ち上がる事自体が禁止されてしまったそうです)。もちろん、そんな騒然とした雰囲気ではあっても、いざ開演すればAEROSMITHの演奏音こそが主役の座を1ミリも譲らない。最後に、そんなショウの内容も整理しておきましょう。・野獣生誕:Mama Kin/Dream On・飛べ!エアロスミス:S.O.S. (Too Bad)/Lord Of The Thighs/Same Old Song And Dance(★)/Train Kept A Rollin'・闇夜のヘヴィロック:Big Ten Inch Record(★)/Sweet Emotion/Walk This Way/Toys In The Attic・ロックス:Lick And A Promise(★)/Rats In The Cellar(★)/Last Child/Get The Lead Out(★)とにかく、衝撃の新発掘。復活以後に幾度となく来日を繰り返してくれましたが、初来日はムードも演奏もまるで違っていました。その異様な空間を超リアル・サウンドで体験できる秘宝アルバムです。歴史に名高い関係者録音が存在していなかったら永久保存されたであろう銘品。「1977年2月9日:日本武道館」公演の絶品オーディエンス録音。KISSの『BUDOKAN 1977 2ND NIGHT(Zodiac 498)』と同じ録音家によるオリジナル・マスターで、ダビング痕はもちろん経年劣化もまるで感じられないマスター鮮度が絶品で、ウォームな鳴りの隅々まで瑞々しい。出音のせいか演奏音はややダンゴ気味ですが、そのド真ん中を掻き分けるようなスティーヴン・タイラーのヴォーカルは実に鮮やか。開演早々に怒号が飛び交う異様なムードも必聴のヒストリカルな新発掘ライヴアルバムです。Live at Budokan, Tokyo, Japan 9th February 1977 AMAZING SOUND(from Original Masters) (74:29) 1. Introduction ジョーズとバッハ「立たないで」「下降りてー」「○○するぞ、この野郎」何言ってるかわからないが騒然 2. Mama Kin 3. S.O.S. (Too Bad) 4. Lick And A Promise 5. Big Ten Inch Record 6. Sweet Emotion 7. Rats In The Cellar 8. Dream On 9. Lord Of The Thighs 10. Last Child 11. Walk This Way 12. Same Old Song And Dance 13. Train Kept A Rollin' feat. Get The Lead Ou 14. Toys In The Attic Steven Tyler - Vocals, Harmonica Joe Perry - Guitar, Vocals Brad Whitford - Guitar, Vocals Tom Hamilton - Bass Joey Kramer - Drums