【S.ウィンウッドとのジョイント、2010年アップデート・ツアーバージョンの決定版が登場!】イギリス在住の重鎮テーパーからもたらされた秘蔵DATマスターをリリース致します。彼が送ってきたもう一つのマスターに収録されていた音源は、2010年5月21日、ロンドン、ウェンブレー・アリーナでのスティーヴ・ウィンウッドとのジョイントコンサートを超高音質ステレオ・オーディエンス録音で完全収録したものでした。これもまた彼自身が録音を敢行したもので、良質なサウンドボード録音に優るとも劣らぬ極上音質でした。従いまして、このマスターについても、音質そのものについては当店のエンジニアの出る幕はありませんでした。当店では以前に「2 NIGHTS AT WEMBLEY(4CDR)」というタイトルでこの日の音源をリリースしていますが、今回の重鎮テーパーのマスターはそれを遥かに超える超高音質でした。ただ、唯一の欠点は、レギュラーセット、フィナーレのCocaineにおいて、盛り上がった周りのオーディエンスが総立ちになったため、音像がやや不安定になる箇所を含んでいることでしたが、この部分のみ当店のエンジニアが極力違和感を緩和する修正を行ないました。その結果、堂々のプレス盤リリースとなったわけです。この日はツアー開始から3日目、そしてロンドン連続公演の2日目&最終日に当たっており、耳の肥えた地元のロックファンが最も注目したコンサートだったようです。クラプトンとウィンウッドは、2007年のウィンウッドのコンサートでのクラプトンの飛入り共演をきっかけとして、翌2008年のニューヨークにてジョイントコンサートを行ない、それはオフィシャル作品としてCDとDVDがリリースされました。この2010年ツアーでは、その時とはバンドメンバーもセットリストも変化し、二人のコンビネーションもより高まった形で行なわれただけに、「アップデート版」のジョイントコンサートだったと言ってもいいでしょう。本作は2010年ツアーの新たな決定版と言っても過言ではない、素晴らしい音質、内容の一作です。【ツアー序盤、アップデートされた魅力的なセットリストと地元ファンを沸かせた磐石のパフォーマンス】ウィンウッドとのツアーと言うと、2008年、2009年を別とすれば、ブラインド・フェイス時代の1969年以来のものでした。元々ブラインド・フェイス解散の原因は二人の不仲ではなかったので、ずっと交友関係を続けてきた二人が、イギリスを代表するソロアーティストとして、共にグラミー受賞の実績を誇るスーパースターのキャリアを築いたこの時点で旧交を温めることは、ある意味自然な流れだったと言えます。しかしながら、長年のファンの方が驚喜したのです。実質的にはブラインド・フェイスの再結成に等しかったため、かつてのレパートリーをどんな風に演奏してくれるのか?、二人それぞれのソロヒットナンバーは演奏されるのか?2008年にジョイントコンサートの開催が報じられると、ファンはワクワクドキドキしたものです。オフィシャル作品で鑑賞できたように、二人のプレイはまったく衰えを見せず、むしろブラインド・フェイス時代よりも演奏は巧みになっていました。それを楽しんだ二人は2009年にはアメリカ、そして2010年にはヨーロッパ、と「ツアー」という形で長期公演を実現したのです。ではここで、この年のクラプトンの活動状況をここでおさらいしておきましょう。・2月13日、14日:ロンドン、O2アリーナにてジェフ・ベックとのジョイントコンサート開催 ・2月16日:ニューヨーク、BAMハワード・ギルマン・オペラ・ハウスにて「プラスティック・オノ・バンド40周年記念コンサート」に出演。オノ・ヨーコ、ショーン・レノンと共演・2月18日~2月22日:ジェフ・ベックとの短期アメリカン・ツアー・2月25日~3月13日:自身のバンドでのアメリカン・ツアー ・5月18日~6月13日:スティーヴ・ウィンウッドとのジョイント・ヨーロッパ・ツアー ←★ここ★・6月26日:第3回クロスロード・ギター・フェスティバルをイリノイ州、トヨタパークにて開催・6月28日~7月3日:自身のバンドでの短期アメリカン・ツアー<<9月27日:アルバム「CLAPTON」リリース>> ・10月23日:ニューヨーク、聖ジョン・ザ・ディヴァイン教会にてクリントン元アメリカ大統領の基金のためのチャリティ・コンサート出演・11月2日:ロンドン、BBCスタジオにて音楽ライブ番組「レイター・ウィズ・ジュールズ・ホーランド」出演・11月17日:ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールにて開催された「プリンシズ・トラスト」コンサートに出演・12月31日:イギリス、サリー州ウォーキングにて恒例の「ニュー・イヤーズ・イヴ・ダンス」開催 こうして見ますと、クラプトンはウィンウッドとのツアーのみならず、年初からはジェフ・ベックともジョイントツアーを行い、数々のイベントにも出演しながら、自身が主催する「クロスロード・ギター・フェスティバル」も開催するほか、スタジオ・レコーディングのアルバムも制作するなど、非常に多忙だったことが分かります。逆に言えば、それほどクラプトンは仕事に燃えていたのです。そしてここに挙げたすべての活動でクラプトンは成功を収めました。当時のクラプトンは65歳のシニア世代に達していましたが、そのバイタリティは衰えることなどなかったことが分かります。そんな中、実施されたウィンウッドとのヨーロッパ・ツアーでは、前年のアメリカン・ツアーからセットリストが変更されていたことがファンを喜ばせました。驚くのは、ザ・バンドのThe Shape I'm Inをセットインさせたことで、これは86年に自殺してしまったリチャード・マニュエルに捧げる意味があったと思われます。あれから24年経ってもクラプトンは親友だったマニュエルへの想いを抱き続けていたのですね。