ドキュメンタリー番組やサントラ盤『SHERYL』も話題を呼び、満を持しての全米ツアーにも乗り出した2022年のシェリル・クロウ。その最新ステージを伝える極上ライヴアルバムが登場です。そんな本作に吹き込まれているのは「2022年7月10日コロンバス公演」。その超絶級オーディエンス録音です。2022年のシェリルと言えば、極上プロショット『BEACHLIFE FESTIVAL 2022』も好評を博しましたが、あれはあくまでスポット的なイベント出演。全米ツアーはその後に始まり、現在も進行中です。そんな彼女の近況を知る為にも、まずは現在までに公表されているスケジュールからおさらいしてみましょう。・1月18日:オーランド公演・2月3日:リビエラ・マヤ公演・3月11日:オースティン公演・4月23日:レキシントン公演《5月6日:ドキュメンタリー『SHERYL』公開》・5月15日『BEACHLIFE FESTIVAL 2022』・5月28日:バハマ公演・6月9日ー17日:北米#1(7公演)・7月2日ー8月3日:北米#2(17公演) ←★ココ★・9月17日:The Big Climate Thing出演 これが2022年のシェリル。ドキュメンタリー公開前後の5月までは単発ステージばかりでしたが、6月からツアーを開始、本作はそんな「北米#2」の6公演目にあたる。この日はコロンバスのダウンタウン開発公社とCAPA(コロンバス舞台芸術協会)が主催したフリー・コンサートでもあり、SOUTHERN AVENUEとケブ・モを従えてのトリ出演でした。そんなショウで記録された本作は、まさに「超」付きの極上オーディエンス録音……です、たぶん。いや、録音者本人が公開したマスターなので確実にオーディエンスなのですが、そのサウンドは完全オフィシャル級。それも発掘物などではなく、レギュラー・リリースの名盤級サウンドなのです。現場は壁のないオープン・スペースだけに反響ゼロなのは想像していましたが、それだけでは説明が付かない。極太な芯のド密着感、空間感覚ゼロな超克明ディテール、鮮やかにもほどがあるセパレート感……どこをどう聴いても客録とは思えない。特に凄いのは、やはりシェリルのヴォーカル。演奏陣も完璧にオフィシャル作品級なのですが、その上で踊る歌声は肉声の生々しさに目も醒める。優しい歌声は耳元で囁くようにこそばゆく、伸びやかな歌い上げは天翔る高揚感に満ちている。サウンド・クオリティ的にはオフィシャル風ではあるものの、やはりこの生々しさはオーディエンス録音の成せる業なのかと改めて納得する。2022年の技術はここまで凄い……そんな人類の進歩にまで想いを馳せてしまう脅威のサウンド体験なのです。そんな異次元サウンドで描かれるのは、最新のフルショウ。前述のように、今年はすでにプロショット『BEACHLIFE FESTIVAL 2022』をご紹介しておりますので、それを基準に整理してみましょう。90年代(10曲)・チューズデイ・ナイト・ミュージック・クラブ:Leaving Las Vegas/Strong Enough/All I Wanna Do/I Shall Believe(★)・シェリル・クロウ:If It Makes You Happy/A Change Would Do You Good/Hard To Make A Stand(★)/Everyday Is a Winding Road・グローブ・セッションズ:My Favorite Mistake/Riverwide(★)それ以降(6曲)・シェリル:Forever/Live With Me・その他:Soak Up the Sun/The First Cut Is The Deepest(★)/Real Gone/Cross Creek Road ※注:「★」印は『BEACHLIFE FESTIVAL 2022』で聴けなかった曲。……と、このようになっています。『BEACHLIFE FESTIVAL 2022』は約70分だったのに対し、本作は90分超えの堂々たるフルセット。2大代表作『TUESDAY NIGHT MUSIC CLUB』『SHERYL CROW』を軸としつつ、『THREADS』の「Cross Creek Road」や最新サントラの新曲「Forever」「Live With Me」まで、黄金のキャリアを幅広く集大成している。その姿勢は『BEACHLIFE FESTIVAL 2022』にも通じるものの、本作はさらに多彩なクラシックスも美味しい名曲の宝箱がたっぷりと楽しめるのです。とにもかくにも、衝撃的なまでの音の良さ。60歳を迎えてなお艶やかなシェリルの歌声にも惚れ惚れとしますが、それをものの見事に描ききり、さらにサウンドボードでは味わえない生々しさまで宿らせている。こんな録音が人類に可能だとは……。さまざまなバンド/アーティストで「進化した2022年基準」を見せつける新録音が到着しておりますが、その中でも本作の音はズバ抜けているのです。近い将来、オフィシャル作品もオーディエンス録音するようになるのかも知れない。「オフィシャル級」よりも「最新オーディエンス級」の方が格上の褒め言葉になるのかも……そんな未来の可能性まで妄想させるサウンド体験であり、その異次元感覚でシェリルの生声を堪能できる新名盤。「2022年7月10日コロンバス公演」の超絶級オーディエンス録音。反響ゼロのオープン・スペースだけに芯は極太でゼロ距離のド密着感が凄まじく、ディテールもセパレート感も超克明。どこをどう聴いても「オフィシャル名盤」級の超絶サウンドです。特に凄いのはシェリルのヴォーカルで、公式級クオリティの上に肉声の生々しさまで上乗せ。優しい歌声は耳元で囁くようにこそばゆく、伸びやかな歌い上げは天翔る高揚感に満ちている。キャリアを総括するグレイテスト・ヒッツを異次元サウンドで味わえる絶対の新名盤です。Columbus Bicentennial Pavilion, Columbus Commons, Columbus, OH, USA 10th July 2022 ULTIMATE SOUND Disc 1(50:09) 1. If It Makes You Happy 2. A Change Would Do You Good 3. Leaving Las Vegas 4. My Favorite Mistake 5. The First Cut Is The Deepest 6. Strong Enough 7. Hard To Make A Stand 8. Riverwide 9. Forever Disc 2(40:27) 1. Real Gone 2. Cross Creek Road 3. All I Wanna Do 4. Soak Up The Sun 5. Everyday Is A Winding Road 6. Live With Me 7. I Shall Believe