1972年、イギリス、日本、アメリカと大規模なスケールで「未完成狂気」ツアーを行ったフロイドが同年5月に単発的に行ったヨーロッパ・ツアーより、5月22日にオランダで行われたロック・フェスティバル「アムステルダム・ロック・サーカス」でのショウを、高音質オーディエンス録音で収録したマニア待望のタイトルが初登場です。テープの存在は知られていましたが、音盤化されるのは初めてで、多くのファンは初めて接するだろう貴重な音源です。この前日のドイツは5月21日公演(DOUBLE BUBBLEで音盤化済)同様に、この日もあえて72年お馴染みの「狂気」を演奏せず、「原子心母」「One Of These Days」「ユージン」「エコーズ」「神秘」というクラシック・ナンバーを野外の観衆の前で披露しています。当時の平均レベルのオーディエンス録音ですが、音像は安定しており、熱心なコレクターの方々には間違いなくご満足頂ける事と思います。Echoesのエンディングのカットが残念ですが、一気に聴きとおせるクオリティはもっており、またセット自体が珍しいのでマニアには嬉しいタイトルと言えるのではないでしょうか。またボーナスディスクとして、「神秘」1曲のみですが同日のカラーライブ映像がDVDとして付いています。現地のローカルテレビがフェスティバルのダイジェスト映像として放送したもの、との噂もありますが、1972年のオーディエンス映像としてはかなり高品質なフィルム映像です。冒頭、派手なトラッキング・ノイズがあったり、音のよれるシーンや一瞬音が抜ける箇所もありますが、全体的にクオリティは上々で、音と画面も完璧にシンクロしているのでストレス無く映像を楽しむことができます。ただし、かなり暗めの映像のためか、ELPの「展覧会の絵」ビデオのような時代を感じさせる画面処理が施されており(あそこまでトンチンカンではないですが)、初めて見た時は興ざめするかもしれません。(後半は「2001年宇宙の旅」の最後みたいになってしまいます。)しかしながら、一般レベルのフィルムカメラとは思えない遠方からの高度なズームイン、また、炎に包まれる銅鑼のシーンやメンバーのシルエットなどは大変美しく収録されており、たった9分ながらマニア必見の映像となっています。Live at Olympic Stadium, Amsterdam, Netherlands 22nd May 1972 1. Atom Heart Mother 2. One Of These Days 3. Careful With That Axe, Eugene 4. Echoes 5. Saucerful Of Secrets DVD Filmed at Olympic Stadium, Amsterdam, Netherlands 22nd May 1972 Saucerful Of Secrets