大名盤『黒い安息日』でヘヴィ・ミュージックの歴史を変えた1970年のBLACK SABBATH。その現場を伝える伝説の名録音が完全版にアップグレード。「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングCDで登場です。そんな本作に刻まれているのは「1970年6月26日ベルリン公演」の放送音源。かの名盤『BERLIN 1970』のブラッシュアップ・アルバムです。今回は長さもサウンドもアップグレードしているわけですが、その気になる内容の前にまずはショウのポジション。1970年と言えば、2大名盤『黒い安息日』『パラノイド』を矢継ぎ早に発表し、ほとんど休みなしにツアーにも明け暮れていたスタート・ダッシュ時代。そんな黎明の歩みから振り返ってみましょう。《1月9日シングル『Evil Woman』発売》・1月13日ー2月13日:英国(6公演)《2月13日『黒い安息日』発売》・3月4日ー6月15日:欧州#1(69公演)《6月16日ー21日『パラノイド』制作》・6月21日ー10月26日:欧州#2(46公演)←★ココ★・10月30日ー11月28日:北米(31公演)・12月5日ー19日:欧州#3(6公演)これが革命の1970年。当時のデータには現在でもあやふや点が残っており、上記も公演数などの細部は正確とは限りません。しかし、大まかな流れはご理解頂けると思います。そんな中で本作のベルリン公演は『パラノイド』制作直後となる「欧州#2」の序盤でした。では“PARANOID Tour”かと言うと、そうカンタンな話でもない。この「欧州#2」からは象徴作『DEFINITIVE MONTREUX 1970』『BRUSSELS 1970』も残されていますので、さらに詳しくズームしてみましょう。欧州#2の詳細・6月21日ー25日(3公演)・6月26日:ベルリン公演 ←★本作★・6月27日ー8月25日(18公演)・8月31日『DEFINITIVE MONTREUX 1970』・9月11日ー15日(4公演)《9月18日『PARANOID』発売》・9月20日ー10月2日(10公演)・10月3日『BRUSSELS 1970』・10月16日ー26日(8公演)モントルー/ブリュッセルに次ぐ、第三の名録音 以上が歴史的名作を大量に生み出した「欧州#2」。一般に“BLACK SABBATH Tour”とされるのは『DEFINITIVE MONTREUX 1970』の“8月31日”までで、本作はその約2ヶ月前にあたるコンサートでした。そんなベルリン公演はTV収録されたとも言われるショウ。映像などは発見されていないのですが、実在したとされる根拠が2つ。1つは名著『HOW BLACK WAS OUR SABBATH』に撮影があったという記述。もう1つが放送されたという実際の名録音。そう、本作はその放送音源の最高峰盤なのです!このショウは録音事情が混沌としている事でも知られる。録音違いにジェネ違いが乱立し、そもそもライヴ自体がプラント公演やキール公演、フィルモア公演などと誤って流通。他公演との混ぜ物盤まで存在する始末です。それらすべてを解説するわけにもいきませんのでバッサリ省略しますと、語るに足る記録は2つ。「A:短めの放送音源」と「B:最長のフル・オーディエンス録音」に絞られます。人気を博した名盤『BERLIN 1970』は「A」をストレートに永久保存したものでしたが、本作は「A」をベースにしてカット分を「B」で補完。さらに「GRAF ZEPPELIN」マスタリグで磨き込んで最長・最高峰を更新したものなのです。「精密ノイズ処理」と「全長化」による大幅アップグレード そのクオリティは圧倒的。「A」は伝説LP『LIVE AT PLUMPTON』の初回プレス盤なのですが、従来盤『BERLIN 1970』と比べても格段のアップグレードしている。その最大要員は大幅なノイズ軽減。低音の「ブーン」というハムノイや左右のチャンネルから紛れていたプチプチとしたノイズもほとんどなくなっている。特に後者のノイズはこれまで「除去不能。無理に削れば演奏音も変質する」と言われていたものなのですが、「GRAF ZEPPELIN」マスタリングで綺麗に取り除かれている(具体的な作業はあまりに専門的すぎるので文字にしにくいのですが、モノラル録音だからこそ可能な処理法なのだそうです)。そのサウンド調整に加え、本作はフル・ライヴアルバム化も敢行。『LIVE AT PLUMPTON』では狂っていた「N.I.B.」の位置を実際のショウ通りに直し、さらにカットされていた2曲「Fairies Wear Boots」「Wicked World」も「B」マスターから追加収録。当日の全曲が聴けるのです(そもそもメインの放送音源も録音放送はマイクであり、オーディエンス録音とも親和性が高いのです)。そして、そんなライヴ本編の後には前回盤『BERLIN 1970』と同じく、当時のラジオCM2種もボーナス収録しています。1つは1970年イギリスで放送された『黒い安息日』のコマーシャル、もう1つは1970年秋の全米ツアー(上記の「北米」レッグ)プロモーション。この2種も「GRAF ZEPPELIN」マスタリングで磨き込み、位相ズレも完璧に修正された最高峰盤で永久保存しています。初期サバスの2大名作『DEFINITIVE MONTREUX 1970』『BRUSSELS 1970』に次ぐ、第三の放送音源。その最長・最高峰を更新する新名盤です。ヘヴィ・ミュージックの未来を大きく変えた“BLACK SABBATH Tour”の伝説録音をベストな状態。(リマスター・メモ)前回盤をベースに、別ソースで終盤2曲を補填、さらにNIBの曲順を直し、当日時系列最長盤を再現。メインパートはハムノイズ除去していくぶんスッキリと さらに左右のバリバリノイズが耳障りなのでモノ化。元々モノラル録音なので問題なし。これで左右のバリバリノイズはなくなりいくぶんか聞きやすくなりました。終盤2曲はシャーシャーとしたヒスノイズを緩和(それでも結構目立ちますが)。また、ライブ終演後の歓声がダブって収録されていたのでそこは削除。ラストのボーナスのコマーシャルも位相修正してます。「1970年6月26日ベルリン公演」のフル・ライヴアルバム。TV放送とされる極上録音をベースに、カットされていた「Fairies Wear Boots」「Wicked World」を別録音で補完した最長盤です。しかもサウンド自体も「GRAF ZEPPELIN」の細密マスタリングでアップグレード。低周波のハムのイズや、これまで修正不可能とされていた左右チャンネルのパチ・ノイズも補整され、さらに当時の貴重なラジオCMもボーナス収録。『DEFINITIVE MONTREUX 1970』『BRUSSELS 1970』に次ぐ、第三の名盤が誕生です。Audimax, Der Freier University, Berlin, West Germany 26th June 1970 BROADCAST MASTER (UPGRADE) (57:56) 1. Introduction 2. Paranoid 3. Iron Man 4. N.I.B. 5. Black Sabbath 6. War Pigs 7. Hand Of Doom 8. Rat Salad 9. Fairies Wear Boots 10. Wicked World Bonus Tracks 11. Radio Ad #1 12. Radio Ad #2 Ozzy Osbourne - Vocals Tony Iommi - Guitar Geezer Butler - Bass Bill Ward - Drums BROADCAST RECORDING