DEEP PURPLEが1987年に行った「THE HOUSE OF BLUE LIGHT」ツアーからは関係者流出の優れたサウンドボード音源が数種類リリースされており、それぞれがツアーを代表する音源として認知されてきました。これらの多くは現時点で完売もしくは廃盤ですが、今回はその中でも特に再登場を求められていた指折りの傑作音源に、高音質オーディエンス録音とのハイブリッド・フルリマスターを施し、当日の全長版として新たな生命を吹き込んでの復活リリースが決定しました!かつて登場した「AUTOBAHN」は、ライヴの中盤や後半部分に欠落が見られるものの、「THE HOUSE OF BLUE LIGHT」ツアーにおけるドイツ・ケルン公演の模様をリアルかつ聴き易いライン音源で楽しめると高い評価を受けていました。当初この作品のジャケット表記には元となったテープのステッカーに記されていた「'88年9月25日」という日付をそのままクレジットしていましたが、熱心なファンによる検証、更には演奏内容や既発音源との比較の結果、このライヴの模様は'87年のツアー開始から9公演目に当たる「'87年2月8日」の音源である事が明確になりました。この'87年2月8日の既発音源は「RITCHIE'S DREAM」というタイトルが従来から同日オーディエンス録音の定番として知られています。そこで今回は単にリマスターを行うだけでは無くこのオーディエンス・テイクを用いて欠落部分を補填しました。'87年ケルン公演を収めた音源では初めてとなる"同日の全長版"を実現した本作は、既発に親しんできたファンほど新鮮な喜びと驚きを味わえるはずです!本音源は「AUTOBAHN」としてのリリース当時から、抜群の見通しとシャープな輪郭を持ったクリアさだけで無く、ばっちり分離したメンバーの演奏を事細かに聴き分けられるバランス感覚も優秀、さらに歪みもほとんど感じない上質な素材のコンディションも見事と、音質面はすでに公式ライヴ「NOBODY'S PERFECT」に迫るレベルでしたが、今回は既発以上にノイズ類の除去に務めており、より磨きを掛けられた音の抜けは、関係者録音のサウンドボード音源が持つ凄さをこれ以上ない聴き応えで体感させてくれるでしょう。オープニングの「Highway Star」からメンバー5人が火を吹くような熱気で演奏を織り成し、聴き手をいきなりノックアウトします。ペイスのドラムは続く「Strange Kind Of Woman」でも右から左へと駆け抜けるようなリアルサウンドで収録されており、その存在感は同種の音源と較べても際立っています。「The Unwritten Law」では、ギランが咳き込んでいるのにペイスのカウントでスタートしてしまい、イントロがズレて聴き手をハラハラさせます。それでも直ちに修正して見せる所はさすがPURPLEです。この頃からギランは声の出方が厳しくなっていきますが、この「The Unwritten Law」でも聴ける通り、本音源でもやや荒れた声で無理をして歌いるように感じる場面があります。ライヴ前半は辛そうなのですが、後半に入ると持ち直し、彼らしいユニークな個性を活かしたパフォーマンスを聴かせてくれます。苦しそうなギランとは対照的に、この日はリッチーが上機嫌らしく終始好調なプレイを聴かせてくれます。愛するドイツでのツアーという事もあるのでしょうが、演奏に気持ちが集中した変幻自在のプレイは素晴らしいの一言で、「Dead Or Alive」や「Perfect Strangers」・「Hard Lovin' Woman」の第5期ナンバーは出色のプレイを聴けます。ソロでは随所にドイツ国歌などのアドリブを織り込んで小技を披露するなど、ポジティヴな演奏が観客のムードも高めていたであろう事を容易に想像させます。ディスク1の最後にある「Child In Time」において、元マスターではカットポイントが5分台の中盤と8分台後半の2ヶ所に見られましたが、ここは前述したように「RITCHIE'S DREAM」でのオーディエンス・マスターを用いてシームレスに重ね合わせ、可能な限り自然に聴ける形で補填しています。「RITCHIE'S DREAM」はアナログ時代からマニアの間で「音質・バランス共に聴きやすい」と評価を受けており、それがライン音源に足並みを揃えたリマスターを施された事によって、ライヴの流れを損なわない一定の範囲内で溶け込んでいます。'87年ツアーでも屈指の出来栄えを聴かせる「Difficult To Cure」でスタートするディスク2は、「Knocking At Your Back Door」に「Space Truckin'」と、クライマックスに向けてライヴの見せ場が連発します。この「Space Truckin'」から続くギターソロでは、リッチーのアグレッシブなソロが右左のチャンネルへ鮮やかにパンしながら唸りをあげています。これでさらにモチベーションが高まったのか、後半ではこの時期あまり見られなくなっていたギタークラッシュまで鬼気迫る問答無用の迫力で飛び出しています! 公式ライヴでも楽しめないパートを飛び切りのクリアさで聴けるのは、本音源のような高品位コレクターズ・アイテムならではの強みです!既発「AUTOBAHN」のアンコール部分は、「Black Night」はエンディング近くの後半のみ、さらにラストの「Smoke On The Water」はイントロのみ数秒の収録でしたが、ここもオーディエンス・ソースを用いてフルレンス版を楽しめるように補正しています。またアンコールの1曲目として演奏されていた「Speed King」は、「AUTOBAHN」においては完全に欠落していましたが、ここも同様の作業によってしっかり補填しています。既発の不完全な収録内容にフラストレーションを感じた人も多かったしょうが、ここではラストまで白熱のライヴを全てお楽しみいただけます!長いDEEP PURPLEの歴史にあっても、'87年の「THE HOUSE OF BLUE LIGHT」は作品だけでなくツアーにまでどこかネガティヴな印象が付きまとっていますが、少なくともツアーの前半についてはメンバー間のやり取りもスポンテニアスで、ライヴ全体も充実したものでした。本作はその事実をリアルな音ではっきりと証明する、最上級のマテリアルなのです。最も脂が乗っていた当時の第5期PURPLEが放つ演奏は「円熟とはこういう事を指すのだ」と思わせるほど、黒光りするようなツヤと輝きを放っています!オリジナル・マスターを使用した超高音質ステレオ・サウンドボード Live at Sporthalle, Cologne, Germany 8th February 1987 STEREO SBD(UPGRADED)(from Original Masters) Disc 1 1. Intro. 2. Highway Star 3. Strange Kind Of Woman 4. The Unwritten Law incl. Drum Solo 5. Blues 6. Dead Or Alive 7. Perfect Strangers 8. Hard Lovin' Woman 9. Child In Time Disc 2 1. Difficult To Cure 2. Keyboard Solo 3. Knocking At Your Back Door 4. Lazy 5. Space Truckin' 6. Speed King 7. Black Night 8. Smoke On The Water Ritchie Blackmore - Guitar Ian Gillan - Vocal Roger Glover - Bass Jon Lord - Keyboards Ian Paice - Drums STEREO SOUNDBOARD RECORDING