スティーヴ・ハケット最後となった“WIND & WUTHERING Tour”。名作『SECONDS OUT』を生んだワールド・ツアーを代表する極上サウンドボードがアップグレード。「GRAF ZEPPELIN」マスタリングで磨き上げられた2作品が同時リリース決定です。本作に刻まれているのは、そんな2連作の第一弾。「1977年1月20日サウスハンプトン公演」の超絶級ステレオ・サウンドボード録音です。今週は“WIND & WUTHERING Tour”でも象徴的なサウンドボード2本が同時リリースとなりますし、当店では超名盤『DEFINITIVE ZURICH 1977』も大定番として君臨している。それぞれのポジションを把握する意味でも、まずは当時のスケジュールから振り返ってみましょう。・1月1日ー23日:英国(21公演) ←★ココ★・2月2日ー5月1日:北米(45公演)←※SAN FRANCISCO 1977・5月10日ー22日:南米(12公演)《5月20日『SPOT THE PIGEON』発売》・6月2日ー7月3日:欧州(22公演)←※DEFINITIVE ZURICH 1977《スティーヴ・ハケット脱退》《10月14日『SECONDS OUT』発売》これが1977年のGENESIS。アルバムは1976年12月にリリースされましたが、ツアーは年の改まった1977年の元旦からスタート。手始めに母国イギリスをサーキットしており、本作のサウンスハンプトン公演はその17公演目にあたるコンサートでした。そんなショウは以前から極上サウンドボードが定番中の大定番であり、名作の宿命として長い年月の中でアップグレードも繰り返してきました。その中でも歴代の最高峰マスターが発掘されたのが2009年。当店の『WINDY DAY SOUTHAMPTON(Virtuoso 061/062)』でした。古くから「オフィシャル級」と呼ばれてきたわけですが、さらにダイレクト感が増したマスター・サウンドは「発掘オフィシャル級」から「オフィシャル名盤級」に格上げされたような素晴らしさでした。本作は、そんな歴史を持つ大定番サウンドボードの最高峰更新盤。ショウの現場から45周年というアニバーサリー・イヤーに相応しい新定番なのです。そんな本作のベースとなっているのは、現行ベストとなる『WINDY DAY SOUTHAMPTON』マスター。それを「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで磨き込んだものです。同時リリースの『SAN FRANCISCO 1977 1ST NIGHT』はアップグレード・マスターが発掘されたわけですが、こちらは今なお『WINDY DAY SOUTHAMPTON』マスターが王座を譲らなかったのです。そして、その磨き込みこそが圧倒的。本稿に目を留められた方なら「GRAF ZEPPELIN」リマスターを体験された事があると思いますが、その特徴は「偏執的な精度」。ピッチ修正はランダムな変化も許さず、位相ズレは1/1000秒まで追及して補整。ごくわずかな一瞬のノイズも1つひとつ丁寧に除去し、帯域分析でバランスも整えるのです。実のところ『WINDY DAY SOUTHAMPTON』マスターは「オフィシャル名盤級」なために、「まるで別物」とはなっていないのですが、その精度は間違いなく過去最高。現存するベスト・クオリティを更新しているのです。正直に申しますとあまり実感はできないかも知れませんが、例えばギャップ・ノイズ処理。もし『WINDY DAY SOUTHAMPTON』もお持ちでしたら「Robbery, Assault And Battery」の6:10付近や「Firth Of Fifth」の8:37付近を聴き比べて頂きたい。ただし、スピーカーではなくヘッドフォンでお願いします。集中してやっと分かるような微細なギャップがあり、本作はそれも綺麗に整えられているのです。もちろん、これはあくまでも一例。それも「こんなトコまで!?」と驚いて頂きたいという超些細な例。こうしたポイントが2枚組全体で挙げきれないほど直されているわけです。もう1つ挙げるなら低周波ハム・ノイズも分かりやすいかも知れません。これもアルバム全体に及ぶのですが、従来盤でも気づくのは曲間の無音だけだったかも知れません。本作は、そんな些細なノイズも綺麗に取り除かれている。これにより、演奏パートでも「無音の深み」が増しており、「なぜだか分からないけど、演奏の輪郭がクッキリした気がする」という無意識下のアップグレードにも繋がっているわけです。そんな最高峰サウンドで描かれるのは、『DEFINITIVE ZURICH 1977』とも異なるツアー序盤だからこそのフルショウ。ここで比較しながらセットを整理しておきましょう。