まるで生涯現役を貫くかの如く今年もツアーを始めたボブ・ディラン。その最新ライブ音源を極上オーディエンスにて最速リリース。今年のツアーは3月のレグから「ALBUQUERQUE 2022」が大好評発売中なのですが、4月に一か月半のオフを挟んで5月28日のスポーケンから再開。今回は同公演を最速リリースする訳ですが、元になったオーディエンス録音の音質が素晴らしい。音像が近いのはもちろん、全体を通して非常にしっとりとした聞き心地が絶品なのです。セットリスト自体は3月や4月のそれと全く同じ構成なのですが、演奏が進化しているのがディランらしいところ。特に往年のナンバーは軽快さが増しており、例えば「Most Likely You Go Your Way (and I’ll Go Mine)」や「To Be Alone With You」といった曲の演奏における軽やかさが春のツアーの時よりもマシマシな雰囲気。それ以上に驚かされるのが、このショーの四日前に81歳の誕生日を迎えたディランの衰え知らずな絶好調ぶり。80歳を超えてもなお縦横無尽にピアノを弾いたかと思えば、どのレパートリーもじっくりと歌いあげる。さらには合間でちょっとしたコメントを発するなど余裕たっぷり。もはや50年にも及ぶキャリアを歩んできた60年代の偉人が、2022年もこれほどまで足腰しなやかにステージに立ち続けることなど、誰が予想できたでしょうか?昨年からクロージング・ナンバーの座を射止めた「Every Grain of Sand」の歌いっぷりなど、それこそ昨年から進化しているのはもちろん、とにかく力強い。今年二回目のツアーの初日でありながら、既にエンジンは全開。昨年のコロナ禍でのツアー再開から三回目のツアー日程を当たり前のようにこなそうとしているディラン。それでいて音質が非常に良いオーディエンス録音です、そこから80歳を超えたとは到底信じがたいほど快活に歌い上げる姿が伝わってくる様は驚きを禁じえません。そんなディランを支えるバックの演奏も盤石。先に申し上げたような軽やかな勢いというのもバンド自体がステージを楽しんでいるからに他ならない。1960年代の盟友であるポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズ、そしてザ・フーも今年に入って活発にツアーを行っていますが、そうした中でもリーダーたるディラン。自分の体が動く限りはツアーに立ち続ける…そんな宣言ともとれる、相変わらの力強いステージぶりと進化し続けるライブサウンドを極上音質で伝えてくれる最新のオーディエンス・アルバム! Disc 1(54:48) 1. Intro 2. Watching The River Flow 3. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine) 4. I Contain Multitudes 5. False Prophet 6. When I Paint My Masterpiece 7. Black Rider 8. I'll Be Your Baby Tonight 9. My Own Version of You 10. Crossing The Rubicon 11. To Be Alone With You Disc 2(41:58) 1. Key West (Philosopher Pirate) 2. Gotta Serve Somebody 3. I've Made Up My Mind To Give Myself To You 4. Melancholy Mood 5. Mother of Muses 6. Goodbye Jimmy Reed 7. Band Introductions 8. Every Grain of Sand