ブレイクスルーに伴って極上サウンドボードが量産された“WAR Tour”。そのコレクションを一層充実させるサウンドボード・アルバムがリリース決定です。そんな本作に記録されているのは「1983年8月20日ザンクト・ゴアールスハウゼン公演」。西ドイツの音楽祭“ローレライ・フェスティバル”に出演した際のステレオサウンドボード録音です。“WAR Tour”と言えば、最近になって過去最高峰を更新するマスターが次々と発掘。名盤『HAMMERSMITH PALAIS 1982』『TIFFANY'S 1983』が大好評を博しており、更に最高傑作『BOSTON 1983 2ND NIGHT』決定。まさに大豊作地帯となっています。しかし本作のローレライ公演は、そのどれとも微妙に時期が異なる。それを理解するためにも、まずは“WAR Tour”の全体像から振り返ってみましょう。1982年《9月ー10月『WAR』制作》・12月1日ー24日:欧州#1(20公演)←※HAMMERSMITH PALAIS 1982 1983年《2月28日『WAR』発売》・2月26日ー4月3日:欧州#2(29公演)←※TIFFANY'S 1983・4月23日ー6月29日:北米(48公演)←※BOSTON 1983 2ND NIGHT・7月2日ー8月21日:欧州#3(5公演)←★ココ★・11月16日ー30日:ハワイ/日本(7公演)これが『WAR』時代のU2。本作のローレライ公演は、その終盤。伝説の初来日の約3ヶ月前となる「欧州#3」の4公演目にあたるステージでした。上記をご覧の通り3種の名盤がすべて異なるレッグなのがご理解頂けると思いますが、実は本作も違うレッグ。つまり、プレス3タイトルに本作を加える事で海外4レッグをサウンドボードで味わえるわけです。また、このショウは名物番組“ROCKPALAST”で放送された事でも知られ、そのプロショットが定番ともなってきました。本作も同じ放送サウンドボードであり、その最高峰マスターからCD化されたもの。海外のU2研究家が選定したマスターでして、その研究家こそ3タイトルのマスターを提供してくださった人物なのです。さすがに元がTV放送だけに3タイトルのような「オフィシャル名盤級」と喧伝するわけにも行きませんが、「発掘オフィシャル級」なら十分に言える。明らかに卓直結で生々しさ丸出しのミックスはFMサウンドボードとは一線を画し、生演奏と全身が一体となるシンクロ感も絶大なのです。そんな超ダイレクト・サウンドで描かれるのは、他レッグとは異なるショウ。CD1枚物だけに放送枠に沿って抜粋されている……かと思いきや、実はこれでフルセット。フェス出演のため、現場でもコンパクトに絞り込んだステージだったのです。ここでその内容を整理しておきましょう。ボーイ(6曲+α)・Out of Control(*)/Twilight(*★)/An Cat Dubh(★)/Into the Heart(★)/The Cry-The Electric Co./I Will Follow(★)WAR(闘)(6曲)・Surrender(★)/Two Hearts Beat As One(*)/Seconds(*)/Sunday Bloody Sunday/New Year's Day/"40"(*★)アイリッシュ・オクトーバー(1曲)・Gloria ※注:「*」印は『HAMMERSMITH PALAIS 1982』、「★」印は『TIFFANY'S 1983』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。さすがにフルスケール・ショウを完全収録した2枚組『BOSTON 1983 2ND NIGHT』には及びませんが、編集放送だった『HAMMERSMITH PALAIS 1982』『TIFFANY'S 1983』よりも遙かに自然。そして、演奏も熱い。大規模なワールド・ツアーを経たことでアンサンブルは急速に進化しており、全世界で歓待された自信も漲っている。さらにミニツアー特有のの思い切りの良さが気持ちよく、フェスだけに対バンをねじ伏せようという勢いも素晴らしい。ショートセットだからこその途切れない集中力で駆け抜けるライヴなのです。場数を踏むほどにバンドとして熟達し、世界を魅了していった“WAR Tour”。本作は、そのサウンドボード・コレクションに欠かせない「ツアー終盤篇」です。もちろん名盤3タイトル『HAMMERSMITH PALAIS 1982』『TIFFANY'S 1983』『BOSTON 1983 2ND NIGHT』こそが必聴には違いませんが、本作を加える事でワールド・ツアーを辿る事もできる。研究家マスターで綴るサウンドボード・ワールドツアー。初来日直前のフェス出演を楽しめるサウンドボード・アルバムがリリース。海外のU2研究家が厳選した最高峰マスターで、ショートセットだからこそ“WAR Tour”の勢いを濃縮したようなフルショウが脳みそに直接流し込まれます。 Live at Loreley Amphitheater, St. Goarshausen, Germany 20th August 1983 STEREO SBD(UPGRADE) (60:17) 01. Out Of Control 02. Twilight 03. An Cat Dubh 04. Into The Heart 05. Surrender 06. Two Hearts Beat As One 07. Seconds 08. Sunday Bloody Sunday 09. The Cry / The Electric Co. 10. Gloria 11. New Year's Day 12. I Will Follow 13. "40" STEREO SOUNDBOARD RECORDING