ザ・フーにとって因縁の地シンシナティでの大熱演を極上音質にて捉えたオーディエンス・アルバム「CINCINNATI 2022」で演奏面と音質面の両方で一つの到達点を迎えたかに思えた彼らの最新「HITS BACK」ツアーですが、演奏面の大充実ぶりはもちろん、オーディエンス録音のクオリティ争いがさらに激化。大好評いただいているシンシナティから三日後、今度はボストンでの文字通りゴキゲンなライブを収録したスーパー・オーディエンスの登場です。これまでリリースされてきた「OKLAHMA CITY 2022」、先のシンシナティなどにおいてもロジャー・ダルトリーの声の近さが際立っており、それがツアーの出音の良好さを伝えてくれていたものですが、今回の彼の音像ときたら…いよいよサウンドボード・レベルの迫力。それだけではありません、これまでのリリース群をも上回る高音質ぶり、それはバンド全体が鳴らすサウンドの深みや音の厚みが今回は際立っており、掛け値なしに「HITS BACK」ツアー・トップだと断言できるハイクオリティ・オーディエンス!それにこの日のショーですが、シンシナティがハイテンション・ショーだとすると、ここでは実に和やかでゴキゲンな雰囲気。それもそのはず、翌日にピート・タウンゼントの誕生日を控えていたから。実際、客席からは「happy birthday」の掛け声が飛び交うほど。何しろ極上オーディエンスですので、この和やかな臨場感もリアルに伝わってくる。当然ピートもゴキゲン。そして演奏が抜群にイイ。既に連日のステージで素晴らしい演奏を繰り広げられてきた「The Seeker」など、もはや1970年の絶頂期フーそのものではないか?と錯覚しそうになるほど激しい演奏が繰り広げられている。それが高齢のロジャーとピートによって披露されているのだから、なおさら驚きを禁じえません。また「TOMMY」パートと「QUADROPHENIA」パートそれぞれでのオーケストラとの絡みも極上音質ゆえに圧巻の迫力。ピートやロジャーだけでなく、オーケストラもまた本領をいかんなく発揮できるようになったのだと痛感させられます。最初に申しましたように、この日はピートの誕生日の前日。それだけにシンシナティ以上にピートがハッスルしている様子を素晴らしい音質で捉えてくれているのも今回の音源の大きな魅力となっているのですが、何と言っても極めつけは「Baba O'Riley」。ここではピートが誕生日お祝いモードの客席に向かってお礼を述べた瞬間に同曲のイントロが鳴りだすという絶妙なタイミング。そこだけでも鳥肌モノな場面なのですが、さらに同曲が終わると今度は感謝のMCを放ったロジャーがピートに向けて「Happy Birthday」を歌ってあげるという、最高に感動的なフィナーレ。演奏内容も登場音源のクオリティもどんどん良くなってる最新「HITS BACK」ツアーですが、いよいよ別格なクオリティを誇るオーディエンス・アルバムの登場です。おまけにピートの誕生祝いショーときた! TD Garden, Boston, MA, USA 18th May 2022 ULTIMATE SOUND 今のところツアー・ベスト Disc 1(71:07) 1. Intro 2. Overture 3. 1921 4. Amazing Journey 5. Sparks 6. Pinball Wizard 7. We're Not Gonna Take It 8. Who Are You 9. Eminence Front 10. Ball and Chain 11. Join Together Band Only: 12 The Seeker 13 You Better You Bet 14 Relay Disc 2(56:10) 1 Won't Get Fooled Again With Orchestra: 2. Behind Blue Eyes 3. The Real Me 4. I'm One 5. 5:15 6. The Rock 7. Love, Reign O'er Me 8. Baba O'Riley 9. Outro MC 10. Happy Birthday to You, Pete Roger Daltrey - Vocals Pete Townshend - Guitar, vocals Simon Townshend - Guitar, vocals Loren Gold - Keyboards Emily Marshall - Keyboards Jon Button - Bass Zak Starkey - Drums Billy Nicholls - Backing vocals Keith Levenson - Orchestra conductor Katie Jacoby - First violin Audrey Snyder - First Cello