さらにはウィンウッドのMidland Maniac、ジェフ・ベックのお気に入りナンバーGoing Downといった曲が新たに加わりました。このツアーの前にはベックとのジョイント・ツアーを行なったクラプトンとすれば、後者はひょっとしてベックへのオマージュからセットインさせたのかもしれません。その他は基本的に前年ツアーのセットリストを踏襲していましたが、中でもHad To Cry Today、Presence Of The Lord、Well Alright、Can't Find My Way Homeといったブラインド・フェイス時代のナンバーの完成度には目を見張るものがあり、さらには二人共通の友人だったジミ・ヘンに捧げたVoodoo Chileでのウィンウッドのオルガンプレイ、クラプトンのギタープレイの凄まじさは言語を絶するレベルです。クラプトンのヒット曲でのウィンウッドの役割の確認も楽しいです。特にクラプトンファンには人気の高いヒット曲Forever Manでのボーカルとキーボードは、まさに彼にはまっていると言えますし、彼のアコースティックギターソロが聴けるLaylaも乙なものです。さらにCocaineのセカンドソロも弾いていて、これがまた素晴らしい!逆にウィンウッドのヒット曲でのクラプトンの役割の確認もまた楽し。これは元よりセッションプレイを得意としているクラプトンだけに、的確と言うほかはないようなプレイが聴けます。中でもウィンウッドのGeorgia On My Mindでのギターソロは絶品!この曲はリチャード・マニュエルもレパートリーにしていましたから、クラプトンは彼のテイクにも思いを馳せて弾いていたかもしれません。また、彼のトラフィック時代のナンバーGladでは、かつてクリス・ウッドがサックスで奏でていたメインフレーズをクラプトンがギターで弾くというアレンジになっているのも興味を引くところでしょう。何と言ってもアンコールのDear Mr. Fantasyでの怒涛のロングソロにトドメを刺しますが。どの曲も、二人の年齢とキャリアが加わったことで磐石の出来栄えを見せ、彼ら自身も楽しそうにプレイしている様子が伝わってきます。【スティーヴ・ガッドのドラムで聴ける各曲の魅力】2008年のジョイントでは、ドラムはイアン・トーマス(現マーク・ノップラー・バンド)でした。2009年アメリカン・ツアーのドラムはエイブ・ラボリアル・ジュニア(現ポール・マッカートニー・バンド)でした。そしてこの2010年ヨーロッパ・ツアーでは、クラプトンと最も絆が固い、ジャズ出身のテクニシャン、スティーヴ・ガッドが務めました。ドラマーが代わると、同じセットリストでも印象が変わるのは、83年アメリカン・ツアーのロジャー・ホーキンスと途中起用されたジェイミー・オールデイカーの例でも明らかです。このツアーでガッドがドラムを叩いたことで、興味の対象は以下の3点に絞られました。いつもサポートしているクラプトンの楽曲は別として、?ブラインド・フェイスのレパートリーにおいて、オリジナルのジンジャー・ベイカーとはどうニュアンスが違ったのか??トラフィックを含むウィンウッドのレパートリーをどう叩いていたのか??クラプトンが90年以降セットに組んでおらず、ガッドも叩いたことのないForever Manや彼にとっては意外なジミヘン・ナンバーVoodoo Chileといった曲では、どのように叩いたのか?そしてそれらは楽曲にマッチしていたのか?前年、前々年のドラマーと比べてどうだったのか?です。端からハードルが高いことを承知の上で、クラプトンの要請に応えたスティーヴ・ガッド。これら気になる点の答えは・・・・・・・・そこまで全部述べてしまうと、せっかく鑑賞していただく上での楽しみがなくなってしまいますよね。ここは是非皆さんの耳でお確かめいただきたいと思います。期待を裏切らない素晴らしいパフォーマンスだとだけ申しておきましょう。2010年5月21日、S.ウィンウッドとE.クラプトンの地元、ロンドンのオーディエンスを大満足させた、二人のジョイント・ヨーロッパ・ツアーの決定版と断言できる、素晴らしいパフォーマンスを超高音質で完全収録した一作です。既発「2 NIGHTS AT WEMBLEY」を遥かに上回る初登場の極上音質マスターです。Live at Wembley Arena, London, UK 21st May 2010 TRULY PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1 (66:30) 1. Had To Cry Today 2. Low Down 3. After Midnight 4. Presence Of The Lord 5. The Shape I'm In 6. Glad 7. Well Alright 8. Tuff Luck 9. Pearly Queen 10. Forever Man 11. Midland Maniac 12. Going Down 13. Georgia On My Mind Disc 2 (62:43) 1. Drifting Blues 2. How Long 3. Layla 4. Can't Find My Way Home 5. Split Decision 6. Voodoo Chile 7. Cocaine 8. Dear Mr. Fantasy Eric Clapton : Guitar & Vocal Steve Winwood : Keyboards, Guitar & Vocal Chris Stainton : Keyboards Willie Weeks : Bass Steve Gadd : Drums Michelle John : Backing Vocal Sharon White : Backing Vocal