ブルース・ディッキンソンを迎え、今まさに大名盤『魔力の刻印』を生み出そうとしていた1981年のIRON MAIDEN。そのウォームアップ・ギグを極上体験できるライヴアルバムが登場です。【ブルース加入直後のクラブ・ギグ】そんな本作に刻まれているのは「1981年12月23日ラスキン・アームズ公演」。変名バンド「GENGHIS KHAN」を名乗って行われたシークレット・ギグの超極上オーディエンス録音です。1981年はIRON MAIDEN史上最大のターニング・ポイントである「ポール・ディアノ→ブルース・ディッキンソン」の交代劇がありました。しかし、ブルースが加入してすぐ『魔力の刻印』を作ったわけではなく、その前にウォームアップ的なミニ・ツアーやクラブ・ギグを実施。互いの相性やアンサンブルを十分に練り込んでいきました。本作が記録されているのは、そんな「3rdアルバム直前」の刹那なのです。まずは、その状況をスケジュールから振り返ってみましょう。1981年《9月:ディアノ解雇→ディッキンソン加入》・10月26日ー30日:イタリア(5公演)←※KILLER TOUR WITH DICKINSON《『魔力の刻印』作曲開始》・11月15日:レインボー・シアター公演・12月23日:ラスキン・アームズ公演 ←★本作★ 1982年・2月25日ー3月20日:英国#1(20公演)←※BEAST OVER ENGLAND《3月22日『魔力の刻印』発売》・3月22日ー5月1日:欧州(35公演)・5月11日ー8月22日:北米#1(72公演)←※BEAST OVER PALLADIUM・8月25日ー28日:英国#2(3公演)←※BEAST OVER ENGLAND・9月1日ー10月23日:北米#2(38公演)・11月7日ー21日:豪州(10公演)・11月26日ー12月10日:日本(10公演)これがブルース加入から『魔力の刻印』にまつわる活動全景。加入直後には“Killer World Tour”の一環としてイタリアでミニ・ツアーを実施(その模様は『KILLER TOUR WITH DICKINSON』でお楽しみ頂けます)。その後に『魔力の刻印』の作曲を開始。新曲を観客の前で試すため、2回のシークレット・ギグを行いました。本作のラスキン・アームズ公演は、そんなシークレット・ギグ。1981年最後のショウでした。ちなみに、ラスキン・アームズのIRON MAIDENの初期を象徴する会場でもありました。彼らの最多ライヴ記録はセミプロ時代のカート&ホーセズ(36回)なのですが、その次に多いのがラスキン(25回)。しかし、この2会場は世界的なバンドが出演するには小さすぎる。カート&ホーセズはデビューを前にライヴを行わなくなっており、ラスキンでは本作が最後。つまり、本作は「ブルース加入」という新章の始まりであり、「地元ラスキン」という前章の締めくくりでもあったのです。【極上の密室サウンドがブラッシュ・アップ】そんなターニング・ポイントを真空パックした本作は、ド級の密着感が熱いクラブ・サウンド。従来から知られる名録音の1stジェネ・マスターで、リアルな熱狂も吸い込んだオーディエンス録音には違いないものの、芯の極太感もディテールの細やかさも下手なFM放送より凄い。そして何より間近感。音色的に空間録音なのは分かるものの、目の前にいる5人の生演奏がタイムラグもなく突っ込んでくる。その図々しいまでの突撃感は、まさにクラブだけの密室感なのです。しかも、本作はそんな名録音の最高峰を更新した究極盤。実のところ、録音自体は従来から知られており、特に当店の『SECRET GIG 1981』はベスト・マスターとして大好評を賜りました。本作は、そんなベスト・マスターをブラッシュ・アップ。もちろん、無闇矢鱈な音圧稼ぎなどはしておりません。改めてピッチや位相を整えた上で帯域分析やステレオ感を補整。あくまで「現場出音の再現」と「音楽作品としての完成度」を追及した結果、ヌケの良さをキープしつつ低音の迫力も増強したサウンドが実現したのです。そんな密室サウンドで描かれるのは、初期ならではの濃厚なフルステージ。「ブルース/クライブ・バー」時代と言えば、公式サウンドボードを復刻した『BEAST OVER ENGLAND』が頂点作。ここで比較しながら整理してみましょう。鋼鉄の処女(7曲)・Sanctuary/Remember Tomorrow(★)/Running Free/Phantom Of The Opera/Iron Maiden/Transylvania/Prowler キラーズ(6曲)・Wrathchild/Genghis Khan(★)/Killers/Another Life/Murders In The Rue Morgue/Drifter 魔力の刻印(2曲)・Run To The Hills/The Prisoner ※注:「★」印はサウンドボード名盤『BEAST OVER ENGLAND』で聴けない曲。……と、このようになっています。“Killer World Tour”を土台としつつ、そこに新曲「Run To The Hills」「The Prisoner」を織り交ぜたスタイル。もちろん、この2曲は全世界初演です。一方クラシックスで美味しいのは「Remember Tomorrow」。何しろ、本作を最後に演奏しなくなり、エイドリアン脱退時代の1993年まで封印されてしまう。その貴重曲を野獣時代のブルースの絶唱で楽しめるのです。この日にはもう1つのスペシャルが。冒頭でもブルースが「All Right, Happy Christmas!」と挨拶しますが、ショウ終盤の「Iron Maiden」の後でも、この日25歳の誕生日を迎えたデイヴ・マーレイを祝うバースデイ・ソングの合唱が起こる。まさに“12月23日”でしかあり得ない、ラスキン・アームズだからこそのお祝いムードがたっぷりと味わえるのです。しかも、ここでよーく耳を澄ますと、日本語で「おめでとー」と言ってる声が!? 英語の空耳なのか、まさ観客に日本人がいたとか!?最高傑作論争では必ず最重要候補に挙がる『魔力の刻印』。あの大名盤を創り上げたバンド・ポテンシャルが充満するクラブに立ち会える奇跡のライヴアルバムです。誰もが望む現場を最高峰更新サウンドで本生100%体験できる1枚。ブルース・ディッキンソン加入直後のシークレット・ギグ「1981年12月23日ラスキン・アームズ公演」の超極上オーディエンス録音。名録音のベスト・マスターを細心マスタリングで磨き上げた最高峰更新盤で、ド級の密着感が熱い。芯の極太感もディテールの細やかさも下手なFM放送より素晴らしく、目の前にいる5人の生演奏がタイムラグもなく突っ込んでくる間近感も強烈。全世界初演の「Run To The Hills」「The Prisoner」や若きブルースの絶唱が映える「Remember Tomorrow」も美味しいクラブ・ギグを極上サウンドでフル体験できます。Ruskin Arms, London, UK 23rd December 1981 TRULY PERFECT SOUND(UPGRADE) (77:29) 1. Sanctuary 2. Wrathchild 3. Run To The Hills 4. Remember Tomorrow 5. Genghis Khan 6. Killers 7. Another Life 8. The Prisoner 9. Running Free 10. Murders In The Rue Morgue 11. Phantom Of The Opera 12. Iron Maiden 13. Happy Birthday Dave 14. Transylvania 15. Drifter 16. Prowler Bruce Dickinson - Vocals Steve Harris - Bass Dave Murray - Guitar Adrian Smith - Guitar Clive Burr - Drums