トリック・オブ・ザ・テイル・Squonk/Robbery, Assault & Battery/Dance On A Volcano/Los Endos 静寂の嵐 ・One For The Vine(*)/Your Own Special Way(★*)/...In That Quiet Earth(*)/Afterglow/Eleventh Earl Of Mar(*)/All In A Mouse's Night(★*)ガブリエル時代クラシックス・怪奇骨董音楽箱:The Musical Box (Closing Section)・フォックストロット:Supper's Ready・月影の騎士:Firth Of Fifth/I Know What I Like (In Your Wardrobe)・眩惑のブロードウェイ:The Carpet Crawlers/The Lamb Lies Down On Broadway ※注:「*」印は『SECONDS OUT』で聴けない曲。「★」印は後期の代表SBD『DEFINITIVE ZURICH 1977』で聴けない曲。……と、このようになっています。終盤ではセット落ちした「Your Own Special Way」も美味しいですが、それ以上にポイントなのが新曲の「All In A Mouse's Night」。後のツアーで演奏していないどころか、「英国」レッグだけの限定曲。そんな激レア曲を完全オフィシャル級サウンドボードで楽しめるのです。前回盤『WINDY DAY SOUTHAMPTON』が「オフィシャル名盤級」だとするなら、本作は「オフィシャル高音質CD級」と言えるかも知れません。つまり、オフィシャル界隈の名門MSFLやニンバスのような「マスターテープに極限まで迫る」という視点でのアップグレードなのです。オフィシャル名盤に匹敵するほどのサウンドボードだからこそ、追及し得た“極みの音”(リマスター・メモ)REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN 位相修正 Disc1 3Tr 6:10付近、Disc1 5tr 8:37付近ほか5-6箇所ギャップノイズ除去 Disc1出だし4:20秒付近までピッチ低いのを補正 低周波ノイズ除去(主にDisc1)。これで若干ながらスッキリした感じにはなってると思いますが。Disc2アタマモノラルでドロップダウンしてた箇所を別マスターのステレオで差し替え「1977年1月20日サウスハンプトン公演」の超絶級ステレオ・サウンドボード録音。歴代の最高峰マスターをさらに「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングで磨き込んだ最高峰更新盤です。ピッチ修正はランダムな変化も許さず、位相ズレは1/1000秒まで追及して補整し、帯域分析でバランスも整える。ヘッドフォンでないと気づかないような「Robbery, Assault And Battery」「Firth Of Fifth」のギャップノイズも綺麗に整った究極サウンドで、「Your Own Special Way」や激レア「All In A Mouse's Night」も美味しいツアー序盤だけのフルショウを楽しめます。 Live at Gaumont Theatre, Southampton, UK 20th January 1977 STEREO SBD(UPGRADE) Disc 1 (67:43) 1. Squonk 2. One For The Vine 3. Robbery, Assault And Battery 4. Your Own Special Way 5. Firth Of Fifth 6. In That Quiet Earth 7. Afterglow 8. I Know What I Like 9. Eleventh Earl Of Mar Disc 2 (59:45) 1. MC 2. Carpet Crawlers 3. All In A Mouse's Night 4. Supper's Ready 5. Dance On A Volcano 6. Drum Duet 7. Los Endos 8. The Lamb Lies Down On Broadway 9. The Musical Box (Closing Section) STEREO SOUNDBOARD RECORDING Phil Collins - Lead Vocals, Drums, Percussions Steve Hackett - Guitars, Bass Pedal Mike Rutherford - Bass, Guitars, Bass Pedal, Backing Vocals Tony Banks - Keyboards, Backing Vocals Chester Thompson - Drums, Percussion